【祝】日本作品初!学生アカデミー賞アニメーション部門銀賞受賞   
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【産学連携】Solacity Winter Illuminations|デザインを担当した在学生2名が語る制作裏話

デジタルハリウッド大学(DHU)のキャンパスがある「御茶ノ水ソラシティ(Solacity)」では毎年、年末年始にかけて、隣接する複合施設「ワテラス(WATERRAS)」とともにイルミネーションによって彩られます。”Solacity Winter Illuminations”と題して行われるこのイルミネーションは、東京都心部でも屈指の規模を誇る人気スポットのひとつです。

2024年度は「The Wishing Night ~願いの夜~」をテーマに、2024年10月から2025年2月にかけてイルミネーションが行われます。今年度は新しい試みとして、DHU在学生がメインオブジェ等のデザインを担当するという、産学連携プロジェクトが生まれました。

制作を担当したのは、2年の田村日和さんと北澤克一さん。2名とも授業や課題で作品制作をする機会はありましたが、学外の企業と連携して制作した作品が一般公開されるのは初めてとのこと。プロジェクト完成までの過程や、デザインに込めた思いなどを聞きました。

左:田村さん 右:北澤さん

進級をきっかけに、新しいチャレンジ

——DHUで学んでいることや分野について教えてください。

田村:もともとはハリウッド映画の影響で3DCGに興味を持ってDHUに入学したので、1年次はCGに関わる授業を履修しました。2年になり、3DCGの学習を続けつつ、新しい分野にも手をつけながら、自分に合った表現を模索しています。

北澤:僕は1年の頃からグラフィックデザインの勉強をしていて、2年になってから3DCGの勉強を始めました。両方の技術をかけ合わせたらもっと面白そうなことができるかなと思って、試行錯誤しているところです。

——今回の産学連携プロジェクトですが、2024年夏にイルミネーションのデザイン公募のお知らせが学内でありました。応募しようと思ったきっかけは?

田村:授業が終わって北澤くんと帰っているときに、プロジェクトのメールが来て、「一緒にやれたらいいね」って話していました。作品自体は個別で応募したのですが、ふたりとも選ばれたのでラッキーでした!

2年になって、専攻含め今後の方向性について悩んでいたんです。いろんな人に相談してみたら、「とりあえず面白そう、やりたいと思ったの全部やってみな!」といったアドバイスをもらえたので、今年は「挑戦する年」にしようと思っていたんです。今回のプロジェクトも、そんなきっかけで挑戦しました。

——北澤さんはいかがでしょうか?

北澤:去年、初めてソラシティのイルミネーションを見たのですが、夜まで作業していた学生も、仕事で疲れた社会人も、みんな足を止めて見ていたのを覚えていて。そういった人を楽しませられたらなと思って応募しました。企業の方と協業するプロジェクトに参加して、自分がデザインしたものが街に展示されるのってかっこいいよな、と思ったのも本音です。

星に込められた想い

——イルミネーションのテーマは「WISHING NIGHT〜願いの夜~」でした。デザインに着手する上で、どんなことにインスピレーションを受けましたか?

田村:テーマを拝見して、まず思い浮かんだのはディズニーの「星に願いを」という曲でした。イルミネーションを見たみなさんの願いを星にたとえて、それに手を伸ばそうとするデザインにしました。

また仕掛けとして、白い手がカラフルに染まっていき、星に手が届く、つまり願いがかなったことを表現したいと思い、ソラシティの担当の方と配色について相談しました。どんなイルミネーションになるのかは、わたしたち自身もできてからのお楽しみでした。

——デザインする上で大変だったことはありますか

田村:募集を知ってから締切日までの期間が、大学のテスト期間と重なっていたことです。時間的余裕のない状況で、ゼロからアイデアを出すのは大変でした。「テーマは願いの夜、願いの夜…..どうしよう、やばい描けない…..でも提出しなきゃ!」って思いながら、家でも電車でも作業していました。

イルミネーションの構造や予算感などが分かっていない状態で応募してしまったので、自分のアイディアが実現可能なのかもわからず、たくさん悩みました。

夜空を見上げたくなるデザインに

——北澤さんのデザイン案についても教えてください。

北澤:「WISHING NIGHT〜願いの夜~」と聞いて、「御茶ノ水って星が見えないから、あんまり夜空を気にしないよな」「だったらどうやって空を見てもらえるかな」と考えました。

そこで、トナカイの星座が天に駆けていくデザインにして、その視線の先に夜空があるような設計にしようと考えました。

東京に住んでいる人の中には地方出身の人も多いでしょうから、このイルミネーションを見て「そういえば最近、星を見ていないな」と思い出してもらいたい。帰省した際には地元で本物の星も見てもらいたい――そんなことを考えて、このようなデザインにしました。

——難しかったと感じた場面はありましたか

北澤:大変だったのは、最初に提出したデザインから大幅な変更が必要になったことです。ソラシティの担当の方からフィードバックをいただき、技術的に何ができて、何ができないのかを把握した上で、デザイン案を再考しました。

グラフィックデザインの先生にも相談しながら、「細かすぎる表現はせず、星座だと伝わるデザインにするにはどうしたら良いか」「どんな配色にするとよりキレイにみえるか」といったことを再考し、ソラシティの方に提出したところ、OKをいただけました。

当初のデザイン案が不採用だったのは、少しだけショックではありましたが、社会人の方とのリアルな会議を体験できて、「すごいことしているかも」「もうちょっと頑張ってみよう」と思える機会になりました。

社会に出るイメージが湧いた

——今回の産学連携プロジェクトを通じて、成長したと感じることはありますか?

北澤:目上の方とのメールのやり取りをする機会がなかったので、何から書けば良いのか文章を考えるのにも時間がかかってしまいました。ビジネスマナーなどをいろいろ調べながらコミュニケーションをしていったのは少し成長したところかなと。

制作に関しては、自分が実現したいことと先方の要望をすり合わせる良い機会だったので、この経験がいずれ役に立つ日が来ると思います。

田村:わたしも社会人の方と関われたのは良い機会でした。対面でソラシティの方々とミーティングをする機会があったのですが、めちゃめちゃ緊張したんです。うわー!これが会議か!って、ドキドキしました(笑)。

自主制作だったら自分が表現したいように作れるけれど、誰かのために作るものはさまざまな事情をクリアして制作を進めなければなりません。卒業後に待っている社会は、こういう世界なんだって勉強になりました。

そのイルミネーション、私たちがデザインしました!

——取材日から約2週間後には、いよいよイルミネーションが点灯します。どなたと見に行きますか?

田村:ちょうど母が東京に来る用事があるみたいなので、一緒に行こうと思います。

北澤:僕は田村さんと一緒に行こうと思っていたけれど…..(笑)。お互いに苦労したところも知っているし。

田村:もちろんもちろん!行こうぜ?

北澤:あとは友達と。まだ誰にも話していないから、友達が見ているところで「これ俺のデザインなんだ」って言いたい。街中の人がどんなふうに見ているのかも気になるので、点灯されたあとも様子を見に行きたいと思います。

田村:確かに、自分と全然関わりがない人の意見は気になる。自分の作品って、友達、先生、家族くらいにしか見せる機会がないから、他の方からの純粋な意見を聞いてみたい気持ちはあります。

北澤:知らない人に「このイルミネーション良いですよね?」「実はそれ、私たちがデザインしました!」みたいに話しかけちゃおうかな(笑)。

——DHUでは、ソラシティさん含めさまざまな企業と連携するプロジェクトがあります。応募を考えている人にメッセージをお願いします。

北澤:興味があるものは、とりあえず応募してみるのが良いんじゃないかと思います。特にデザインのコンペに応募する場合は、時間に余裕があるなら複数の案を用意するのがおすすめです。

田村:DHUにはこうしたプロジェクトやコンテストの募集などのお知らせが学内にたくさん貼り出されていたり、デジキャン(在学生用ポータルサイト)やメールで届くこともあります。このプロジェクトに参加するまで自分にはあまり関係ないのないものだと思っていましたが、今回思い切って応募してみたら、学内外でたくさんの方と関わることができました。自分の作品がいろんな人に見てもらえると思うと挑戦してよかったです。貴重な機会になるので、ぜひ後輩のみなさんも挑戦してほしいです。

田村さん
実物を見て、イメージしていたものがそのまま形になっていて、とても感動しました。

会社の人や通りすがりの方に、自分の作品を見てもらう機会は、今までなかったので、点灯した日は、嬉しくてどんな人が見てくれるのか、遠くから眺めてみたりしました。外を見ていると、いつもと違うソラシティの写真を撮ったり、一緒にいる人と楽しそうにイルミネーションの話をしている人を見て、いつもと同じ風景でも、イルミネーションがつくとガラッと雰囲気が変わってこんなに人を笑顔にできるんだな、素敵だなと感じました。

イルミネーションがどのように作られているのか、全く知らない私がデザインをして、表現が難しいところがあったと思うのですが、それを形にしてくださった方々にとても感謝しています。

自分のデザインを形にできたこと、沢山の方に見ていただけること、本当に素敵な経験になりました。企画してくださった方、連絡をとってくださった事務局の方、形にしてくださった方、本当にありがとうございました。

願いの夜が今回のテーマですが、点灯したイルミネーションを見て、この経験で得た感動を忘れずに、わたしも人を笑顔にできるような制作をという願いを叶えられるよう、頑張っていきます。ありがとうございました。
北澤さん
自分のデザインがイルミネーションになっている想像がつかなかったのですが、見て初めて実感し、綺麗だなと思いました。ソラシティ、ワテラスのライトアップが始まって、多くの人が足を止めてイルミネーションを鑑賞し、自分はとても素敵なプロジェクトに参加できたんだなととても嬉しい気持ちになりました。

イルミネーションがどのように作られるのか全く知識がない僕のデザインは、表現が難しいところもあったとおもいます。形にしてくださった方々に感謝の気持ちでいっぱいです。自分のデザインが形となり多くの人に見てもらえ、とても素晴らしい経験となりました。企画して下さった方や連絡をとってくださった事務局の方、デザインを形にしてくださった方々本当にありがとうございました。

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