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【開催レポート】特別講義「未来をつくる日本IP映像化の世界」 | イベント

【開催レポート】特別講義「未来をつくる日本IP映像化の世界」 | イベント

開催日時

2022年11月17日(木)19:30~21:00

場所

デジタルハリウッド大学駿河台ホール/Zoomオンライン中継

2022年11月17日、デジタルハリウッド大学では特別講座「未来をつくる日本IP映像化の世界」を開講しました。

講義を務めてくださったのは、株式会社フィロソフィア代表取締役社長であり、本学の特命教授でもある藤村 哲也氏です。日本IPの潜在的価値とそれらのハリウッド映画化についてご講演いただきました。

本講座はデジタルハリウッド大学駿河台ホールとZoomによるオンライン中継のハイブリット形式で実施されました。

【藤村氏の活躍】

藤村氏は国内外のエンタテインメント業界の有力企業の国際映画・映像ビジネスのコンサルタントを引き受けると同時に、日本のIP(Intellectual Property=原作となる漫画、アニメやゲームなどの知的所有権)をもとにしたハリウッドでの実写映画化やTVドラマ化にエグゼクティブ・プロデューサーとして参加、日本のIP権利元とハリウッドのプロデューサー・スタジオ・ネットワークを繋ぐという新しいビジネスモデルを開拓されています。

藤村氏は講義の中で、自身の職業観について「日本のクリエイターの方々がつくった日本IPをハリウッド中心に映像化することにより、世界中に広げていくことが自分の使命だと思っています。まだ志し半ばですが、これから日本IPのマーケットは大きく拡がっていこうとしています。この講義を通じ、皆さんとそれを共有して一緒に頑張っていきたいと思います。」と仰っていました。

【日本IPの潜在的パワーと優位性】

日本のように自国の漫画やアニメ・ゲームに囲まれている国は珍しく、日本は世界最大のマンガ・アニメ大国と謳われています。デジタル時代でも週刊・月間のマンガ雑誌は100誌存在しており、世界でも類をみないほど数多くのマンガが制作されているそうです。日本IPは潜在的な価値を持ち、世界の中でも優位に立っています。その背景に日本では人気マンガをアニメ化するというビジネスモデルが確立しており、また、グローバル・ストリーマーの台頭による日本アニメの積極的な買い付けと世界への配信により、日本アニメと漫画の知名度や人気は世界に拡大してきています。

さらに、日本は世界有数のゲーム大国とされ、ハリウッドではこれまで以上に日本企業のゲームを原作とする映像化が見込まれています。ハリウッドシステムによる世界的大ヒットは、IPに巨大な価値向上と経済的メリットをもたらし、日本IPがハリウッド映画およびシリーズとして世界的大ヒットを継続的に生み出せば、グローバルIPブランドになると期待されているといわれています。

ハリウッドで実写化される日本IPの特徴はアクション・SF・アドベンチャーなどの大予算フランチャイズ向けの作品が多いそうです。

【契約から完成までの道のり】

日本IPビジネスの未来は明るく捉えられている一方で、容易な道のりではない側面もあります。多くの日本IPのハリウッド映画化契約が長い交渉期間を経て締結されながらも、完成している作品は少ない、または契約が発表されてもなかなか製作されていないのが現状です。何故なら、ハリウッドと日本IPの契約は、独占的企画開発期間を経て、権利購入が決定できるオプション付権利購入契約が基本となっています。

従って、契約しても権利購入されるとは限らず、契約した作品の企画開発、つまり脚本開発がうまくいき、スタジオ内の基準で納得できる脚本が完成した場合のみ、権利の購入がされるそうです。

その比率はメジャースタジオによって予算管理されており、平均的にオプション付き権利購入契約締結後、実際に権利購入する作品の比率は15%前後と言われ、さらに、権利購入をされたとしても完成までに多くの時間を要します。

契約から完成までの期間をフィロソフィアが関わった作品を例にあげると、藤村氏は、「映画『ゴースト・イン・ザ・シェル』のケースでは、契約から完成までの期間は計8年。TVシリーズの『カウボーイ・ビバップ』のケースでは計3.5年を要しました。」と仰っていました。

近年日本では、長い企画開発期間と原作のサバイバル競争の背景から、契約されただけでは公表されず、監督やスタジオが決定した時など大きなアクションがあった際に発表しているということもあり、未発表の作品が多く待機しているそうです。

【日本IPの未来】

日本IPのハリウッドからの注目は高まり、契約作品も急増しています。

最近では、権利確保の競争が激化しており、ゲームは発売直後に、漫画はアニメ化される前にハリウッドからのアプローチはスタートしています。これは、15年前では想像できなかったことだそうです。

藤村氏は「社会のデジタル化は進んでもIPを創り出すのは人間の想像力であり、日本IPの強みの根源は、長年にわたってクリエイターとなる人材を育成してきた蓄積とそのインフラにあると考えています。

一方で中国や韓国も漫画やアニメなどのクリエイターが育ってきているため、「日本IPの優位性を確保するためには、人材のより一層の育成とインフラ強化は欠かせません。」と仰っていました。

ゲームでは大ヒット作品が輩出されていますが、アニメ作品の大ヒットの輩出は課題のひとつと捉えられています。大ヒット作品を継続的に生み出すことで、ハリウッドのMARVELのような日本IP全体に対するブランド構築をしていくことが大切になると考えられています。

【最後に藤村氏のメッセージ】

講義を通じて、日本IPの映像化が国境を結ぶ架け橋になっていることを伝えてくださった藤村氏は、最後に参加者に向け、「IPの映像化の世界は大きく変わろうとしています。グローバルにそのチャンスは拡がり、世界の隅々まで映像を届けることが可能になった今、世界の人々は国を超えて、心を躍らせる魅力的なキャラクターと素晴らしいストーリーを求めています。私たちも映像メディアで世界と繋がり、IPの魅力で世界の人々を結びつけることができるのです。この先に世界最大の埋蔵量を誇る日本IPの素晴らしい未来が待っていて、そのIPのもつパワーにより、日本の才能ある次世代の人材が世界のエンタテイメント産業の未来に飛躍していく時代がくることを信じています。その未来を信じて、みなさんも自分を生きてください。」と日本IPがもつ可能性の拡がり、“創り手”に向けたエールに力を込めてくださいました。

   

平野紫耀さんが登場!デジタルハリウッド大学新CM『みんなを生きるな。自分を生きよう。2024』

本気で夢を追うって
簡単じゃないんだってマジで

これから先、諦めたくなる瞬間が
かならず来る
もちろんおれにもくる

でも、その夢を実現できたら、
きっと「最高だ!」って思えるんだよ

だから、とにかく一歩踏み出す
その選択が正しいかなんて、
今の時点じゃ誰にも分かんないし

最終的に、自分の道は、
自分で選ぶしかないでしょ!

みんなを生きるな。
自分を生きよう。

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