2015年度入学式を開催ニュース

掲載日 |
2015年4月14日 |
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2015年4月5日(日)、EX THEATER ROPPONGI(イーエックスシアター)においてデジタルハリウッド大学入学式を開催いたしました。266名の学部新入生に加え、保護者の皆様、67名の大学院新入生や166名の専門スクール新入生が参加する、盛大な式典となりました。
杉山知之学長の告辞から始まった式典では、鳥越憲一デジタルハリウッド株式会社取締役兼CEOの祝辞に続き、俳優で「ショートショートフィルムフェスティバル&アジア」代表の別所哲也様から祝辞を頂戴しました。また本学の先輩となる卒業生鈴木美香さんから新入生に向けて歓迎とエールの言葉が送られ、新入生の小久保樹里さんと銭秉さんからは大学生活への期待と意欲が熱く語られました。なお式典の司会は本学2年生の保崎くるみさんが務め、初々しい雰囲気に華を添えました。
また入学式式典に続いて「DIGITAL FRONTIER GRAND PRIX 2015」が開催され、2014年度に公開されたデジタルハリウッド学内全作品から優秀作が選出されました。
杉山知之学長告辞
1990年、私は21世紀に人類社会がデジタルコミュニケーションにより大変革すると確信しました。そのとき作ったプレゼン資料を観ると、デジタルのエージェントたちがネットを通じて人々の生活を支える様子をイラストにしていました。そのプレゼンの題名は「王様や女王様のような暮らし」と書いてありました。
コンピューターサイエンスの先駆者たちは80年代には変革の予兆を感じていました。そしてそれが世の中の人々の目に見える形で世の中の現れたのは1994年の終わりのことであったと思います。アメリカで、最初のパソコン用のブラウザであるNetscape Navigator 1.0が公開され、日本では、SEGAとSONYから3DCGがリアルタイムで計算されてテレビに表示される家庭用ゲーム機が出たのです。セガ・サターンとプレーステーションです。
そして開けて1995年、Windows95が大ヒットとなり、標準的なパソコンOSとなりました。そしてパソコンにとって、インターネットに繋がるということが大変な価値を持つようになりました。その頃からあらゆる表現メディアがデジタル化され、製品となるようになりました。
今や、ゲーム、動画、音楽、ニュース、書籍、映画、ラジオ、そしてテレビ番組すら、ネットを介して、味わう時代になったのです。しかしこの状況になるまで、私のような「新しいもの好き」はいらぬ苦労を重ねてきたのも事実です。
1994年の秋、デジタルハリウッドを設立して学校を始めた頃、写真をメールに添付して送ったところ、そんな大きなデータを送るのは、ネットに負荷がかかるので迷惑だと注意されました。そのとき研究者も専門家も、ここまでネットが発展するとは思っていなかったのです。それが2015年現在、パソコンやスマートフォンの計算能力、メモリー容量は飛躍的な発達をし、さらに十分なインターネットのスピードが確保されるに至りました。そして、それは先進国のみならず世界中に広がり、人間の社会活動を支えるインフラとして機能しているのです。
私は今この状況を観て、やっと本格的な変革を迎えるスタートラインに行き着いたと感じています。今までは、アナログで表現されていたものをデジタルにするというだけのことであり、これは準備のための準備のようなものでした。それが、可能性という話ではなく、現実にパソコン1台あれば人類社会にイノベーションを起こし、新しい何かを創れるようになったのです。すべての人、すべてのモノ、さらに必要とあれば動物や植物に至るまで、ネットにつながるデジタルコミュニケーションの世界は、これから始まるのです。
人工知能、ヴァーチャル・リアリティ、ロボットなどの先端技術と、人間が持つ、つまりみなさんが持つクリエイティビティが融合すれば、人類社会の発展には無限の可能性があるとしか言えないのです。
デジタルハリウッドは、デジタルコミュニケーションが極限まで発達する21世紀社会を、みなさんが自由闊達に生きて欲しいという願いを持って、私が設立した学校です。本学で、これからの社会に必要となる基本的なものの捉え方や専門知識や、さらにコンピュータを操る高度な技能を身に付けてください。みなさんが、それぞれの夢を現実とする力を、この学校でつけることを祈願して、わたくしの式辞とさせていただきます。
ご入学、まことにおめでとうございます。