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Bocuse d'Or(ボキューズ・ドール)賞状デザインコンテスト

採用

国内予選賞状デザイン

中口 岳樹さん


デジタルハリウッド大学3年生
デジタルコミュニケーション学部 デジタルコミュニケーション学科


<Bocuse d'Or(以下ボキューズ・ドール)>。それは、世界でもっとも有名な料理人ポール・ボキューズによって設立されたフランス料理コンクールです。1987年にスタートして以来、世界中のフランス料理人が一番獲得したい名誉として成長してきました。次の開催は2009年の1月。この国際大会へ出場するには、まずは日本国内で予選が行われます。代表の座は、たったひとつだけ。そこへたどり着くまでの道のりはとても長いもので、3回の予選を経た今年1月、ようやく日本代表が決定しました。

デジタルハリウッドでは日本ボキューズ・ドール委員会とコラボレーションし、決勝大会の1~3位、及び、入選の12名に贈る賞状をデザインする<ボキューズ・ドール 賞状デザインコンテスト>を開催。日本ボキューズ・ドール委員会事務局長であり、辻調理専門学校の西洋料理主任教授の肥田順氏と、数々の本やポスター、タイポグラフィーなどのデザインを手がけるStudio Giveのアートディレクター山本 雅一氏を審査員に迎え、厳選なる審査を行いました。デジタルハリウッドが抱えるスクール、オンラインスクール、大学から多数の応募があった中、賞状デザイン採用の栄冠に輝いたのは、デジタルハリウッド大学3年生の中口岳樹さんです。その喜びの声が届きました。


―受賞おめでとうございます。中口さんの賞状が、シェフの自宅に飾られるかもしれませんね!

中口さん:

自分のことで精一杯で、そこまで考える余裕はありませんよ。受賞の連絡を受けたときは、自分のデザインでいいのかと困惑したくらいです。ただ、実際に使われることを考えると光栄に思います。

―中口さんがデザインされた賞状のコンセプトをお聞かせください。

中口さん:

僕はボキューズ・ドールに対してまったく知識がなかったので、このコンテストに応募するにあたり、公式サイトを見て情報収集するところから始めました。そこからこの大会が長い歴史をもった敬意あるものだと理解したので、“栄光、そして輝かしい感じ”をコンセプトにすることに。デザインとしては、シンプルでスタイリッシュな感じをイメージし、そこへ料理を関連付けていきました。僕自身スタイリッシュなデザインが好きだということもありますが、これが最も適切だと思ったんです。例えばポップなデザインだと、コンセプトが損なわれてしまう気がしませんか?

―確かに。権威ある大会の重みを感じられながらの作業だったかと思いますが、もっとも気をつけたことは?

中口さん:

ただただ賞状らしいことです。ためしに賞状という言葉を辞書でひいてみたんですよ。辞書には「品行・学業などの優良者に与える、ほめことばを記した書状」と記載されていたので、“ほめことば”が際立つような、賞状らしいものであることに重点を置いていきました。

―辞書で調べるとは新しい切り口ですね。ちなみに何パターンくらい作られたのでしょうか?

中口さん:

頭の中である程度イメージができていたので、そこまで多くは作っていません。イメージをPC上で作成してから、おかしなところはないか確認しつつブラッシュアップしていきました。ですから制作にかけた時間も2~3日ですね。

―仕事が早い! この春、大学4年生になる中口さん、社会に出ても活躍されることを楽しみにしています!

中口さん:

ありがとうございます。将来的にはミュージッククリップやCMなど、イメージ映像関係に進みたいと思っています。 自分の好きなアーティストのミュージッククリップを作ることが夢なので、いつかそれをデザインしたい。その夢に向けて、2~3本ですが、今のうちからミュージッククリップを作ったりしています。

紙と映像は一見別物のようですが、両者は互いに不可欠で、とても深い関係にあると僕は思うんです。映像の1コマは紙のデザイン一枚と同等であり、映像はその集合体です。だからこそ紙一枚では表現しきれない部分を、映像は補えると考えています。また逆に、映像の1コマに焦点を置き、力を注ぎ込んだものが一枚のデザインされた紙であり、映像では一瞬で流れてしまう瞬間を明白におもしろく表現できるものだと捉えています。そういう理由で紙も映像も、僕にとってはまったく同等なものなんです。

優れたデザインがしのぎを削った<ボキューズ・ドール 賞状デザインコンテスト>。惜しくも採用には至らなかったものの、参加者全員に向けて、審査員を務めた肥田さんからメッセージを頂いたのでご紹介します。

多くのものは食を意識し、果物や野菜がデザインされたり、フライパンや鍋がデザインしてあるものもありました。またフランスをイメージした作品も多かったように感じました。応募した方々がボキューズ・ドールを少しでも意識の中に入れてくれたことを大変光栄に思います。

日本ボキューズ・ドール委員会事務局長
肥田 順(辻調理専門学校 西洋料理主任教授)

伝統ある大会の賞状を格式高くデザインした中口さんには、審査員かつ受賞作品のアートディレクションを担当されたStudio Giveの山本さんより、下記のようなコメントが寄せられました!

“賞状”は、ひとつの価値ある行いに対して与えられる、尊敬を表す証明書です。品格を求められるのはもとより、どんな行為に対してかが表現されていなければいけません。
今回「料理する」という行為をしっかり認識していたのは中口さんであると判断し、彼のデザインを選んだのです。この賞状であれば栄光を勝ち得たシェフも、満足感、誇りを感じるのではと思いました。

Studio Giveアートディレクター 山本 雅一

(取材・構成:谷口 千佳)