【開催レポート】映画公開記念 プロデューサーが語る !映画『デスノート Light up the NEW world』の世界特別講座
- 開催レポート

開催日時 |
2016年10月1日(土) 13:00~14:00 |
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場所 |
デジタルハリウッド大学 駿河台キャンパス |
10月1日(土)デジタルハリウッド大学では『デスノートLight up the NEW world』の上映にを記念し、本作プロデューサーである田中正(たなか ただし)氏、佐藤譲(さとう じょう)氏をお招きした公開講座を開催しました。
十年を経て、何故今、続編を制作しようと思ったのか
10年前に公開された『デスノート』、『デスノート the Last name』の前編、後篇からなる2部作で、主人公である、夜神月(やがみらいと)とL(える)は既に死亡しています。映画製作チームからすると、夜神月とLの物語は十年前の2部作で終わっているのだと田中氏は語りました。その時、続編の制作については全く考えていなかったそうです。『デスノートLight up the NEW world』の監督佐藤信介(さとう しんすけ)氏と、オリジナル作品を作ろうと考えていた時に、デスノートを題材にすることを思い付いたそうです。佐藤氏は「夜神月とLの物語は終わってしまったが、デスノートの物語は終わっていない。もしも再び地上にデスノートが現れたら面白い作品ができるのでは」と、語ってくださいました。
物語に沿ったキャスティング
田中氏によると、2013年11月頃からデスノート次作構造の話が徐々に盛り上がり、、2014年2月にデスノートを題材とした、オリジナル映画の構想ができたそうです。そして2014年12月から本格的に始動しました。2015年9月に製作が決定し、11月から撮影が開始されました。その後、2016年3月に映画の映像の仕上げに入り、5月には動画配信サービス『Hulu』にて現在配信されているスピンオフドラマ『デスノート NEW GENERATION』の撮影が開始されました。今回の映画は、デスノートを題材とした続編で、完全オリジナルとなっています。新キャラクターも初期の様々な構想をもとに生まれたものが多い、と田中氏は語っていました。その中で「真ん中に立って正義感が強く、デスノートを追いかける、この物語の主人公であるキャラクターは誰が合うだろうか」と考えたそうです。主人公――三島創(みしま つくる)役を演じる俳優の東出昌大(ひがしで まさひろ)氏は、キャリアは浅いけれども、スター性があり真ん中に立てる俳優であり、キャラクターにも合っていることから、三島創役に起用したとのことです。また、今作の竜崎は、Lの真似をするわけではないけれど、とても曲者になるなと思いながら脚本を作ったそうです。そんな曲者のキャラクター、竜崎を演じるのは俳優の池松壮亮(いけまつ そうすけ)氏です。池松氏がこのようなキャラクターを演じたら面白いのでは、見てみたいと思ったとのことです。俳優ありきの作品も多くあるそうですが、『デスノートLight up the NEW world』は、完全オリジナルの中で、その物語に合ったキャスティングにしたと、佐藤氏が語られていました。
映画の見所とは
完全オリジナルとなっている今回の脚本は、原作である漫画『DEATH NOTE』を手掛けた、漫画家の大場つぐみ氏からアドバイスを頂きながら制作したそうです。脚本を作っていく上で、デスノートのルールを把握しているからこその仕掛けや展開が見所だと語ってくださいました。他にも、リュークなどの死神のCGにとても力を入れたそうです。顔の筋肉や目の動きなどから、実際の人間にあるような表情を忠実に表現し、あたかも現実に存在しているかのようなリアルさを追求したと佐藤氏は語っていました。そして、本来は映画内に、10年前の映画の映像を入れる予定はなかったそうなのですが、監督の佐藤信介氏の案により、10年前の映像を入れることになったそうです。10年前の映像を入れることで、より作品を面白くする1つの工夫をしたとのことです。監督の佐藤信介氏が自ら撮影した映像ではなく、前作映像をとも使うことを決めた、その柔軟性が素晴らしいと田中氏は語っていました。
プロデューサーとして大切なことは
プロデューサーである佐藤氏と田中氏直々に、プロデューサーとして大切な事を語っていただきました。プロデューサーの仕事をしていると、人間関係やコミュニケーション能力が重要視されるそうです。好きか嫌いか、自分の意見をはっきりと述べ、そしてその理由をしっかりと説明できることが大切になるそうです。人生をかけてぶつかってくる方がほとんどで、それに向き合えない方にはとても難しい仕事になるとのことです。どんな言葉でも、自分の言葉、意見を持ち、それを相手に伝える事が重要です。キャリアなどによる上下関係に関係なく、寧ろ、様々な場所で経験しその経験を生かしていくことの方がとても重要であると、お二人は語っていました。
全体を通して、オリジナルの映画がどのようにして作り上げられるのかを詳しくお聞きする事ができ、作品を制作する際の勉強になりました。またCGのクオリティの高さや、そこに込められている感情や表情の移り変わりの描写技術は非常に参考になりました。今まで、何故マンガや本を次々と実写化するのか?と疑問に思う事が多くありました。しかし、今回の講義を受講し、その意味がわかりました。面白い作品を作りたい、それを人に届けたい、そして楽しんでもらいたい。その想いに突き動かされ、実写化を実現し、素晴らしい作品が世に生まれるのだと感じました。
映画『デスノート Light up the NEW world』
10月29日(土)より丸の内ピカデリー・新宿ピカデリー他全国拡大ロードショー!
オフィシャルサイト:http://deathnote2016.com
オフィシャルTwitter:https://twitter.com/Deathnote_2016 ハッシュダグ:#デスノートLNW
(C)大場つぐみ・小畑健/集英社 (C)2016「DEATH NOTE」FILM PARTNERS
原稿:デジタルハリウッド大学1年 鵜飼あい