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大学トップの中の澤田裕太郎さんが2009年ひめじ国際短編映画祭「グランプリ」を受賞

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本学1期生澤田裕太郎さんの卒業制作作品
『奴との遭遇』が2009年ひめじ国際短編映画祭「グランプリ」を受賞

デジタルハリウッド大学1期生の澤田裕太郎さんの大学卒業制作作品『奴との遭遇』が、2009年ひめじ国際短編映画祭にて「グランプリ」を受賞されました。 今回、グランプリ受賞について、また大学時代にどのようなことを学んできたか、そして今後の展望について語っていただきました。

今回受賞しての感想をお聞かせください

今まで違う作品も含めて賞をいただいたことはあったのですが、一番トップの賞はいただいたことがありませんでした。今回、審査員特別賞、奨励賞が3つ、観客賞とあり、舞台に全監督がステージにあげられ、各賞が呼ばれていく形でした。奨励賞に入れたらいいなぁと思って呼ばれるのを待っていたのですが、奨励賞の3人目が呼ばれてしまった時点で、もう終わったなぁとすでに気持ちは打ちあげに向かっていました。そんなとき、グランプリで呼ばれたので大変驚きました。

はじめてのグランプリ、感慨深いものがありますね

はい。審査委員長の方が「I.TOON ANIMATION STUDIO」社長の伊藤有壱さんでした。伊藤さんは日本のクレイアニメーション界の第一線で活躍されている方です。普段TVで見かける様々なクレイアニメーションを作っている方といっても過言ではありません。そういった方に作品が認められたのが嬉しかったです。作品の完結力があると褒めていただけたのが嬉しかったですね。また、あまり意識して作ったわけではないのですが、環境問題についても伝わってくるということでした。人間がいなくなっている世界や、地球が滅んでいるという設定が環境問題に結びついたのかもしれません。内容は悲惨なのに会話はほのぼのしていて笑いがとれるというのが今回認めてもらえた部分のようです。まさかグランプリをとれるとは思っていなかったので嬉しいです。

注意して作った部分はありますか?

流れを完成させたとき、はじめはマジメなお話だったのですが、何かが違うと思い、撮影もセリフもやり直しました。普段から一度完成させて作り直すことが多いです。時間がかかるのですが、深夜に思いついたこは朝に見たらつまらないというのと似ていて、一度作って、時間がたって客観的に見てみると違うと思う箇所が出てくるので、より良くなるようにやりなおします。
また、今回特に気をつけたことは、アニメーションらしさです。緩急をきちんと付け、動きを大切にしました。見ていて動いているほうが面白いのでエフェクト(※1)なども多く使っています。「トランスフォーマー」のDVDを買い、動きやエフェクトの研究をしました。 導入部のイラストはデジタルハリウッド大学同期の藤勝友侑也さんに頼みました。

※1)「映像」や「音声」を加工すること

藤勝さんにお願いしてオープニングを描いてもらった意図はなんですか?

映画にとって導入部分は大切だと思っています。イラストで入りやすくしたいという思いがありました。最初にアクションを持ってきても良かったのですが、だんだんテンションが下がっていくようなものにはしたくありませんでした。『奴との遭遇』は出オチ(※2)に近いところがありますが、やはり最後に大きく展開があって終わりにしたいという思いはありますね。起承転結や三幕構成をショートムービーに入れるのはとても大変ではありますが、今後は終わりがきちっと締まった作品作りが目標です。

※2)お笑い用語で登場と同時に笑いをとること

自分の作品の武器は何だと思いますか?

「笑い」ですね。会場で一番笑いが起きたのは間違いなく僕の作品でした。もちろんしみじみと良さが伝わる映画もありますし、サスペンス系で唸るような作品もあります。「笑い」で勝負をしている作品は少ないですね。ですから、現在ノミネートされている「第2回したまちコメディ映画祭in台東」では全部コメディなので自分の作品への反応が気になります。

今後も笑いの方向で制作しようとお考えですか?

やはり観客に楽しんでもらえるのがいいですね。会場がシーンとしていると、頭の中では色々考えていても分かりづらいので、笑いと言うのは一番分かりやすい反応だと思います。自分が狙ったところで笑ってくれると一番嬉しいですね。

大学時代で学んだことで活かされていることはありますか?

「エンタテインメント」に作品を作っていいという精神ですね。杉山学長の「すべてをエンタテインメントにせよ!」という言葉に魅かれました。そのように、「楽しませることを前提として作品を作ろう」というスタンスが大好きです。ソフトの使い方はどこの専門学校や美術大学でも習うことができますし、映像の美しさで見せることも好きですが、せっかく見せるなら「面白い」ものを見せたい、ストーリーがきちんとあるものを見せたいと思います。
大学では先生方の「心から楽しんで製作すること」に大きな影響を受けました。赤城先生の授業では映画を見せながら、起承転結の説明や、面白さを生んでいる部分を説明してくださいました。大学に入学するまでは全く映画の構造や理論などについて考えたことがなかったので、独特の要素などを学んだことが、現在の制作している映像に活きていると思います。

今後の目標について

現時点で言えば、各種映画祭やコンペティション情報が掲載されている「登竜門」というサイトがあります。毎週月曜の情報更新をこまめにチェックして、1つの作品を色々な映画祭などに出品して、どれだけ通るのかということや各種映画祭の傾向を研究しています。あと、livedoorNetAnimeの連載『いきものといっしょ』をしっかりと制作していきたいですね。
また、これからも良い作品を作っていくことは勿論、将来的には海外に出品したいと思っています。各種映画祭の方々も、海外出品の後押しをしてくださいます。その前に翻訳しなければならない…という問題はあります。アニメの映画祭といえば、アヌシー、ザグレブ、オタワ、広島などが有名ですが、映画祭によって選ばれる作品の傾向も違うそうなので、自分にあった映画祭で是非チャレンジしていきたいと思っています。

これから映像の勉強を始める方にメッセージ

まずは「完成させる」ことを目指して作ってみてください。僕もイベントに出品してみないかと大学の友達に声を掛けられて、作品を作りあげた思い出があります。締め切りが設けられると人は必死になりますよね。川元先生の映像制作の授業は締め切りがあり、頑張ることが出来ました。そしてそういった授業の課題であっても力を入れてください。単に提出するだけの課題だと思わずに、コンテストなどに出せるぐらいきちんとした作品にする気持ちで完成させてほしいと思います。

澤田裕太郎さん(さわだ・ゆうたろう)

デジタルハリウッド大学第1期卒業生。パペットアニメの制作を中心に活動中。
現在デジタルハリウッド大学院に在籍。大学院生活についてのインタビューは
デジタルハリウッド大学院のサイトからご覧いただけます。

【受賞歴】

「じゅうじん」(2006)
・DCAJデジタルクリエイターズコンペティション2006優秀賞(2006)
・NHKデジタルスタジアム中島信也セレクション(2007)
・ひめじ国際短編映画祭入選(2007)
「取材シリーズ」(2007)
・NHKデジタルスタジアム300回記念公開審査観客投票一位(2007)
「目指せ!! ホールインワン」(2007)
・BSジャパン天下統一CG将軍審査委員特別賞(2007)
「男子ヒューマニズム」(2008)
東京オンリーピックにて「スキージャンプ・ペア」の真島理一郎さんと合作。
北京オリンピック期間中、新宿バルトナインにて限定上映(2008)
「指南」(2008)
第6回60秒シネマコンペティション入賞(2008)
「奴との遭遇」(2009)
・NHKデジタルスタジアム児玉裕一セレクション(2009)
・アート&テクノロジー東北2009審査員特別賞(2009)
・第1回下北沢映画祭ノミネート
・第4回那須国際短編映画祭「那須アワード」ノミネート(2009)

【活動歴】

テレビ東京「うぇぶたま」オープニングアニメーション制作(2006)
日本テレビ「ズームイン!! サタデー」内「モッチーのよくばりエンタ」オープニングアニメーション制作(2008)

(取材・原稿 小島千絵)

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