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大学トップの中の学部・大学院の中の著名人の特別講義の中の株式会社バンダイチャンネル代表取締役 松本悟氏

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「メディア概論」特別講義
最も身近なメディアを目指す、映像コンテンツ配信事業

映画や出版などいろいろなメディアを扱っているメディア概論。今回の授業では株式会社バンダイチャンネル代表取締役松本悟氏をゲストでお招きし、学生も多くが利用しているオンデマンドによる映像配信についてその裏側まで詳しく語っていただきました。

映像は“いつでも” “どこでも”の時代に

みなさんは、映像コンテンツを “何で” 見ているでしょうか。テレビ、パソコン、携帯、ゲーム機・・・様々な回答があがると思います。バンダイチャンネルではオンデマンドによるコンテンツ配信事業を行っており、2002年10月から有料の映像配信ビジネスを開始しています。今では当たり前のように観ている映像配信も、7年前に始まったばかりの事業なのです。 「制作会社や映像の権利者が持っているコンテンツを、バンダイチャンネルが配信権を持って、ISP(Internet Services Provider)の中で番組の編成するのが業務です。編成が出来ることで、集中的に特集を組める強みを持っています。テレビでいうプログラムです。他には映像を配信先にあわせたファイルにする作業をしています。『いつでもどこでも簡単に、より多くのユーザーへ、映像を効率よく届ける環境を提供・想像すること』というポリシーを掲げ、最近は携帯端末やゲーム端末での映像配信に力を入れています。」学生も、Webサイト以外で、バンダイチャンネルの配信を多く見ていたことを知り驚いていました。「取り扱いアニメ作品は2008年半ばでタイトル数600作品。一日で見ることが可能なエピソード数が8000話です。無料で見られるものだけでも600話あります。前年に扱ったタイトルは減らず、どんどん増えていくのがバンダイチャンネルの特徴です。話題になっているものだけではなく、過去作品も全て用意し、定番もそろえています。」

ビデオ・オン・デマンド(Video On Demand)のこと。ユーザが要求した時点でコンテンツを配信する通信であり、放送では行う事が出来ない映像の一時停止・巻戻し・早送りなどの操作が可能なサービス。

バンダイチャンネルの特徴と集客のポイント

バンダイチャンネルでは、会費はなく、ID登録だけで簡単に入ることが出来る仕組みになっています。現在登録会員は20万人。会員は新着情報メールが届いたり、1ヶ月先の編成表が閲覧出来たりと、多くの情報を入手することが出来ます。最近では映像を見るだけではなく、視聴感想や自分の似顔絵を貼り付けてブログのような展開も出来ます。またユーザー同士でチャットも出来るため、映像を見る楽しみを共有する流れになっています。このような仕組みづくりのほかに、20万人もの会員数の背景には“無料配信”が大きく関係しているそうです。「600話を無料で観てもらい、本編を有料でみてもらうという流れです。ある人気アニメーションでは、TV放送が終わったあとに1ヶ月間は有料で配信していました。その後1~9話まで無料配信にして、10話以降は有料という形式に変えました。途中まで無料で観てしまうと有料では見ないのではないか?と懸念しましたが、全て有料配信をしていた1ヶ月よりも実績が上がりました。まずは無料で作品を知ってもらい、良かったら有料で、というスタイルがバンダイチャンネルの大きな特徴です。」

テレビとの連動でユーザーに喜びを届ける

映像といえばやはりテレビの存在は大きいのではないでしょうか。「テレビとうまく連動することにより、制作側も我々も、そして何よりユーザーが喜ぶカタチを生み出しています。例えば、テレビでは関東圏でのみ放送された作品を、同時にバンダイチャンネルで配信しました。それによってテレビを見逃した人も、テレビ局未放送エリアも補完出来るという点で、ユーザーから喜ばれています。制作者には、提供経費が減る利点もありますし、プロモーションにも繋がるため、この形式で展開した作品はDVDやグッズの売れ行きも好調で、全国でテレビ放送したものと遜色ない売上をあげています。」これはバンダイチャンネルのもう一つのポリシー『おもちゃ、ゲームの商品提供に繋がるキャラクターマーチャンダイジングを支えるメディアになること』に繋がっており、ターゲットが定まっている配信だからこそ、よりキャラクターマーチャンダイジングに繋がる制作ができるのでしょう。

“配信”の幅が広がる新たな取り組み

また音楽も映像とは切り離せないもの。番組の主題歌に使われた音楽などは番組のイメージがついています。そのイメージを大切にした新たな取り組みを行っているそうです。「現在、バンダイチャンネルでは、ソニーミュージックさんと“アニメ・ミュージック・ビデオ・クリップ”というものをやっています。音楽の配信の際、アーティストのプロモーションビデオではアーティストの映像などが流れますが、アニメの主題歌は音楽だけ流す、あるいはジャケットの絵だけを1枚だけ貼り付けるのが主流でした。それはテレビのオープニングやエンディングが90秒程度のため、1曲で3~4分の音楽とは尺が合わなかったからです。しかし、それぞれの尺に合わせた映像を加工して、フル尺のアニメミュージッククリップを制作しています。」また、音楽だけではなく、新たな取り組みの中にはコミックスの配信もあります。「携帯端末でのコミックスの配信をしています。ただ漫画を読めるだけではなく、爆発シーンなど、動きに合わせてバイブレーターが反応するという仕組みです。」“いつでも”“どこでも”は映像だけでなく、あらゆるものに及んでいることが分かります。

対応すべき環境の変化と世界進出

最後に、映像配信という事業のなかで、対応しなくてはならない重要なことを話してくださいました。「著作権法上は違法になりますが、無料で映像を見られるサイトはたくさんあります。無料で見られる環境でしか見ていない人からすると、有料での視聴を勧めても、なかなか有料では見てはくれないです。だからこそ、例えばユーザーには無料で見て貰い、広告収入で補うなど、何を伝えるかに焦点をあてていく新しい時代に入っていると我々は考えています。現在はまだ、デレビ放送後のみ配信可能、日本に限り配信可能など多くの制約があります。しかし今後は、放送と同時あるいは放送前の配信やなど、新しい配信の在り方を考える必要もあると思います。そして日本だけではなく、全世界一斉に配信する対策を整え、違法サイトに対抗しうる正規な配信サイトを作る方向になっていくでしょう。環境の違いや著作権保護の考え方の違いを調整し、日本も海外での対応に力を入れていかねばなりません。今後、全世界的に配信するために、日本にサーバーを置き、海外でユーザーが見る際に、認証キーを日本から発行するというスタイルをとっています。こうして違法コピーやアップロードを防ぎます。すでに韓国では実施していますし、全世界70カ国でキャッシュサーバーをキープしているため、全世界に順次対応していく準備は整っています。」

(取材・原稿/小島千絵)

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