速報 <デジハリ祭プレイベント第二弾>
「神風動画」 水崎社長をお招きし、“妥協は死”の心意気を学ぶ
デジタルハリウッド大学の学園祭も今年で4回目を迎えようとしています。第一弾に続き、第二弾のプレイベントが開催されました。 今回は、『FREEDOM』 『ファイナル・ファンタジー・タクティス』 などのオープニング映像を制作し、「東京オンリーピック」にも参戦している 【神風動画】 の特別セミナーです。
神風動画は1999年に京都にてリーダーの水崎さんを先頭に活動を開始しました。なんと言っても神風動画の特徴は、3DCGを独自の技術で2Dのセル画のように仕上げる作風。そのクオリティーの高さには定評があります。演出・編集の評価も高く、監督業を中心にテレビアニメーション、CM、PV映画製作など数々のメディアで活躍されています。
そんな話題沸騰中の神風動画、水崎社長直々のセミナーということで開催当日の1時間前までセミナー申し込みのメールがあったとか。この度、セミナー開始前の貴重なお時間をいただき、水崎社長にインタビューをさせていただきました。
-今回、デジタルハリウッド大学でセミナーを開催するに至るまでの経緯をお聞かせください。
水崎社長:今年3月の東京国際アニメフェアで、私たちのブースにデジタルハリウッド大学の学園祭実行委員の方が来てくれたのです。その時、私はそこに居合わせておら ず、スタッフから後で聞き、内容は 「セミナーをやりたい」 とのことでした。その後、しばらくこの話が保留になっていたのですが、6月上旬に正式に依頼をいただきました。
-水崎社長が、この道に進もうと思ったきっかけは?
水崎社長:小学生の頃、図画工作が一番得意だったんです。他人とは違うところ、他人より秀でているところを伸ばそうと思いました。中学生になってからデザイナーという職業を意識しました。
-その当時、思い描いていた夢などお聞かせ下さい。
水崎社長:中学生でガンダムにはまり、ガンダムを描く人になりたいと思いました。その頃本気でアナハイムエレクトロニクスに就職したいと思ってました。けれど、高校 に進み現実を見つめたとき、食べていける職業に就かなければと思い、インダストリアルデザイナーを目指すため大学では芸術を学び、好きなように作品つくり に取り組んでいたら、いつのまにかエンタテイメントの方へ再び引き寄せられました。
-大学卒業後は?
水崎社長:デザイン系の会社に就職し、レイアウトやデザイン、広告といった仕事をしていました。大学でCGの授業があったのですが、当時はまだ初期の段階で、本格的 に教えてくださる先生もおらず、もっと自分で勉強したいと思い、高いソフトを自分で購入し、自宅で自主制作をしていました。
-神風動画を設立した経緯をお聞かせ下さい。
(C)松本太洋・小学館/神風動画
水崎社長:京都に本社がある任天堂で契約社員として働いていた時期があり、ポケモンのチームに配属され仕事をしていました。それがCGのプロとして初めての仕事でし たね。その後、ゲームのマップデータづくりなど関わったりしました。そのうち自分ですべてやりたいと思いはじめ、会社を興そうと決意しました。それが最初 の 「神風動画」 で、最初は数名で始めました。
-東京へ進出されたきっかけは?
(C)2006 FREEDOM committee
水崎社長:”アキラ” を見て、大人をここまで引き込むアニメーションに驚いたというか感動したんです。そして、アキラを制作した大友克洋さんのところで働きたいと思い、 STUDIO 4℃ に入ったんです。それが東京に出できたきっかけですね。約2年間、そこで仕事をしました。アニメーションの仕事、セルアニメーションを経験できたことはと ても大きなことでした。そして2002年に今度は神風動画を法人として設立し、独立したわけです。
-今まで多くの作品を制作してこられた中から、思い出深い作品は何ですか?
水崎社長:ブレスオブファイア5かな。初めていただいた大きな仕事で打ちのめされたんですよ。力量不足を実感しました。アニメーションのオープニングからエンディングまで、いろいろなトラブルがありました。しかし、そこでの経験がいまも活きています。
-その苦い経験から得た教訓はどんなことですか?
△セミナー準備中にもかかわらず快くインタビューに応じてくださった水崎社長
水崎社長:その時クライアントに迷惑をかけてしまったんですが、そこからたくさんのことを学びました。学生のうちに失敗しろということですね。自分の何が駄目で何が弱いかがわかる時期だと思います。苦手なところを把握した上で社会に出ろと学生には言いたいですね。
-神風動画ではどのような人材を求められていますか。
水崎社長:常にゼロから学ぼうという姿勢の人です。初心で新人意識で仕事に取り組める人ですね。私も常に新人の気持ちで仕事に打ち込んでいます。いつでもリセットできる人がいいですね。
-今後の展望をお聞かせ下さい。
△決して妥協を許さない水崎社長のコメントはとても熱かったです!
水崎社長:シリーズものをやりたいと思っています。連載系なんていいですね。単発のものって一瞬なんですよ。一瞬目立つというタイプの仕事は、もう自然にというか穏やかに出来るようになったんです。だからもっとキツイであろう連載モノに挑戦したいですね。
-ありがとうございました。
さて、水崎社長のインタビューを終え、いよいよセミナーが始まりました。 150人が埋め尽くす会場は熱気に包まれました。大きな拍手に包まれセミナーが始まりました。
出だしの演出がユーモアたっぷり。電話のベルがなり、「FREEDOMのオープニングをつくってください」と画面上にメッセージが出ました。水崎社長の演出に会場からは早くも笑いが。この初めのアクションで、既に会場の全員が水崎ワールドへ引き込まれたに違いありません。
「大友克洋さんの絵を見て、“自分が見たいものは自分で作ろう”。これが制作のモットーです」と水崎社長。大友さんとは ”アキラ” の制作者であり、水崎社長が東京に出るきっかけとなった人物とのこと。


話は<FREEDOM>の制作秘話へ。「カップヌードルのCMということで、幅広い人に支持されているモノだからこそ愛される作品に仕上げたいということで、実写も含め制作しようと考えました。」そこには大きな壁がいくつもあったと言います。
「アニメーションとは、最初から絞り込んで作業をしていくもの。実写は、たくさん撮って捨てる作業。この相反するものを組み合わせようと思いました。今まで避けられていたものを実現しようという試みです。」
そこには水崎社長の演出魂とも言うべきこだわりがありました。
「アニメーションだけだと、最初見た時にアニメーションだと思いチャンネルを変える人もいるはずだ。そうではなくて、実写を織り交ぜることで、何が始まるのだろうと予感させたかった。」
<FREEDOM>を制作する上で、私たちには知りえない裏話にみんな引き込まれるように聞き入っていました。さらに話しは盛り上がり、制作における技術面の話へ。
アフターエフェクトなどのソフトを実際に起動させ、実演しながらの講義。みな興奮したようにスクリーンに見入っていました。会場に来ている多くはク リエイター志望の学生達。ほとんどの生徒がアフターエフェクトなどのソフトを使用しています。自分たちが実際使っているソフトで、水崎社長はどのように 使っているのか。そのテクニックや考え方を勉強したいという空気がヒシヒシと感じられました。「たとえば髪の毛。髪の毛は肌とは艶が違う。髪の毛のハイラ イト部分は・・・」水崎社長の説明に、みんなスクリーンに釘付け。
「自分がここに影が落ちて欲しいという部分を決めておくんです。これは自分の意思。実際とは多少違うかもしれないけど、ここに影が落ちたらカッコいいなって思うことが大事。それは見ている人も嬉しいことなんですよ。これが素材作りの基本かな。」
その言葉をメモにとる学生達。まだ教科書通りの制作を基本としている学生達にとっては、大きな言葉だったのかもしれません。水崎社長の一つ一つの言葉に、楽しむということと、楽しませるということの本質が隠されているように感じました。 真剣な話の中にも、ユーモア溢れる演出や話で、気がつけば2時間が過ぎていました。 最後に水崎社長が、 「見ている人にスクリーンの外が見えてしまうことは駄目。制作者がいるとわかってしまうことは駄目なんです。スクリーンに引き込ませること」
今日のセミナーはまさしく、水崎ワールドへ全員が引き込まれたはずです。セミナーも水崎社長には作品、制作物の1つなのだと感じながら、今回のセミナーも大盛況に終わりました。 学園祭も、今回のイベントも仕掛け人は学生。実行委員長の稲益綾香さんを先頭に、ますます盛り上がりを見せるプレイベント。次回のイベントにも大きな期待を寄せずにはいられません。
△セミナー終了後、水崎社長とデジハリ祭実行委員で記念撮影
(取材・原稿・撮影:大橋憲雄(デジタルハリウッド大学4年生) /インタビュー:川村めぐみ/デジタルハリウッド 広報)
















