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2008年度 第2回 教員研修レポート

11月14日、08年度第2回のデジタルハリウッド大学・大学院合同の教員研修が開催されました。
教員研修とは、大学等の理念・目標や教育内容・方法の普及、ならびに教員の教育力・指導力を向上させるために実施している研修のことです。本学では年間3回実施しています。
今回は本学のFD活動を実際に視察したいということで、関西生産性本部の学校経営品質向上研究会の視察団も参加され、いつも以上の盛り上がりを見せた教員研修となりました。

「Faculty Development(FD)」とは

今、大学業界では、Faculty Development(ファカルティ・ディベロップメント。以下、FD)にどのくらい取り組んでいるかということがたいへん注目されています。
FDとは「大学教員の教育力を高めるための実践的方法」のことで、大学の授業改革のための組織的な取り組み方法を指します。本学でもFDに積極的に取り組むため、杉山学長や本学のCLO  (Chief Learning Officer:最高教育手法責任者) である羽根拓也教授のほか、FDに関して造詣の深い数名の本学教員で構成された「FD委員会」を立ち上げ、教育力を高めるための施策を検討・実施するなど、日々FD活動に取り組んでいます。

今回の研修もFD活動の報告からスタートしました。 まずは、昨年度のFD委員会で定めた、授業の方向性の基盤となるミッションを復習しました。 デジタルハリウッド大学、大学院が掲げたミッションは 『すべてをエンタテインメントにせよ!』 と 『Digitful world』 の二つです。この二つのミッションについて、杉山学長が説明がありました。

- 『すべてをエンタテインメントにせよ!』

現在、デジタルコミュニケーションでモノをきちんと伝える力は、全産業界が必要としています。
そして人間それぞれが幸せで、楽しく、そして自分らしく人生を全うする権利があるという考えから生まれたのが 『すべてをエンタテインメントにせよ!』 というミッションです。学生がどんな業界へ進んだとしても、ここで学んだ能力で、すべてをエンタテインメントにしていってほしいという想いが込められています。

『Digitful World』

『Digitful World』は杉山学長の造語です。Web、ゲーム、映画、ケータイ、広告、動画など、デジタルコンテンツは今や私たちの生活には欠かせないものとなりました。デジタル化が普及した今、デジタルコミュニケーションが人間社会の中心となる新たな世界がはじまります。その世界はWonderfulで、Powerfulで、Soulfulで、Beautifulな世界、それこそが『Digitful World』なのです。夢を実現させ、デジタル社会で自分らしく生きるための表現技術と、それを生かす方法を教えるのが本学のミッションなのです。

エヴァリュエーションシート

このミッションを果たすための具体的な施策のひとつがエヴァリュエーションシート(Evaluation Sheet。以下、ES)の活用です。
多くの学校が実施している、学生による授業評価アンケートのことですが、本学ではただ学生が教員を評価するだけのシートではありません。その内容には学生自身の学ぶ姿勢や、授業内で印象に残ったこと、そして授業への理解・興味なども書き込んでいきます。これにより教員の伝えたいことが正確に伝わっているかを判断し、次回の授業改善に役立てていきます。
羽根教授は、全授業で毎回提出を求めるESを 「本気のコミュニケーション」 と説明しています。学生が自分の氏名を担当教員に公開した上で責任を持った評価・意見具申を行い、教員もその評価・意見具申に対して真摯に回答してゆくということが趣旨です。

教員間でESの効果について話し合うと 「ESでコミュニケーションのきっかけを作り、授業で顔を合わせたときのコミュニケーションに繋げていく、そういった流れが出来上がっています」 との声も上がりました。毎授業となると学生の負担も増えますが、来年度は携帯サイトからのES入力も可能となり、より負担なく、コミュニケーションをとることが出来ると期待が高まっていますという報告もありました。

このように研修の間には何度も話し合いがもたれるのも本学の教員研修の特徴です。教員研修の司会を務めたのは、本学のCLOである羽根教授です。グループワーク、Lite(learning and Teaching)といった羽根教授の担当科目「アクティブラーニング」の手法を取り入れて進行することで、“個人知” を “集合知”に昇華させ、知識の定着化高めることを可能としています。

ティーチングシェアリング

後半にはティーチングシェアリングが行われました。
本学のFD活動の一環として、年3回教員研修が実施されているのですが、ティーチングシェアリングはメインに位置づけられると言ってもよいでしょう。
ティーチングシェアリングとは、本学教員のうちの1名が、本学のほかの教員に対して30分程度の模擬授業を行います。学生役の教員は、まずは学生視点で授業を受けます。終了後、授業の検証を行ってから模擬授業を行った教員、ならびに学生役の教員双方の指導方法を共有することで、教育力の向上を図っています。

今回の模擬授業の担当教員は大学院の専任教授である小田実教授です。小田教授の担当授業は、「特ゼミ」と呼ばれ、1年間で大学院の修了を目指す人を対象とした科目です。院生がチームを組み、ビジネスプラン作成やコンテンツ制作を行うことで、ビジネス視点を持ったプロデューサーを育成し、日本のコンテンツ産業をさらに良いものにしていこうという趣旨のもと、開講されています。

小田教授の熱意のこもった、かつ細部まで綿密に作りこまれ授業は、学生となった他の教員を引き付けました。ここでもアクティブラーニングの手法 「Lite」 を取り入れて、小田教授の授業に対しての感想を問うと 「経験談をふんだんに取り入れた迫力のある授業にのめり込んだ」「ゴールを明確に見せるため、目標を持って授業に取り組める」 など高評価が続きます。このような 「グループワーク」 を通じて、一教員の意見が参加しているほかの教員にも共有され、教員力の向上につながってゆきます。そしてこれらの感想部分がすべて、小田教授が意図して作り上げていることが解説されると、いかに授業が作りこまれているかが分かり、学ぶことの多い有意義な時間となりました。

2時間にわたる教員研修から見えてきたのは 「共有」 の重要性です。基本理念を共有するミッション、学生教員間の情報共有であるES、教員同士の技術や情報の共有となるティーチングシェアリング。これらを通して“個人知” が “集合知” となり、実際の現場に活かされ、より本学らしさを持ったクオリティの高い教育が生まれているのです。

(取材・原稿 小島千絵)

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