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大学トップの中の学部・大学院の中の著名人の特別講義の中の映画『HACHI』製作総指揮 ポール・メイソン氏

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特別講義 映画『HACHI 約束の犬』公開記念イベント
製作総指揮ポール・メイソンが語る ハリウッド映画の製作術 

日本で生まれた感動の実話「ハチ公物語」をハリウッドが遂に映画化しました。リチャード・ギアを主演に、ラッセ・ハルストレム監督が手掛けるという豪華キャストとスタッフ陣。そして本作の仕掛け人であり、製作総指揮を手掛けたポール・メイソン氏が今回緊急来日しました。デジタルハリウッド大学では公開に先駆けて、本作の誕生過程から製作秘話、ハリウッドの映画製作術などを語っていただきました。
今回、モデレーター高橋光輝教員の進行のもと特別講義が進められ、通訳は英語プログラム主任の松崎武志教員が務めました。最後の質疑応答では学生が英語で質問を投げかけるなど、本学らしく温かく、盛り上がった講義の一部をお伝えします。
まず始めに、リチャード・ギアさんからビデオメッセージが届き、会場は大盛り上がり。リチャード・ギアさんも犬を飼っており、ハチ公物語の感動的なストーリーに共感し、役を演じたそうです。きっと皆さんの心にも届くと思いますというメッセージがあり、続いて、ポール・メイソン氏へのインタビューに入りました。

まず、日本の実話をハリウッドで映画化しようとした経緯をお教えください。

今日一緒に来ているプロデューサーのヴィッキー・シゲクニ・ウォン氏が、ハチ公の話を私にずっとしていました。そして調べるうちに私も興味を持つようになったのです。とても素晴らしく感動的な物語ですよね。
私は、今まで、『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』というゾンビ映画や、ホラー映画を中心に映画を作っていたのですが、ハチ公物語の製作は新しい経験になると考え、挑戦することにしました。始めは日本をベースとして日本で撮影し、日本の映画として作ろうと考えましたが、やはり我々が日本の映画を作るのは難しい。ですから、国際的なものを作ろうとアメリカのストーリーへと転換しました。そして作るからには国際的な話として展開させていくことを考えていました。今回の『HACHI』に限らず、常々思っていることですが、良いものを作れば国際的に認められると信じて映画を作っています。

リチャード・ギアさんを起用した経緯をお聞かせください。

今回の映画にはぜひリチャード氏に頼みたいと名前が挙がっていました。まさか引き受けてくれるとは思っていませんでした。ストーリーの途中で亡くなってしまう役ですから。しかし、さきほどご本人からのメッセージにもあったように、素晴らしいストーリーに共感し、ぜひ出演したいと快諾してくださったのです。

監督をラッセ・ハルストレム監督に決めた理由はなんでしょうか?

私たちが求めていた監督像は“美しさとシンプルさを理解できる人”でした。ラッセ監督も監督を任せたいと考えた監督候補の上位に挙がっていました。幸運なことに、リチャード氏とラッセ監督は友人同士で、しかも近くに住んでいたこともあり、ラッセ氏を監督に、リチャード氏を主演に迎えることが出来たのです。二人とも楽しんで物語を作ってくれましたし、ラッセ監督は物語のシンプルな部分をさらにシンプルにしてくれました。さらには、リチャード氏はぜひプロデュースもしたいということで、プロデュースにも加わってくれました。

日本側の反応はどうでしたか?

とても幸運なことに、松竹の方が台本を気に入ってくれて、協力してくれました。私が制作した『キングコング対ゴジラ』を見てくれていたのです。はじめ、ハチ公物語を持ちかけたときは乗り気ではなかったので、受け入れていただけたのは非常に運が良かったと思っています。

ハチ公役の犬は本物の秋田犬を使われたのですか?

さまざまな犬が使われたのですが、成犬は本物の秋田犬を3匹使いました。名前は”チコ” ”フォレスト” ”ライラ”です。他2匹の男の子がおとなしかったため、元気な女の子ライラを起用しました。普通の役回りはオスの2匹に、感情的なシーンはライラが活躍してくれました。キスをするシーンなどですね。3匹とも、多くの技を覚えてくれたのには驚かされました。子犬役に関しては、柴犬を使っています。なぜかというと、柴犬は秋田犬より成長が遅く、長期的に撮影するにあたって都合が良かったからです。ラストシーンに出てくる子犬の役のみ、本物の秋田犬を使いました。とても幼い子犬だったのですが、少年のあとをついていくシーンをきちんと演じてくれましたよ。

プロデューサーの役割分担はどうなっているのでしょうか?

いつでも、プロデューサーは他の人がやりたがらないことをすべて引き受けることだと思っています。さまざまな仕事準備、台本の用意、お金の用意、監督やキャスト決め・・・全てを卒なくこなす人もいれば、特定の分野に長けていて、その分野で力を発揮する人もいます。私はもともと書き手であったので、物語を作る作業や、登場人物を作りこむ作業には力を発揮します。プロデューサーのヴィッキーはマーケティングに長けています。トム・ハンクスやアダム・サンドラーのように俳優でありながらプロデューサーとして活躍している人もいます。このようにさまざまな分野の人が活躍する可能性があるのです。大事なことは、“自分の強み”を見極めて、それを伸ばすことです。一方で、どこが弱いのかも見極め、周りから助けてもらえるよう努めるべきだと思っています。

プロデューサーを目指す学生にアドバイスをお願いします。

とても簡単なことではありますが「死ぬ気でがんばりなさい」と言いたいです。誰もこういったアドバイスは聞きたくないですよね。分かってはいるのですが、あえて言わせてください。映画の業界は非常に魅力的な業界で、わずかな人だけが成功出来る場所です。だからこそ「自分の頭を壁に打ち付けなさい」とアドバイスします。つまり、無駄だと思われるような努力も惜しまずにしなさいという意味です。私がみなさんの年齢の頃は。今あるような機材はありませんでした。今は機材がありますし、プロデューサーも、監督も、カメラマンも何でも出来るはずです。そして何より、一番魅力的なのは、失敗が何度も出来ることです。失敗を恐れず、何度も頭を打ち付けているうちに、いつか、ドアが開くかもしれません。そのときに、すぐに飛び込めるように準備をしておくことです。 ハリウッドに行けば他にもライバルがたくさんいます。だからこそ、自分が好きであり、得意であり、1日何時間もうちこめるもので勝負していくべきです。しかし、その上で、得意ではない仕事に出会ったときに、専門ではないからと断るのではなく、掴むことも大切です。みなさんも自分のどこが強いかを把握し、そこに固執しながら、チャンスをつかんでください。

■ 映画「HACHI 約束の犬」
アメリカ/2009年/93分/ビスタサイズ/ドルビーSRD、SDDS、DTS
原題:HACHIKO:A DOG’S STORY
提供:フジテレビジョン、松竹、電通 / 配給:松竹
フジテレビ開局50周年記念作品
【公式サイト】 http://www.hachi-movie.jp/
8月8日(土)よりロードショー

(取材・原稿/小島千絵)

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