多文化的背景をデザインに活かしたい。
正木 千尋さん
2024年度入学
東京都(私立)東京インターハイスクール出身
学校推薦型選抜

──まず、自己紹介をお願いします。
デジタルハリウッド大学(DHU)でモーショングラフィックスを専攻している、正木です。もともと北海道出身ですが、小学4年生からマレーシアでインターナショナルスクールに通っていました。高校は東京インターハイスクールという通信制の学校で、自主的な勉強が多い環境にいました。現在は映像制作を中心に、フリーで仕事もしています。

──マレーシアに行ったきっかけは何だったんですか?
父親の仕事の関係ですね。家族でマレーシアに移住しました。僕だけマレーシアに残るのは難しかったので、一緒に帰国して、東京インターに入りました。当初はマレーシアの高校に戻るつもりで単位を取っていましたが、自由に学習できるスタイルが自分に合っていたので、そのまま卒業まで過ごしました。
──高校時代はどんな生活でしたか?
毎日8時から18時くらいまでずっとパソコンの前で勉強していました。自主勉強が中心で教材も自分で選びました。僕にはそれがとても合っていて、特にAdobeのAfter Effectsを触り始めたのが楽しかったですね。それが本格的なクリエイティブ活動の始まりでした。
──DHUを選んだ理由は何だったのでしょうか?
東京インターの卒業生がDHUに進学した話を聞いたのがきっかけです。当初は海外の大学を目指していましたが、学費や生活費が高くて躊躇していたんです。そんな時、先輩からDHUはクリエイティブなことを自由に学べて、英語力も維持できる環境だと聞いて、ここしかないと直感しました。
──入学するまでの準備は大変でしたか?
かなり急でしたね。指定校推薦を受けるために、志望理由書、ポートフォリオ、自己紹介動画を約2週間で準備しました。僕はずっとインター校だったので、日本語が少し苦手で、先生と密にコミュニケーションを取りながら書類を完成させました。面接は緊張しませんでしたが、予想外の質問が来た時は驚きました。AIに関する質問だったのですが、うまく対応できてホッとしました。

──入学後の授業で特に印象に残っているものはありますか?
今履修しているタイポグラフィー(文章を読みやすく見せるデザインの手法と、文字で1つのデザインを作る手法)ですね。独学だった頃に曖昧だった知識が、授業で明確に言語化されて理解が深まりました。最終課題で日本語のロゴをリメイクする作業をしているのですが、日本語のフォントデザインは本当に難しいと感じています。でも、すごく刺激的で楽しいですね。
──DHUの学生生活で力を入れていることは何ですか?
サークルにも一応入っていますが、基本は個人活動ですね。外部から動画編集などの依頼を受けて作品を作っています。仕事の依頼は主にX(旧Twitter)で探しています。やはり実際のクライアントとのやり取りは責任もあるし、自分をプロとして成長させる貴重な経験です。
──将来的に目指していることを教えてください。
最終的にはフリーランスのマルチクリエイターとして活動したいと思っています。そのためにも、一度広告代理店などで多様なジャンルの経験を積んでから独立したいです。映像、デザイン、Web、そして3DCGまで幅広く手掛けられるようにしたいですね。最近はBlenderを自主的に学び始めました。
──留学経験は、今の自分にどのような影響を与えていますか?
マレーシアで過ごした経験が直接作品に反映されるわけではありませんが、多文化環境で培った感性は潜在的に影響していると思います。異文化交流で得た柔軟性や視野の広さは、デザインや映像表現において自然と活きているのかなと感じています。
──日本のコンテンツの魅力をどのように感じていますか?
日本の映像作品や音楽の歌詞は、ストーリー性やメッセージ性が強く、それを映像化する際に表現の幅が広がるのが魅力です。海外の作品よりも深く感情に訴えるような表現が多いので、自分の映像作りの中でも特に意識しています。

──もし高校時代の自分に声をかけるとしたら?
「自分の『好き』を諦めないで」と伝えたいですね。当時はまだ自分が何を目指しているのかぼんやりしていましたが、今こうしてクリエイティブな仕事を楽しんでいるのを知ったら、きっと驚くと思います。「自分の興味を追求し続けると道は自然と開けるよ」と励ましてあげたいです。
──これからDHUに入る新入生に向けて、メッセージをお願いします。
DHUは自分の「好き」を堂々と表現できる場所です。僕自身も、ここで多くの刺激を受けました。興味があるけれど迷っている人も、勇気を出してぜひ飛び込んできてください。自分の中に眠っている可能性が広がり、夢中になれることがきっと見つかります。
──最後に、今後の展望を聞かせてください。
今後はさらに自分のスキルを磨き、広告代理店を経て、最終的にはマルチクリエイターとして独立を目指します。映像やデザイン、そして3D表現など、幅広いジャンルで活躍し、人々の心に残る作品を作り続けていきたいと思います。