IT×英語×クリエイティブ 思いのままの人生をデザインするデジタルハリウッド大学

Production I.G×BMG JAPAN製作のOVA作品
『東京マーブルチョコレート』の公式サイトを
デジハリ大生が制作!

ふたつのタワーが並ぶ、なんだか見覚えのある街に暮らす悠大とチヅルの恋を描いた オリジナル・アニメーション『東京マーブルチョコレート』のDVDが、2007年12月19日に発売されました。本作は一組のカップルの恋を、『全力少年』、『マタアイマショウ』という2つのストーリーに分けて制作し、男の子の視点と女の子の視点、 双方から描くダブルサイド・ピュアラブストーリーです。昨年10月に行われた第20回東京国際映画祭でも上映され、チケットも即日完売したことから、その注目度の高さが窺えます。

本作はテレビアニメ『攻殻機動隊 S.A.C.』シリーズや映画『イノセンス』、2008年8月公開の映画『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』など、幅広いジャンルのアニメーション制作を手がける「プロダクション I.G」が創立20周年を記念し制作したもの。同じく創立20周年を迎えたレコード会社「BMG JAPAN」とコラボレーションし、SEAMOとスキマスイッチという豪華なアーティストの代表曲が作品のテーマとして、物語を印象深いものにしています。さらにキャラクターデザインを漫画家の谷川史子さんが手がけ、なんとも贅沢なOVA作品が完成しました。

そんな本作の世界観を伝えるのに欠かせないものが公式サイトですが、これは、デジタルハリウッド大学生がOJTとして制作したものです。優しい色合いに、まだ見ぬ作品へと期待を膨らませる公式サイトの立ち上げに参画したメンバーに、制作秘話を打ち明けてもらいました。

-公式サイト制作お疲れ様です。とても完成度が高く、見やすいサイトだと思いました!

小林さん:
処理は重たくなかったですか?フラッシュやコーディングは僕が担当したので、きちんと作動しているのかどうかすごく気になります。というのも高スペックなPCで制作してしまったから、どんな環境でもうまく動いているのか心配で。汎用性の高い動作環境に注意して制作すべきだったかなと反省しています。

大久保さん:
最終的にはキレイにまとまりましたが、デザイン面で苦戦しました。今のデザインに行き着くまでにいくつものデザイン案を提出して、半年間かけてみっちり制作しました。公式サイト制作という重みを、改めて感じる経験となりました

-作品自体は2つ存在するのに、それをひとつのサイトで表現するのはハードルも高かったのでは?

八木さん:
作品コンセプトが「20代の女の子向け」だったので、当初はパステルカラーを使った軽やかなデザインを考えていました。でもこの作品は、『マタアイマショウ』と『全力少年』のふたつでひとつの作品です。私たちが最初に考えたものでは男の子にマッチしません。製作委員会からは「おしゃれなイメージのデザインがよい」と希望もあり、チョコレートのようなビターブラウンを基調とした、直線的で、スタイリッシュなデザインに行き着いたんですよ。

津田さん:
最初は「こうしてみたい」と考え過ぎてしまい、うまく製作委員会の意向をつかめなかったんです。でも製作委員会の希望を踏まえてからは、サイト全体が製作委員会から提供頂いた素晴らしい素材の邪魔にならないようにしつつ、その中でも遊び心を持たせたデザインをするよう気を配りました。やりたいことを闇雲に詰め込むのではなく、「必要なものを、必要なところに」ということを心がけて制作しました。

大久保さん:
女性ファッション誌とか、普段見ない雑誌を何冊も見て、“20代の女の子”について徹底的に研究したよね。メンバーの中では小林さんがすごく優秀なアドバイザーで、意外な一面の発見でした(笑)。

小林さん:
僕は妹がいる関係で、前々から女性誌をよく見ていたんです。女性誌のレイアウトは、すごくキレイなんですよ! 個人的な意見ですが、世の中にあふれているもののデザインは女性寄りな気がして、女性の観点を取り入れるべく僕は、今も女性誌をよく見ています。いいデザインは制作の参考にしたいから、スクラップブックを作っています。

-普段の積み重ねも活かされているわけですね。今回のOJTに取り組むことになったきっかけは?

大久保さん:
2006年の学園祭にお招きしたプロダクション I.Gのプロデューサーの方と数ヶ月ぶりにお会いしたことがきっかけです。その方が新しい作品に携わられるというお話を聞き、「公式サイトを作らせてください!」とその場でお願いをさせて頂きました。今まで僕がWebサイトを作ってきた経験、そして今回一緒に取り組んだスキルの高いメンバーが思い浮かび、絶対いいものが作れる!と直感してのことでした。

-素敵なご縁です。関係している他の企業さんの説得も、皆さんがされたのですか?

大久保さん:
はい。作品の持ち主は「東京マーブルチョコレート製作委員会」なので、その方々が「公式サイトを学生に任せる」ということにOKをもらわないと実現できないことでした。そこで僕たちで企画書を作り、BMG JAPANに伺い、関係者の方々の前でプレゼンテーションを行ってきました。そうして、最終的にGOを頂いたのです。また、BMG JAPAN所属のアーティストを主題歌に使うこともあり、サイトデザインに関しての具体的な要望を詳しく伝えてくださり、それを元にブラッシュアップを重ね、今のサイトが完成しました。

-ゼロからの取り組みだった公式サイト制作を成し遂げたことを、もっとも実感した瞬間は?

八木さん:
やっぱり作品を観たときですね。自分たちの名前が流れたエンドロール(※1)ではウルッときました。とあるドラマのWebサイト制作OJTに参加したときに、ディレクターの方のお名前が載っているのを見て、自分もいつかはと思っていた夢が叶いました。

小林さん:
僕は悠大役の声優・櫻井孝宏さんと、チヅル役の声優・水樹奈々さんが昔から大好きで、エンドロールに自分も一緒に載れた事が本当に嬉しかったです。大久保くんから誘われた段階では、こんなに大きな作品とは思っていなかったし、このOJTのチャンスをくださった皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。

大久保さん:
僕もエンドロールでみんなの名前を見てホッとしました。Web上での作品の顔とも言える公式サイト制作を、先方と話を詰めながらブラッシュアップを重ねる作業が続いた半年間。すごいものを任されているなあと痛感し、緊張感でいっぱいの毎日がやっと終わった、そんな気持ちになりました。

津田さん:
作品に直接関わったわけではないですが、別な形で少しでも関われたという事実をきちんと実感できたエンドロールには、とても感動しました。公式サイト制作チームの名前が現れた瞬間は、一生忘れません。

※1)…映像作品全般において、公式サイト制作における個人名のクレジット記載は習慣性が無く、今回は特別なケースです

-社会に出るのはあと1年後ですが、その前に貴重な経験ができましたね。

八木さん:
東京国際映画祭で上映されるような作品の公式サイト制作に学生でありながら参画し、既に第一線で仕事をされている人たちとご一緒できたことで、半年前の自分とは少し変われたかなと思っています。私がデジタルハリウッド大学を選んだのは、在学中からOJTを通じて、企業と仕事をできることにメリットを感じたから。それを自分たちの力で実現することができて、本当に良かったです。

津田さん:
今回のOJT(※2)ではデザイン案を何度も練り直したり、新たなページの追加によってさらにデザインを考えたり、時間のない中締め切りに間に合うように奮闘したりと、限られた時間の中でより良いものを作るにはどうすべきかということを深く考えさせられました。ここで終わりにするのではなく、社会に出てからも役立てていきたいと思います。

※2)…公式サイト制作・運営OJTは、2008年3月まで続きます

-最後にWeb制作チームの観点から、作品の見どころをお願いします!

津田さん:
きれいな色彩と温かいタッチの絵柄が目に楽しく、ほっと心の温まる作品です!何より私の一番のおすすめは、ミニロバのかわいいフォルムと動きで、特におしりが最高にカワイイので、要注目ですよ。

小林さん:
僕個人の感想としては、まずは 『全力少年』を、それから『マタアイマショウ』を観ると、より作品の世界観が深まるのではないかと思います。是非2本とも観てもらいたいですね!

(取材・原稿/谷口千佳)