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デジタルハリウッド大学【DHU】- Digital Hollywood University

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特別寄稿:真鍋大度はなぜ大舞台に強い?『紅白』やリオ閉幕式の成功に迫る

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特別寄稿:真鍋大度はなぜ大舞台に強い?『紅白』やリオ閉幕式の成功に迫る
掲載日

2017年7月12日

本稿はデジタルハリウッドが主催する特別授業『EAT creative program』の内容をカルチャーニュースサイトCINRA.NETがレポートした内容を転載したものです。

クリエイティブでお茶の間を驚かせる真鍋大度が、若い人に伝えたいこととは?

クリエイティブな世界に興味がない人であっても、どこかで真鍋大度の仕事には触れている。2014年末、『紅白歌合戦』のPerfumeの演出において、9つの提灯型ドローンを無線制御し、一糸乱れぬ動きでメンバーのダンスを鮮やかに彩った彼の仕事は、日本中の老若男女に驚きを与えた。近未来的なPerfumeのイメージと、そのテクノロジーはピッタリと符合していた。

「未来のクリエイティブを考える」というテーマのもとに、六人の一流クリエイターによる連続講義が行われる特別授業『EAT creative program』。第1回目のデジタルハリウッド大学学長・杉山知之に続き、第2回に登壇したのがライゾマティクスリサーチ・真鍋大度だ。前述のPerfumeだけでなく、ビョークのライブにおけるARVR演出、さらにはNosaj Thing, Squarepusher,野村萬斎など、さまざまなアーティストとコラボレーションを行っている。

ビョークのライブパフォーマンスを360度VR映像でリアルタイムストリーミングした(2016年)

2016年には「リオ2016大会閉会式東京2020フラッグハンドオーバーセレモニー」のAR、フィールドの映像ディレクション、テクニカルディレクターを担当した真鍋は、日本を代表するアーティストといって過言ではない。そんな彼は、若いクリエイターたちを前に、どのようなメッセージを伝えるのだろうか?

『EAT creative program』講義の様子

一本のYouTube動画が世界に広まり、やがてオリンピックの演出に関わるまで

もともと、その草創期となる2006年ごろには、ウェブコンテンツの開発をメインに手がけていたライゾマティクス。真鍋によるインタラクティブコンテンツも、現在のような大規模なものではなく『どうぶつの森 わくわくヴィレッジ』(2006年)にて展示された魚釣りのインタラクティブゲームや、シンクロナイズドスイミングの動きに照明が連動するといった、今ではあたり前となったテクノロジーだった(もちろん、ハイスピードカメラを用いた画像解析、画像生成や、無線による照明制御といった技術は当時最先端であったのは間違いない)

真鍋の転機となったのは、筋電センサーと音楽を連動させて表情を動かす『electric stimulus to face』(2008年)。世界中で180万回も再生されたこの動画が一つの起爆剤となり、のちに続く一つひとつのプロジェクトを通じてその技術力や評価が高まっていき、今日のようにお茶の間にまでその技術が羽ばたくこととなった。

数ある真鍋の仕事の中でも、世界中で最も多くの人々が目撃したのが、2016年8月の「リオ2016大会閉会式東京2020フラッグハンドオーバーセレモニー」だろう。真鍋は、ライゾマティクスリサーチの花井を中心に開発したAR技術を駆使して、CGと現実が融合するマラカナンスタジアムの様子を全世界に発信し、日本の最先端クリエイティビティーを全世界数億人の視聴者に届けた。

危機的な状況をどう免れる? 大舞台で新たな試みを成功させる秘訣

圧倒的な仕事量で数々の成功を勝ち取ってきた真鍋を、周囲の人々は「天才」として語る。もちろん、類まれなる才能が彼に秘められているのは紛うことなき事実。しかし、彼が講義の最中に見せた1枚のフローチャートは、そんな「天才」というイメージを揺るがせるものだった。そのチャートは、これまで行ってきた彼の仕事が、それぞれどのような関係を持っているかについて説明していた。

真鍋:リオのフラッグハンドオーバーセレモニーを成功させるためには、それまでにいくつものプロジェクトで使われた技術やアイデアが詰め込まれています。一見すると関係のなさそうな仕事も、機材やソフトウェア、アイデアなどがつながりを持ち、長い時間が費やされているんです。

フラッグハンドオーバーセレモニーは、あらかじめレーザースキャナーでスキャンしたスタジアムのデータと、リアルタイムでセンシングしたキネクト映像を融合させ、仮想空間を実現させるという仕組みで成り立っている。この手法は「生放送の限界にチャレンジした」という2015年放送のNHK特別番組『NEXT WORLD 私たちの未来』におけるサカナクションのライブや、同年にテックと音楽の祭典『SXSW』で披露されたPerfumeのライブにおいて、その礎となる技術が使用されていた。

そんな過程を踏まえて磨きをかけられた技術の集合体が、リオ五輪の映像だったのだ。開催の半年前から現地に足を運ぶなど念入りに準備するも、使用するスタジアムで、前日にサッカーの決勝戦が実施されていたため、本番数時間前までリハーサルを行うことができず、開始5分前までギリギリの最終調整が行われるといった過酷な条件がチームを見舞った。それにもかかわらず、大舞台のパフォーマンスを成功に導いたのは、それまでに培ってきた技術や経験の蓄積に他ならない。

「もともと音楽がやりたかった」。最前線をゆくクリエイターを駆り立てるもの

技術の発展と不可分なメディアアートの世界では、現在の最新も、あっという間に「凡庸なもの」に成り下がる。そんな世界で、前例のない活躍をし続けるためには、その技術を日々進化させていかなければならない。そのため、真鍋は自主的な活動によって実験や経験を積み重ね、大舞台での成功をもぎ取っているのだ。「天才」と言われる真鍋のクリエイティブは、すべて長い試行錯誤の末に積み上げられたものだった。真鍋は、これからの時代を生き抜く若いクリエイターたちに向けて、次のように語った。

真鍋:かつて、僕が学生の頃はgithubやstackoverflowもなく、3DCGの描画周りのライブラリを参考書片手に自作したり、とにかく不便な時代で、自分が作りたいものがあってもなかなか作ることが出来ませんでした。けれども、今はツールキットも整っていて、なんでもできる時代になっている。だからこそ逆に、「作りたい」というモチベーションが問われているんです。

日本では、クリエイターはアメリカやヨーロッパのように社会的な地位としても給料的にも決して恵まれていない。けれども、僕がこうやって仕事を続けているのはこの仕事が間違いなく「おもしろい」ものだからです。もともと自分が音楽をやりたかったっていうのもあるけど、これまで、さまざまなミュージシャンやクリエイターとコラボレーションして、憧れだったビョークとも仕事をすることができた。クリエイターの世界には、そういった夢が広がっているんです。

この日の会場には、真鍋に握手を求める学生も散見されるなど、自らがクリエイターの憧れを集める存在でありながらも、一方では尊敬するミュージシャンの一ファンとして、そのクリエイティブに関わることを心から楽しむ真鍋の目はいきいきと輝く。あまりの多忙さから「犠牲にしているものが多すぎる」「いろんなものを失っている」と苦笑しつつも、そんな「夢」の実現こそが、彼とってのもの作りの醍醐味であり、魅力なのだろう。

『EAT creative program』第3回の講義に登壇するのは、ジャーナリストとして活躍する津田大介。インターネットテクノロジーとジャーナリズムを繋げる津田は、クリエイティブに、どのような「夢」を見出しているのだろうか。

一部内容を修正いたしました(2017/7/14)

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