IT×英語×クリエイティブ 思いのままの人生をデザインするデジタルハリウッド大学

日本人現役クリエイターと元プロデューサーが来校!
海外のCGプロダクションが近づくディープな2時間

ハリウッド映画の実写か造詣かもわからないほどリアルなCGに憧れて、CGクリエイターを目指すようになった人も多いのではないでしょうか? いつかは自分もハリウッドへ。そんな願いを現実に変えて、海の向こうでは、たくさんの日本人クリエイターが活躍されています。

でも、どうやったら海外に渡れるの?そう思っている日本人クリエイターのために、先ごろひとつの本が出版されました。『ハリウッドCG業界就職の手引き』です。これは、ハリウッドの超大手VFXプロダクション、デジタル・ドメインで活躍されるほか、雑誌『CG WORLD』で海外の日本人CGクリエイターを紹介する「Boarding Pass」を連載したりと大忙しの鍋潤太郎氏と、かつて北米CGプロダクションでプロデューサーを務め、現在はビジネスコンサルタントや『CG WORLD』で記事を執筆されている溝口稔和氏が自身のノウハウを伝えるべく書き下ろされたものです。

それを記念して、デジタルハリウッド大学では著者のおふたりをお招きし、ハリウッド進出を目標に置く大学生に向けて<ハリウッドCG業界を目指す学生のためのキャリア・プランニング・セミナー&ハリウッドVFX最新リポート>と銘打ったイベントを開催。

海外に渡るための手引き、そして海外のプロダクションの実態を、秘蔵映像もたっぷり交えて詳しくお話いただきました。参加した学生たちは、ますます映画の都への思いを強くしたようです。


<第一部 溝口稔和氏が語る海外CG業界>

溝口氏

溝口稔和 氏 (元北米CGプロダクション・プロデューサー)
米国ロサンゼルス、カナダのトロントにおいて、日系CG プロダクションのCGプロデューサーとして活躍、ゲーム・ムービーやコマーシャル等を手掛けた経歴を持つ。現在はビジネスコンサルタントとして活動する傍ら「CG WORLD」の記事の執筆、「CINEFX 日本語版」など映像関係の翻訳なども手がける。カナダ・モントリオール在住

CGプロデューサーになるまで

私は昔から映画が大好きで、大学生の頃から映画の仕事に就きたい、出来ることなら本場ハリウッドで働きたいという思いがありました。当時はインターネット環境も整っていなくて、今ほど情報が自由に得られる状態ではありませんでした。そこで私は大使館や領事館でアメリカのどこ大学に映画学科があるのかを調べ、大学卒業後にロサンゼルスにあるとある大学の映画学科に入学し、2年半映画製作を学ぶことにしたのです。卒業が近づいた頃、タイミングよく日本のCGプロダクションがロスに進出することになり、人づてを頼りこの会社に入社致しました。

最初はプロダクションアシスタントというポジションにつき、通訳や翻訳、その他送迎など、あらゆる雑用から仕事を始めました。その中で仕事の流れを覚えながら、CG制作も覚え、プロダクションマネージャー、プロデューサーとキャリアを積んでいったのです。

CGプロデューサーが求めるCGクリエイター

その後カナダのトロントに渡り、CG製作をマネージメントするようになりました。ちょうど『トイ・ストーリー』という映画が初めて公開された頃で、アメリカの高校生が将来なりたい職業のNo.1にCGアニメーターを挙げるほどでした。ですが実際はCGソフトを使える人がほとんどいない状態、つまり人手不足だったのです。そこで私たちのプロダクションでは、才能のある若い人を育てながら、プロダクションを進めていくスタイルをとりました。私の経験上言えることですが、CGで伸びる人には共通点があります。それは、映画をたくさんみているかどうか。映像で生計を立てようと思うのであれば、映画をたくさん観るようにしてください。というのもみなさんがプロになって作業するシーンのひとつひとつは、いろんな映画のワンシーンを具体的に示して、イメージを伝えられることがほとんどだからです。例えに出された映画がわからないようであれば、それはプロではありません。ですから新しい映画だけでなく、古い映画も見るようにしてください。自分なりの映画のデータベースをたくさん持っている人。そんな人を、現場は求めています。

映像の歴史を知ろう

映画は「サイレント映画」から始まりました。当時は映像と音声をシンクロさせる技術がなかったため、ビジュアルだけのメディアからスタートしたのです。そこへ補助的に字幕がついたり、活動弁士といわれる人が映画について解説してくれたりしていました。それから音声の入った「トーキー」が生まれ、自宅にいながらも映像が楽しめる「テレビ」が生まれ、モノクロからカラーへと変化を遂げました。カラーの出現は、皆さんにとっては当たり前のことかもしれませんが、映像業界にとっては衝撃的な出来事のひとつとされています。そして、今まさに多くの人が学んでいるCG技術が生まれたのです。

この一連の映像の歴史にそって、いろんな映像表現が生まれました。例えば映像をクローズアップにしたり、カメラを横に動かす“パーン”、上下に動かす“チルト”、もしくはカメラ自体が動く“ドリー”と言った映像文法は、すべてサイレントの時代に開発されていったもの。音がないからこそ、見た目に変化をつけることを当時の人は考えたのですね。簡単でもよいので映像の歴史を学び、映像表現にどういった影響を与えてきたかを知ることで、皆さんの表現の幅もより広がると思いますよ。

効果的なデモリールの作り方

プロダクションに就職するには、自身の履歴書のほかにも、デモリールというものが必要になります。これは、自分の技術や作品がどういったものかを伝える作品集のことです。プロデューサー時代は私もいろいろ観ましたが、なかなかパッとするものがありません。ではどうやって採用担当者にアピールすれば良いかアドバイスさせていただきます。

まず一つ目。自分の得意分野に一番力を入れるようにしてください。チェックしていると、この人は一体何が得意なのかわからない場合が多々ありますので、全部中途半端になるくらいなら、自分の得意なものをよく見せることに力を注いでください。次に、オリジナリティを意識してください。何百本の中の一本ですから、これは何か違う!そう最初に思わせるような、人と違う発想で作ってみてください。かと言って、すぐに出来るようになるものでもないので、例えば世界のCM傑作集をチェックするなどして、普段から面白いアイデアに触れながら発想力を養ってみてはいかがでしょうか?それと日本人の学生さんのデモリールは結構みんな真面目すぎます。北米の学生が送ってくるデモリールは、結構遊び心がありますが馬鹿馬鹿しいものも多いです。

そして最後に、基本的な演出や構成は必ず押さえておくこと。そこで参考にしてもらいたいのが“演出曲線”と言われるものです。日本でいう起承転結に相当するものですが、ほとんどの映画は、この曲線にそって製作されています。これに従わなければならないというわけではありませんが、一度理解しておくとよいでしょう。


日本人クリエイターが海外で活躍するために

CG業界に関わらず、日本人が北米などで働く場合に共通して直面する問題があります。それは、コミュニケーション能力です。アメリカ人と言うのは、小・中学生の頃から、プレゼンテーション、もしくはディベートといった教育を学校で受けているので、かなり議論に強いです。仕事をしていて意見が食い違うことは結構ありますが、日本人は議論することを訓練されてないので、いくら自分が正しいと思ってもそれをうまくそれを伝えられないことが多々あります。その上英語でやるわけですから、相手に押し切られることが多いのです。ですが客観的に見ていると、大抵日本人が正しいケースが多いです。ですから論理的に相手を説得させる力を、今のうちから身につけておくことが必要でしょう。

ちなみに英語力に関してですが、向こうで活躍する日本人クリエイター全員が、英語が流暢という訳ではありません。どちらかと言うと、結構苦手な人が多いくらい。実際仕事をする分にはあまり問題ないんですよ、CGに関する技術用語とかをしっかり理解していれば中学校の教科書レベルの単語や文法さえ完璧にマスターしておけば、そのうちに慣れてくるものです。まずは英語にとらわれることなく、映像技術を磨くことを心がけてください。

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冊子版ハリウッドCG業界

第2部は、ハリウッドの大手エフェクト・ハウス、デジタル・ドメインで活躍中の鍋潤太郎 氏が登場です!!

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