未経験でも、3DCG作品で入賞できる!
杉浦 花凜さん
2022年度入学
埼玉県(県立)草加東高等学校出身
オータム・トライアウト総合型選抜【特待生選考】

──高校時代は美術部で活動していたとお聞きしましたが、どんな学生生活を送っていましたか?
埼玉県の普通の公立高校出身です。新型コロナの影響で高校生活の多くが制限されましたが、美術部での活動が私の支えでした。1年生の頃は学校で作品を作ったり、行事に参加したりと充実していましたが、2年生以降は部活動が難しくなり、家で立体物や切り絵、ペン画など、興味を持ったものを何でも制作していました。美術部は自由な環境だったので、自分の好きな作品をとことん追求できました。特に印象深いのは、埼玉県の美術部コンテストで優秀賞をいただいたことで、自分の作品が評価される喜びを実感しました。
──デジタルハリウッド大学を知ったきっかけは、お母さんだったそうですね。
最初は美大も視野に入れて考えていましたが、母が「デジタルハリウッド大学(DHU)があるよ」と教えてくれました。いろんなジャンルの制作に興味があったので、自分のやりたいことを自由に探せるDHUに惹かれました。高校1年生のオープンキャンパスに行った瞬間、「ここだ!」と即決しました。それ以来、他の学校には全く目が向かず、一途にDHUを目指していました。
──受験準備の際にはどのような取り組みをされましたか?
受験を意識して早くからポートフォリオ作成を始めました。作品に自信がなかったので、Instagramで公開して意見を求めました。すると現役で3Dアーティストとして活躍し、同じくコンセプトアーティストを目指している方から直接メッセージとアドバイスをいただき、とても励みになりました。面接では具体的な方向性は曖昧でしたが、「留学したい」という思いだけは強く伝えました。
──留学先ではどのような生活を送っていましたか?
大学2年生の時にカナダのバンクーバーへ半年間留学しました。英語が苦手だったので最初は大変でしたが、ホストマザーとの会話や現地での生活で少しずつ英語が好きになりました。現地のスケッチングクラブに参加したことで、文化や価値観の違いを体験し、言葉の壁を超えてコミュニケーションを楽しめるようになりました。
──留学を経て、自分自身に変化はありましたか?
留学を通じて、日本の文化や伝統に関心を持つようになりました。現地の方々が日本のことを尋ねる機会が多くあり、自分が意外と日本のことを知らないことに気づきました。帰国後は日本の伝統文化をテーマにした作品づくりを積極的に行っています。
──最近、日本の妖怪をモチーフにした3DCG作品に取り組んでいるそうですね。
はい、現在は日本の妖怪をテーマにした3DCG作品制作に夢中です。特に最近作った「玉藻の前」という作品では、伝承のリサーチやキャラクターデザインにこだわり、深みのある表現を目指しました。玉藻の前は九尾の狐として有名な伝説上の人物で、特に物語の結末で殺生石に変わる逸話を深く掘り下げ、そこから発想を膨らませました。狐のふわふわした毛並みや十二単の色合いを工夫し、日本の季節感や歴史的な要素も織り込みました。この作品では、単にキャラクターを描くだけでなく、その背景やストーリーまで細かく設定して表現することで、作品に説得力を持たせることができました。

──大学生活では、どんなことを大切にして取り組んでいますか?
大学では人との繋がりを大切にしています。授業以外でも自主制作に積極的に取り組み、コンテストへの挑戦やイベントへの参加もしています。大学の環境が自由で制作に集中できるため、仲間や先輩との交流が非常に充実しています。

──特待生になれなかった経験が、今の原動力になっているそうですね。
特待生になれず悔しい思いをしましたが、それが今の自分を支える原動力になっています。周りの技術力の高い仲間に刺激を受け、もっと成長したいという気持ちが強くなりました。留学や自主制作、コンテストへの挑戦など、一つひとつの経験が自分の成長に繋がっています。
──新入生に向けて、大学生活を送る上でのアドバイスをお願いします。
DHUは本当に自由で、やりたいことを思う存分やらせてくれる大学です。迷ったらまず飛び込んでみてください。先輩方も積極的に大学の環境改善に取り組んでいます。自分の可能性を信じ、充実した4年間を過ごしてください。
