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マーク・オズボーン監督の特別講義を開催!
ドリームワークス最新作映画『カンフー・パンダ』公開記念ティーチ・イン

2008年7月26日(土)に、ドリームワークスから待望の新作『カンフー・パンダ』が全国一斉公開されました。『カンフー・パンダ』は、動物をモチーフにした登場 人物たちがカンフーマスターになるべく奮闘する姿を描いた、フルCGアニメーション映画です。デジタルハリウッド大学では、映画のプロモーションに来日し たマーク・オズボーン監督をお招きし、公開記念ティーチ・インを開催。最新アニメの舞台裏に迫りました。
当日はデジタルハリウッド大学の学生を中心に、一般からも多数の参加者が集まり会場は大盛況。前半は司会を務めた高橋光輝デジタルハリウッド大学・大学院 准教授のナビゲーションのもと講義が進み、後半は学生からの質問も飛び出しました。映画『カンフー・パンダ』への熱い思いをとても丁寧に語ってくれたマー ク・オズボーン監督。その講義の一部を抜粋してお伝えします。

監督のオファーがあったときどんな気持ちでしたか?

もともとコマ撮りで作品を撮っていた私は、初めてCGを扱うことや、大作で予算も大きいハリウッド映画を作ることに不安もありました。
しかし同時にいいチャンスだと思ったんです。キャラクターに魅力を、ストーリーに大きな可能性を感じたからです。
また、僕自身ジャック・ブラックのファンで、彼と一緒に仕事を出来るチャンスが巡ってきたことは幸せなことでした。彼と一緒なら、良いものが作れると確信していましたから。初めての大作への挑戦だからこそ、他のハリウッド映画とは違うアプローチをして、親密な感じを出せたらいいなと思いましたね。

インディペンデントで活動していた監督がハリウッドのメジャーな監督の経験をもらったわけですが、どうしてそのチャンスをつかんだとご本人はお考えですか?

ひとつは以前に作ったコマ撮りのショートフィルムが、いろいろなところで注目されたからだと思います。また、そのインディペンデント系の作品で培ってきたものをハリウッドの大作に反映していくチャレンジ自体が、『カンフー・パンダ』の主人公・ポーに通じるからではないでしょうか。
本作は、ポーがカンフーマスターになろうと奮闘していくお話で、彼は必死に自分なりのスタイルを見つけようと、もがいています。ポーは不可能に近い、夢みたいなことを実現しようとするのです。それを、監督のオファーを受けた自分に当てはめたときに、ハリウッドのスタジオという環境の中で、自分なりのスタイルを作ろうとすることが似ているような気がしたんです。だから僕自身も、僕なりの色が出せるかもしれないという希望を感じました。

インディペンデントとメジャーであるハリウッド映画の違いは何でしょうか?

一言で言うとスケールの大きさが違いましたね。たくさんの才能ある人たちと、一緒に仕事ができるという魅力は大きかったです。
みなさんそれぞれが「映画とはこうあるべきだ」というアイデアを持っていました。だからこそ、特に意識したことはその人たちみんなの同意を得て、同じ気持ちになること。この映画はいい作品になるんだ、と信じること、信じさせることに力を入れました。
大きな同意が得られたら、今度は実際に何百人もの人たちにそれを伝え、コミュニケーションをとる試練が待っていました。一人で作っているとき、ころころ気持ちが変わっても誰も説得する必要がありません。映画作りというのは常に発見の連続であり、いつも学びながら、ひとつの作品を作る、そういうプロセスだったんです。
ですが本作ほどの大規模な映画ですと、自分の気持ちを変えるととてつもないお金と時間がかかります。自分の考えが変わったことを多くの人に伝え説得しなければならないからです。それに、どうして自分が気持ちを変えたのか、なぜ必要かというのがきちんと説明できなければいけません。これには、全く違うダイナミックさがありました。 そして、プロジェクトを引っぱっていくクリエイターたちみんなで作り上げたベースのアイデアから逸脱しないこと、そしてその協力体制を、一貫して持続させていくことを心がけました。

今回の作品において一番苦労した部分はどこですか?

ストーリーをしっかりさせること、面白い話にすること、そして見ている人が共感できるよう、キャラクターを面白く魅力的にすること。これが一番大変で、大きなチャレンジでしたね。また、もうひとつの大きなチャレンジは実際のカンフーアクションです。
ハリウッド映画では基本のカンフー映画をコピーする方法をよく使います。ですが、それはやりたくなかったんです。ただコピーするのではなく、動物のキャラクターを使い、「斬新」かつ「ユニーク」で、誰も見たことのないカンフーにしたいと考えていましたね。
アクションをクールにするために、日本のアニメも沢山見て参考にしたんですよ。技術的にも大変なことでしたが、アニメーションを製作するチームが頑張ってくれたおかげで、それを克服し、最終的に綺麗な作品に仕上がりました。この映画は、題名にカンフーと入っています。
その名に負けないように、良いものを作ったつもりです。みなさんも楽しんでいただけると思います。

キャラクターにいろいろな性格が表現されていますが、個性を出すときどうやって決めたんですか?

キャラクターデザインはとても大切です。まず大まかなアイデアを元に、キャラクターデザイナーがデザインをします。それを忠実に再現し、キャラクター設定をしていくのです。
例えば、今回主人公・ポーを担当したジャック・ブラックにはいろいろなアイデアを出してもらいました。そのアイデアを受けてアニメーターが意見を出し、それをまたジャック・ブラックが見てインスピレーションを起こしアニメーターに伝える、そんなやり取りが絶え間なくありました。キャラクターの性格や特徴などは、デザインに俳優が命を与え、アニメーターもさらなる魂を吹き込むことで、性格を作っていったんです。

監督はアニメーション以外にも実写を撮っていますが、実写とアニメーションの違いはどこですか?

映画製作において一番大切なことはストーリーを語ることです。アーティストそれぞれに語りたいストーリーがあり、それによって、実写とアニメを使い分けています。学生さんには、自分が使っているツールにこだわりすぎるなということをよく言っていますが、私自身はアニメーションでの表現を好んでいます。ファンタスティックな私のアイデアを実現できるからです。
それに、ストーリーを磨き上げる時間をたっぷり取れる魅力もありますね。実写は、撮影現場で全部いっぺんに判断しなければならない。アニメーションの場合はコロコロ考えが変わり、作りながらストーリーをブラッシュアップできるんです。作り手は、ストーリー自体が成長していくのを助けるといった感じですね。今回『カンフー・パンダ』もそういう作り方をしているんですよ。アニメーションですが、非常に自然。実写ではないんだけれども、すごく“生”の映画です。

近年フル3DCGアニメーションが主流になっていますが。また2D作品に戻るのか、それともフル3DCGのまま進化していくのか、今後アニメーションの手法はどうなっていくと思いますか?

2Dを扱うメリットは、キャラクターの内的な世界やリアリティが表現できるところです。今のところハリウッドでは3DCGのアニメーションが成功しているので、これからもずっと作り続けると思います。けれど2D作品の良さを考えると、2Dに戻らないとは断言できないですね。実際ディズニーは2Dを作っていますよ。テクニックは、ストーリーを語るうえでのツールでしかないと考えているのです。

この映画を誰に伝えたいですか?

映画館に訪れる皆さんに、ですね。自分が観たいと思うだけでなく、自分の子供たちとも一緒に見られる、そういう作品を作りたいと思っていました。大人と子供、両方に楽しんでもらえる作品づくりを実現させることは難しかったですね。アメリカでは老若男女問わず楽しんでくれたので、日本でも同じように楽しんでくれるといいなと思います。子供を映画に連れて行った大人の方にも楽しんでもらいたいです。 アメリカでは大人の人が驚いていたんですよ。「実写映画みたいだ!」と。確かに僕たちはアニメの枠にとらわれない、リアルな映画を作ったんです。本当にクールで面白い映画を作ったつもりですから、ぜひ多くの人に楽しんでもらいたいですね。

マーク・オズボーン監督から、みなさんに3つのアドバイスがありました!

1、まずは自分の本能を信じてください。自分の本能に耳を傾けることで自分なりの表現がでるし、そこから他の人の本能と繋がることができると思います。創作者として自分の本能に耳を傾けてみてください。

2、ときにはリスクがあることを受け入れてください。そうすることで何か違うものが出来ると思います。

3、そして、失敗することを恐れないこと。失敗したということは、ある意味贅沢なことです。映画作りは失敗の連続。でも失敗したからといって、投げ出さずに映画を作り続けてください。

日本映画、中でも宮崎駿監督作品に影響を受けたというマーク・オズボーン監督。エンドロールには宮崎駿監督に敬意を示し、小さなストーリーが付けられているそうです。ぜひ最後までしっかりチェックしてくださいね!

(取材・ 原稿/小島千絵)

映画『カンフー・パンダ』 あらすじ

■タイトル:カンフー・パンダ ■公開表記:7/26(土)丸の内ピカデリー1ほか全国超拡大ロードショー ■配給表記:アスミック・エース 角川エンタテインメント ■公式サイトURL:http://www.kf-panda.jp/

信じること、それは奇跡を起こすこと山深い平和の谷には龍の巻物の奥義を得たものは最強の“龍の戦士”になるという伝説があった。そこに、悪のカンフー・ウォリアー、タイ・ランが巻物を狙って向かってくるという。立ち向かうのは、食いしん坊でぐうたらな、パンダのポーだった。 カンフーは大好きだが、ちょっぴりのろまなポーは、ひょんなことから“龍の戦士”に選ばれたものの、師匠シーフーの特訓にはついていけず、修行ははかどらない。巻物を求め迫りくるタイ・ラン。タイガー、ヘビ、ツル、モンキー、カマキリのカンフー・マスターたちはおろか、シーフーにまで魔の手は迫っていた。自分の限界を決め付けて前に進めないポーを、シーフーが励ます。「自分を信じろ!信じれば奇跡は起こる」。果たしてポーは、平和の谷を守ることができるのか!?ぐうたらパンダのポーが自分を信じて成長していく、笑いと感動あふれるミラクル・カンフー・ストーリー。

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