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大学トップの中の学部・大学院の中の著名人の特別講義の中の映画『ATOM』 製作マリアン・ガーガー氏/製作総指揮フランシス・カオ氏

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あの名作が現代によみがえる
ハリウッド版 映画「ATOM」のすべて

手塚治虫原作の不朽の名作「鉄腕アトム」をハリウッドがCGアニメ化し話題を呼んでいる映画『ATOM』。手塚治虫生誕80年の今年、香港とロサンゼルスにスタジオを持つアニメーション製作会社イマジ・スタジオが、手塚プロダクションと手を組みフルCGアニメの『ATOM』として現代によみがえらせました。
今回、デジタルハリウッド大学ではモデレーター学長補佐高橋光輝先生進行のもと、映画『ATOM』の製作を担当したマリアン・ガーガー氏と、製作総指揮を担当したフランシス・カオ氏をお招きし、特別講義を開催しました。

はじめに、監督のデビッド・バワーズ氏がデジタルハリウッド大学の学生へビデオメッセージをくださいました。

映画「ATOM」をアニメーションの部分で期待していると思います。CGに対する力の入れ具合はいかがですか?

デビッド監督
手塚氏が作り出した2Dの世界観が美しいので、それをいかに表現するかをこだわりました。3DCGだからこその立体的なつくりになるよう気をつけています。しかし、アトムの髪型のとんがっている部分は3DCGだと見えなくなる部分があるので、形を失わないように気を使いました。

日本の作品で好きな作品や影響を受けたクリエイターなどいますか?

デビッド監督
『AKIRA』()です。アニメ映画を制作するきっかけとなりました。実写ではキタノタケシ氏ですね。ビジュアルがとてもクールです。また、黒澤明氏の『隠し砦の三悪人』は『スターウォーズに非常に影響を与えていると聞くので、スターウォーズに影響を受けた私は間接的に黒澤氏に影響を受けたといえると思います。

これから監督を目指す日本の学生へのメッセージをお願いします。

デビット監督
アクションであれコメディーであれ、どんな作品でもキャラクターの心情を観客が理解し、キャラクターに感情移入できればついてきてくれます。

※)『AKIRA』(アキラ)は大友克洋による日本の漫画。1988年に大友克洋が自ら指揮をとり、アニメ映画化された。

いつ、「鉄腕アトム」を映画にしようと考えたのですか?

フランシス・カオ氏
2003年に他社が制作を進めていると聞き、どのようなかたちで開発されているか見せていただきました。しかし、その作品はアトムの精神が失われていると感じ、正直がっかりしてしまいました。その2年後に制作を断念したと聞き、私はすぐに東京へとんで行き、手塚プロダクションの方にお会いして、自らアトムを映画化したいと告げたのです。香港人はアニメをたくさん見て育っているという背景があります。また、西洋的なものと東洋的のものを融合していくユニークな場所です。このような香港の特徴を活かして、今回アトムを映画化するにあたり、世界に通用する素晴らしいものにしたいと思いました。

あえて日本テイストで作っていこうという話になったのですね。アトムは非常に長い話ですが、
どこの部分を映像化しようか、またどう日本のテイストを生かそうかと悩んだのではないですか?

マリアン・ガーガー氏
まずアトムのストーリーが心温まるストーリーであり、楽しいキャラクターがたくさん出てくるパワフルな作品だと思っています。そういったアトムの原作を非常に忠実に使いたい気持ちがありました。父親が息子を失い、なんとしても息子を再生させたいという父と息子の関係を丁寧に描くことで物語を忠実にして、その中にアクションを織り交ぜていくことにしました。アトムを世界に紹介していくという重要な役割を担っていると思っています。脚本の段階から清水さんをはじめ、手塚プロダクションの方々にアドバイスをたくさんいただき、感謝しております。私が過去に制作した映画は5年という歳月をかけて作りました。しかし、今回は脚本を書き始めてから公開にいたるまで20ヶ月で終えることができました。このスピードで成し遂げることが出来たのは、何度も変更があったにもかかわらず、直感を信じて突き進んできたからだと思います。

脚本を書き始めてから公開まで20ヶ月というスピードで、このクオリティは素晴らしいですね。

フランシス・カオ氏
アトムは、非常にしっかりしたストーリーがあり、よく知られているキャラクターがあるので幸運だと思っています。ドリームワークスで新たなオリジナル作品を制作するときは、どのように進めていくべきか分からなくなることもあるのです。しかし、アトムの場合は違います。非常にリスクが少ない中制作することが出来ました。香港、ロサンジェルスにあるスタジオは、規模が小さい分、コミュニケーションがうまくいったのも、スピーディーな制作が実現した理由のひとつだと思います。

原作の顔と映画の顔が違いますが、顔はとても苦戦したと聞いています。制作のエピソードはありますか?

マリアン・ガーガー氏
確かに顔の部分を作りあげるのが、一番時間がかかりました。この顔になるまでいろいろなパターンを制作しました。はじめ制作した顔は、年齢が上すぎました。日本人が分からなくなるような違いすぎる顔にはしたくないという気持ちと、世界中の方にとっても、魅力的なキャラクターにしたいという気持ちがあり、試行錯誤しながらさまざまなバージョンを作って、いまの形になりました。

キャスティングについて質問です。有名な俳優が揃っていますが、キャスティングはどなたがされたんですか?

マリアン・ガーガー氏
デイビッド監督と私がキャスティングを手掛けました。アトムには最高の俳優を使いたいと始めから決めていました。大変幸運なことに、声をかけた方みなさんが快諾してくださいました。いかにこの作品がパワフルであるかを物語っていると思います。作品作りも大変熱心に行っていただきました。

フランシス・カオ氏
私は今回、キャスティングは担当していませんが、声優の演技をとても重要視しています。脚本をまず読んでいただき、演技を録音して、スタジオのアニメーターに聞かせます。声の表情がアニメーターさんにとって重要になってきます。こうやってアニメを発展させていくのです。

監督の役割、プロデューサーの役割を聞かせてください。

マリアン・ガーガー氏
映画というのはビジネスですので、目標をもっております。プロデューサーはビジネス的に成功させなくてはいけません。そして最高のストーリー、最高の俳優、最高の音楽を使って予算どおりに制作を進めていかなければならず、限られた予算の中で、クオリティの高い作品に仕上げるのが役割だと思っています。監督で一番大事だと言えるのは明確で強いビジョンと自信を持っていなくてはいけないということです。デビッドは長年の付き合いがありますが、そういったビジョンを持っています。そして映画に関わる人にインスピレーションを与える強さを持っていなくてはいけません。デビッドはきちんとした自信と明確なビジョンを持っているから、他の人を引っ張っていけるのだと思います。

アメリカでは、監督よりプロデューサーがえらいと聞きますが本当ですか?

マリアン・ガーガー氏
立場的に、プロデューサーのほうが力があるのは本当です。ですが、感じているのは、いいパートナーシップを組むのが成功の秘訣だということです。最終的にパトーナーシップがよければ、いい映画になります。

どうやったらプロデューサーになれるか、アドバイスをいただけますか?

マリアン・ガーガー氏
こうやったらプロデューサーになれるという的確なアドバイスがあるかはわかりません。しかし、一生懸命仕事をしていくことで時間はかかりますが、いつの日か道が開けていくと思っています。色々な経験をし、色々な人に会うということが大切です。

マリアン・ガーガー氏(製作)
マリアン・ガーガー(製作) 『ポカホンタス』(95)の製作コーディネー ターでアニメ界入り。1995年にドリームワークスの14番目の社員として入社し、『プリンス・オブ・エジプト』(98)のプロダクションスーパーバイ ザー、『スピリット』(02)のプロダクションマネージャー、『シンドバッド 7つの海の伝説』(03/V)の製作幹部を務めた。また、『マウス・タウン ロディとリタの大冒険』(06/V)、短編“First Flight”(06)では製作を担当。

フランシス・カオ氏(製作総指揮)
イマジ・スタジオの創設者で、同社のクリエイティブ部門を取り仕切っている。2000年に、アジアに世界クラスのCGアニメのスタジオを作りたいという夢へ 向けて動きだした。イマジ・スタジオのクリエイティブ面の方向性を打ち出し、同社が製作する映画の最終決定を下す。映画の企画と製作に携わりつつ、同社の知的財産管理の責任も負う。全米で公開週に興行成績1位を取ったイマジ・スタジオの初作品『ミュータント・タートルズ -TMNT-』(07/V)の製作総指揮している。

(取材・原稿/小島千絵)

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