アニメファン、必見!TVアニメ「NARUTO-ナルト-」「銀魂」
アニメプロデューサーが語る!テレビアニメ製作の舞台裏
テレビ東京系列で絶賛放送中の人気アニメ『NARUTO-ナルト-』『銀魂』。この人気アニメや他にも77本以上にわたるアニメを担当してきたプロデューサー東不可止氏をゲストにお招きし、原作交渉、企画開発、シナリオ作成などテレビ放送まで一連の製作の流れとテレビ局におけるアニメプロデューサーの役割について語っていただきました。当日はデジタルハリウッド大学の学生を中心に、一般の方も多数参加者が集まりました。製作の裏話では笑いのこぼれる場面や、最後にはゲストも登場し、楽しい講義となったその一部をお伝えします。
現在東氏が担当している番組
「NARUTO-ナルト-疾風伝」 木曜 夜 7:30~
「銀魂」 木曜 夕方 6:00~
「毎日かあさん」 水曜 夜 7:00~
「イナズマイレブン」 水曜 夜 7:26~
「サキよみ ジャンBANG!」 金曜 夕方 6:00~
「Phantom~RequiemForThePhantom~」
木曜 深夜 2:30~
アニメプロデューサーになった経緯を教えていただけますか?
平成元年にテレビ東京に入り、営業CM部でコマーシャルの進行を担当していました。その後、横浜支社や本社で営業をやっていました。
そこでは『おはスタ』の立ち上げなどをやりました。その際に、アニメをやらないか?と声をかけていただき、99年に映画部に異動しアニメを担当するようになりました。
テレビ東京はアニメ番組が多いですよね。どのような取り組みをされているのですか?
テレビ東京にはアニメ局というアニメ専門の局があります。スポーツ局などはどのテレビ局にもあるのですがアニメ局があるのはテレビ東京だけです。今年4月にできたばかりです。このアニメ局は、アニメに関する出資と海外展開、社内社外の調整、アニメ番組の制作の3つを担当する部署です。得意分野をのばしていこうという取り組みの一環で、『ガイアの夜明け』のような報道番組に力を入れると同様に、アニメにも力を入れていきたいと考えています。社長の言葉で言うと「経済とアニメの両輪」です。
現在放送中のアニメーション番組:約100本(特撮・再放送等含む)
テレビ東京で放送中のアニメーション番組:43本
現在放送中の43本のアニメーション番組は10人でまわしています。プロデューサーが10人いるということです。全員プロデューサーで、アシスタントがいません。大変ではありますが、早いうちから仕事を任してもらえる会社です。
テレビ東京・アニメ制作部ではどのような仕事があるのですか?
まず、アニメーション番組の企画・製作があります。“何”を“どう”作るかということですね。また、アニメーションだけでなく、実写(特撮)番組やバラエティ番組の企画や製作も行っています。例えば 『ポケモンサンデー』 のようなバラエティ情報番組も担当します。
また、製作番組のスタンバイ業務や新聞のラジオ・テレビ欄に関する業務など、細かい業務がたくさんあります。
アニメのプロデューサーはどのような仕事なのでしょうか?
アニメーションでプロデューサーと名前のつく人はたくさんいます。多い番組では10人くらい。テレビ局のプロデューサーの仕事は、視聴率をとることがやはり大事になってきます。テレビ局ですから会社から課せられた責務ですね。その中で僕らは番組を提供する立場として、視聴者に向けてどういうものを作っていくかということを考えています。放送物を作るという点と、面白いものを作るという点を踏まえて、脚本の打合せ、コンテのチェック、アフレコ、VTR編集などの作業をしていきます。映像の安全性についてはハーディングマシンという安全を図る専門の機械を使って映像チェックをしています。以前に、事件があったこともあり、テレビ東京は世界一映像の安全に気を使っている会社だと思います。あとは番組宣伝。宣伝計画を番宣部の担当者や他メディアのパートナーとし検討して、どのように展開していくかを話し合います。
そして番組制作に携わるということで重要になってくるのがコミュニケーション。外部のプロデューサーの人、監督、脚本家たちと「すごいものを作りたい!」「すごくいいものを見せたい」ということをとことん話して、番組を作っていく・・・ここが一番大事かもしれませんね。
アニメに携わるプロデューサーがたくさんいるなかで、テレビ局のプロデューサーの立ち位置は?
テレビで放送している限り、作品は芸術ではなく、ビジネスとして成立しているということです。そこをきちんと担っていかないと民放のプロデューサーは出来ません。もちろん一番大切なのは視聴者の方ですが、よい番組を作るためにはどうしてもお金が必要なので、そこらへんのセンスが非常に大事だと思っています。10年営業やってきたとお話しましたが、はじめの10年営業をやっていなかったら、この10年間のアニメのプロデューサーはできなかったと思います。プロデュースに際しては関係した人がみんな幸せになるということを考えなければいけないと思っています。
昨年のPTAのアンケートで、見たい番組部門のアニメーション番組の1位は『NARUTO-ナルト-』でした。全体の11位にあたります。また、内容が好きという部門の一番に選ばれたのが『銀魂』でした。アニメーションはまだまだ力があります。「これからもアニメで勝負をかけていっていい」という想いの結果がアニメ局です。どんどん仕掛けていくこと、そして日本の文化を作り続けていかないといけません。
ただ純粋に視聴者に楽しんでもらえるだけで嬉しい事なのですが、そういう風に思いながら作っている人がいるということを覚えていてくれるともっと嬉しいですね。
アニメーション番組の製作の流れを教えてください。
まず、アニメ局各部や外部の広告会社、プロダクションからの企画を集約するところからスタートします。そして、どういう番組を作ろうかと企画の検討をしていきます。内容面はもちろんですが、製作体制なども検討します。シリーズ構成やキャラクター設定など、作品の全体像を決定したら、声優も決めていきます。声優のキャスティングは、大きい番組ですとオーディションに一番組100人くらい集まります。全員聞いていく作業は大変ですが、不思議なもので、スタッフが「せーの」で決めると、いっきに5人くらいに絞られるんですよ。テーマ曲やBGMを決めることも大切な仕事です。番組の顔ですから。ここまでが番組ごとに1回行われる作業です。
そして、各話ごとにもルーティン作業があります。毎週、脚本の打ち合わせをし、脚本はもめると7稿、8稿と打ち合わせを重ねます。その脚本が絵コンテになり、出来た絵コンテをチェック。その後原画制作、アフレコ、効果音を入れて納品です。その過程で何度もチェックを行い、放送という流れです。
夏に映画も公開される人気アニメ 『NARUTO-ナルト-』 について教えてください。
『NARUTO-ナルト-』は昨年の映画プロデュースから担当しており、担当してまだ2年くらいです。
今年は『NARUTO-ナルト-』連載10周年。今年の映画の話を始めたのは昨年の6月。連載ものの映画版は作るのが非常に難しいです。観に行って面白いことが一番大事なのですが、アニメーションの映画は、主人公の成長が描けないんですよ。戻ることができないので、新しい技も作ったり、原作にない出会いもあってはいけません。劇場版の作り方としては “味方のゲストがいて、その人を助ける話で、100分の作品をつくる” というパターンが決まってきてしまいます。しかし、今年は連載10周年ということで、味方のゲストを出さない方向でお願いしました。岸本先生とも「どうやって気持ちの流れやカタルシスを作れるか」とずいぶんお話をさせていただきました。希望としては「オールスターでやりたい」「ナルトの同級生をみんな出したい」という気持ちがありました。ナルトたちが自主的にがんばって動く形です。そのために、昨年の12月からテレビアニメのオリジナルエピソードでは、しばらく登場していない同級生のキャラクターが出てくるエピソードを作るなど映画に向けた流れを意識しました。違和感が無いように、すごく時間をかけて作りました。今年の映画はほぼ全員キャラクターが出てくる作品、今までの映画で1番枚数をかけた7万5000枚という超大作です。力の入った映画になっています。様々な人が関わって出来た作品です。ぜひ見ていただきたいです。損はさせません!
人気アニメ『銀魂』の製作裏話があればお聞かせください。
『銀魂』の監修を担当している高松信司さんはアニメ業界で「テレビ番組」を作っている特別な人だと思います。オンタイムで見るからこそ面白いんですよ。生で見た驚きが、どれだけインパクトがあるかを知っている人です。『銀魂』は“ライブ感”“生で見る楽しみ” を提供している番組です。テレビ番組の視聴率がとれないとか、生で見てもらえない時代ですが、その時代に対するひとつの答えが『銀魂』です。会社からも呼び出しをされることも多い(*1)ですが、作っていて楽しい番組ですね。このあいだも声優さんに「なんてセリフを言わせるんだろうと思っていました」と言われました。制作に関して言いますと、先々週分『週刊少年ジャンプ』に載った作品までは脚本になっています。そのぐらいの勢いで作っています。原作者の空知先生は天才なので、先生が考える世界観を僕らが作ろうとしてもなかなか出来ません。似て非なるものにしかならないと思っています。ですが、『銀魂』は、たぶん週刊漫画最大のネーム数(*2)を誇る漫画で、普通、原作の漫画3話~4話程度でアニメ1話を作るのですが、原作1話分でアニメ1話作ることができるんですよ。その計算ですと、1週間に1本ずつ消化していけば、原作に追いつかないわけです。
もともと、銀魂は枠が移動になって、1年で終わる予定でした。そこで「最後まで走りきろう!」とギアをトップにあげたら、いつのまにか2年、3年目に滑り込み、今も続いています。今後、どうなるかは分かりませんが、みなさんに「頑張って!」と言っていただけるのが励みです。応援をよろしくおねがいします!
*1) 放送禁止用語ギリギリの言葉などが多く出てきたりするため
*2) ネームとは、漫画を描く際、どのようなコマ割りにして、どのようなキャラクターをここで出して、どのような台詞をどのキャラクターに喋らせるかということを書き込んだもの。
東氏の講演の終わりにスペシャルゲストとして、『銀魂』のエンディングテーマ曲『朝ANSWER』を唄う、今注目の新人アーティスト、PENGIN(ペンギン)が登場し、会場を盛り上げてくださいました!
■東 不可止 氏
株式会社テレビ東京 アニメ局 アニメ制作部 プロデューサー
1989年入社。テレビCM営業を経て1999年からテレビアニメのプロデューサーを務める。
主なプロデュース作品として、「NARUTO-ナルト-疾風伝」「銀魂」「無限のリヴァイアス」「D.Gray-man」「スクールランブル」「BLUE DRAGON」など多数の作品を手掛ける。
-PENGIN-
沖縄出身の3人組(2ボーカル+1DJ)シンガー、PENGIN。メンバーはボーカルXICO(キシコ)、346(サンシロウ)、DJ カットー。ココロにグッとくる歌詞と、島唄を彷彿させる独特の歌声が特徴。2008年11月、シングル「オレポーズ~俺なりのラブソング~」でメジャーデビュー。リリースから、わずか2ヶ月足らずで、2008年の年間リクエストチャート第11位の快挙を成し遂げる。2009年3月に2ndシングル「春春春」をリリース!!全国35局ものAM/FMラジオ局やTV局でパワープレイを獲得!!現在、携帯小説やSNSサイトで100万ページビューを突破する等、何かと話題沸騰中!!6/10には、テレビ東京系アニメ「銀魂」エンディングテーマである3rdシングル「朝ANSWER」をリリース!!先行配信された着うたフル(R)は、数日で10万ダウンロードを突破!!歴代の「銀魂」エンディングテーマの中で、着うた(R)/着うたフル(R)共に1位!!着うたフル(R)の配信日には、レコチョクランキング8位を記録。オリコンデイリーチャートも15位を記録。本年度ブレイク間違いなしのPENGINを要チェック!インディーズ時代100万人を泣かせた名曲「世界に一人のシンデレラ」も新録/リアレンジして、着うた(R)絶賛配信中!!!
(取材・原稿/小島千絵)
















