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大学トップの中の学部・大学院の中の著名人の特別講義の中の映画『僕の初恋をキミに捧ぐ』 ができるまで 新城監督、畠山プロデューサー

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映画公開記念 監督・プロデューサーが語る
『僕の初恋をキミに捧ぐ』 ができるまで

青木琴美原作の大ヒット少女コミック『僕の初恋をキミに捧ぐ』がついに映画化。原作コミックは累計750万部超のベストセラーとなり、2007年には第53回小学館漫画賞を受賞しました。 20歳までしか生きられないと宣告された少年とその少年に恋をした少女を描く究極のラブストーリーを井上真央さんと岡田将生さんが演じています。今回、デジタルハリウッド大学では映画 『僕の初恋をキミに捧ぐ』 の監督新城毅彦氏とプロデューサー畠山直人氏をお迎えし、モデレーター高橋光輝先生進行のもと特別講義を開催しました。 映画の作り方(企画・制作・宣伝の流れ)や撮影現場の裏側などを紹介し、本学の学生だけでなく、「僕キミ」ファンも熱心に耳を傾けていた講義の一部を抜粋してお伝えします。

まずはこの映画の誕生のいきさつを教えてください。

畠山プロデューサー
3年くらい前に原作者の青木さんと編集者の方とお会いする機会があり、連載が始まった 『僕の初恋をキミに捧ぐ』 を読ませていただきました。そのときから映画化の可能性があるのではないかと感じていましたが、すぐには動き出さず、原作がたまるのを待っていました。待っている間も、一読者として展開を楽しんで読んでいましたし、青木さんと一緒に食事をするなど交流はありました。そして小学館漫画賞を受賞する直前の人気が出てきた頃、本格的に映画化に向けて動き出しました。

なぜ新城さんに監督をお願いしたのですか?

畠山プロデューサー
私自身もこの映画が映画初プロデュースの企画だったので、監督選びが分からない部分もありました。映画監督がたくさん掲載されている本を読むなどして探していたのですが、なかなかピンとくる方を見つけられないでいました。そんな中、先輩のプロデューサーに相談したところ、一人いい人がいると紹介していただいたのが新城さんでした。お会いする前に新城さんの作品 『ただ、君を愛してる』 を拝見して、この映画にも通じるものがあると感じてアプローチしてみようと決めました。ですが、自分の初プロデュース作品ということもあり、愛が強すぎて、自己主張もしてしまうだろうと思い、話が合わない監督だと困ると懸念していました。ですが、新城さんは芯が強い部分もお持ちですが、話し合いが出来る方だったのでお願いしたのが監督決定の経緯です。

監督はこの話を頂いたときに、どういう思い出引き受けられたのですか?

新城監督
引き受けた理由のひとつは原作が面白かったことです。そして、ツボや感性にふれたものを信じようと思ったのと、作っていかないとわからない部分に期待して引き受けました。

原作があるものの映画制作について聞かせてください。

新城監督
今まで映画を3本撮っていますが、小説・実録・漫画とベースが全て違います。この中では実録が難しいですね。小説や漫画と違い、実話の場合はかなり制約を受けるので、勝手に話を広げることができません。一方、小説はイメージを膨らませることができるので楽ですね。漫画原作は、カット割りもありますし、イメージ的な絵もあるので、実際に役者さんが演じる上での折り合いの付け方は難しかったです。また、12巻の漫画を2時間にしなくてはいけなかったのも大変でした。原作ファンの方だけに向けて制作するわけにもいかないので、出発点は苦労しましたが、原作好きの方でも気に入ってくださった方もいらっしゃるので嬉しいですね。

映像化にあたって原作者の要望はありましたか?

畠山プロデューサー
原作があるものを制作するからには、私たちもその原作が好きで作りますので、原作と全く違うものにしたいとは思いません。また、原作者や編集者と良好な関係を築いていたので、原作者サイドからも強い要望はありませんでした。青木さん自身がクリエイターとして、映画化されるという時点で映画制作をする方々のものですとおっしゃってくださっていたので制作しやすかったですね。唯一おっしゃっていたのは、繭<まゆ>と逞<たくま>のキャラクターを活かしてほしいということでした。

描きたかったポイントはどういったところでしょうか?

新城監督
身もふたもない言い方になってしまいますが、付き合っているカップルの片方が病気で死んでいくという設定はよくあると思います。私はよくある話でいいのではないか、と思っているのです。その中で、2人のキャラクターや空気感を愛してもらえるかを重要視しているからです。どう新鮮さ、新しさを出すかが勝負ですね。“病気モノ” でもあるし、“恋愛モノ” でもある。そうしたときに順番として “恋愛” があって “病気” があるという形で描いています。その意識によって、作り方が変わってきます。当然人が死んでしまうのは泣けますし、悲しいですが、泣き終わったあとにどう思ってもらえるかが大事だなぁと思っています。

この映画でこだわった部分はどのようなところですか?

畠山プロデューサー
スタッフにもずっと言っていたのが「キュンキュンさせたい」ということでした。頭から死んでしまうと分かっている話なのに全編とおして明るく、キラキラ生きている、そういうキュンキュンした映画を作りたいと思っていました。例えるなら洋画の学園モノみたいな感じですね。

新城監督
観終わったあとに、辛い気持ちになったり、深く考えすぎたりする作品ではなく、エンターテイメントとして楽しんでもらいたいという想いで作りました。基本的にはポジティブが座右の銘です。やっぱりドキドキしたりとか、年を重ねると忘れがちだったりするのですが、中学生や高校生のころに自分が憧れた作品のように、ドキドキしてもらえればいいなぁと思います。

続いてキャストについて伺います。主役の繭に井上真央さんを選ばれた理由を聞かせてください。

新城監督
3人で話をしてたくさんの名前は出ました。中高生だけをコアに狙った作品にするのか、もう少し上を狙うのかなど、まずメインターゲットのコンセプトを考えました。そのコンセプトに合わせて、主役もいくつくらいの子にしようかと考えていきました。正直、中学生を二人が演じるのは結構きついのではないかとも思いましたが、実際にこの役を本当の中学生に演じさせたときに観客がついてくるか、 “メジャー感” がでるか、と思ったのです。そして、子役からみてきている真央ちゃん自身のキャラクターや、印象なども考え配役しました。

相手役の逞に岡田将生さんを選ばれた理由を聞かせてください。

畠山プロデューサー
“メジャー感” と同時に気にしたのが、あまりにも見たことがある配役になってしまうとつまらなくなってしまうということです。今回は、真央ちゃんが先に決まったので、相手役は多少冒険できるところもあると思っていました。岡田将生さんはキャスティングしようと思った時にはすでに業界で人気が出てきていたのですが、テレビではこれから人気が出るのでは、という時期でした。映画 『天然コケッコー』 の演技が非常によく、彼は人気が出るだろうなぁと思っていました。逞役をお願いしたときにはすでに結構先のスケジュールが詰まっていたのですが、運よくスケジュールが合ったので本当によかったです。

他のキャストや撮影中のエピソードなどを聞かせてください。

新城監督
子役は、子供がかわいいことがポイントです!オーディションで選びました。男女とも、8歳くらいの設定ですけど、芝居ができる子を、と考えて5~10才を集めてたくさんオーディションをしました。関東の子役には全員会ったのではないか、というほどです。そして主演の2人の話ですが、真央ちゃんもどんどん成長しているし、岡田くんは真央ちゃんから学ぶことも多かったと思います。いい化学反応だったと思いますよ。撮影中、真央ちゃんはNGがほぼありませんでした。NGを出すとしたらだいたい岡田くんでしたね。私の映画の作り方が、基本カメラ1台でカットを多く割るので、何度も何度も同じ場面を演じてもらうため、よく文句も言わずにやってくれたなぁと感謝しています。

畠山プロデューサー
監督からも、主演の2人には始めに仲良くなってくださいとお願いしていました。主に真央ちゃんが引っ張ってくれていましたね。岡田くんはシャイな青年なので、休みがあるとすっと一人になろうとするところがありました。そういうときに真央ちゃんが近づいていって話をしたり、仲良くなろうとしていたのはすごいと思いましたね。真央ちゃん自身もベースは人見知りをするタイプなのですが、質問大会をして、1週間くらいたった頃にはすごく仲良くなっていました。

主題化を平井堅さん託した狙いはありますか?

畠山プロデューサー
女子中高生をターゲットにしたときに、10年後20年後に良かったねと思えるような映画にしたいと考えています。ですから、今の流行だけに流された選び方はしないようにしました。

新城監督
映画の題名が「僕」となっていますが、映画自体の主演は繭です。ですから、主題歌は男性目線の歌詞にして欲しいと思っていました。まさかアンサーソングのように書いてくれるとは思わなかったので、嬉しかったです。平井さんという恋愛映画にピッタリのど真ん中を投げたのは変化球より直球で勝負したいと思ったからです。

最後に、求められるプロデューサー像、監督像を教えていただき、プロデューサーや監督を目指す学生にメッセージをいただけますか?

畠山プロデューサー
今回プロデューサーという役割についてみて分かったことは、とにかく自信のある人でないとついてこないということです。役者は時間の切り売りですので、この映画はすごくいいものになると人を信じさせるくらいの準備をし、納得させなければいけません。 私は大学生のときには監督になろうと思っていて、大学では映画を撮ったりしていました。その後会社に入って、色々なことをやりつつ進んできました。今自分の作りたい映画を作れているので、幸せだなぁと思っています。いつかチャンスが巡ってくると信じて、今の気持ちを忘れずに頑張って欲しいです。

新城監督
自分の世界やビジョンを持っている人は強いですね。そして、自分のベースの上でコミュニケーションをとれて、そのコミュにケーションの中で良いこと悪いことを取捨選択していくのが大事です。多少揉めることもあるかもしれませんが、最終的にはビジネスである以上、成果を出して、周りに納得してもらうことが必要だと思います。

(取材・原稿/小島千絵)

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