デジタルハリウッド大学の「いま」を伝えるキュレーションメディア  
デジタルハリウッド大学の「いま」を伝えるキュレーションメディア  
デジタルハリウッド大学の「いま」を伝えるキュレーションメディア  
デジタルハリウッド大学の「いま」を伝えるキュレーションメディア  
デジタルハリウッド大学の「いま」を伝えるキュレーションメディア  
デジタルハリウッド大学の「いま」を伝えるキュレーションメディア  

ゲームクリエイターになるには?仕事内容や将来性は?

「ゲームばかりしていないで、勉強しなさい」と、親に怒られたことはありませんか?ゲームは勉強を邪魔するもの、という見方をする人は未だに少なくありません。しかし、これからの時代にはむしろゲームを勉強することが、あなたの人生を助ける力になるかもしれません。

この記事では、ゲームクリエイターを育成する大学が増えていることに注目し、これからの時代にゲーム制作を学ぶ意味についてお伝えします。

<目次>

1. ゲームクリエイターとは

ゲームクリエイターとは、コンピュータゲームのソフトやアプリの制作に携わる人の総称です。

現代のゲームは複雑化しており、一人で全てを作り上げることは困難です。そこで、企画・音楽・シナリオ・キャラクターデザイン・プログラミングなど、それぞれの役割に特化した専門家が協力して、一つのゲームを作り上げています。様々な役割を担う専門家集団の総称として、「ゲームクリエイター」という言葉が使われています。

ゲームクリエイターが制作する作品とは、どのようなものでしょうか。事例として、デジタルハリウッド大生が制作したゲーム作品の一例を見てみましょう。

『Phantasm(作者:久保田量大、澤田雄一、田中竣、葛聖智、貢峴)』は、影を使ってステージを進むという企画がユニークな、完成度の高い作品です。

様々な役割を担う専門家の技が結集して、このように印象的なゲーム作品が作り出されています。

2. ゲームクリエイターの仕事内容

ゲームクリエイターの仕事内容は、担当する役割によって異なります。以下が、代表的な役割とその簡単な仕事内容です。

  • プロデューサー:予算やチームの管理など、全体を統括する
  • ディレクター:スケジュール管理など、ゲーム制作の現場を統括する
  • プランナー:ゲームの企画立案、仕様書作成、分析・改善などを担う
  • シナリオライター:複数のストーリーや、キャラクターの会話などを執筆する
  • CGデザイナー:キャラクターや背景などのデザインを行う
  • プログラマー:ゲームが意図したように動くようにプログラムを組む
  • サウンドクリエイター:ゲーム内で使われるBGMや効果音を制作する

このような役割が密接に連携を取りながら、ゲーム作品を制作していきます。自らの役割に関する高い専門性を持つことはもちろん、他の役割についての知見を持つことも重要です。

3. ゲームの「学問としての価値」を認める大学が増えている

東京藝術大学が、国立大として初めてゲームコースを開設

かつて、日本でゲームクリエイターを目指すには、専門学校に進学するしか道がありませんでした。2007年頃からゲーム制作に関する学科を持つ大学が登場し始めたものの、その数は十分とは言えませんでした。

しかし今、日本においてゲームクリエイターを育成する大学が増え始めています。

2019年、日本の国立大学として初めて東京藝術大学が、大学院映像研究科内にゲームコースを開設しました。このコースは、アニメーション専攻およびメディア映像専攻の2年間のコースとして設置され、ゲームに関する講義、演習、作品制作、研究などが行われます。これをきっかけに、ゲーム教育推進の流れが加速することが予想されます。

本学デジタルハリウッド大学でも、ゲーム制作を学問として多角的に学べるカリキュラムを用意しています。数多くのゲームクリエイターを輩出しており、スクウェア・エニックスやカプコンなどの業界をリードするゲーム会社に就職した卒業生も多いです。

アメリカでは、1990年からゲームを学べる大学があった

一方、アメリカでは30年ほど前からゲーム教育の推進が進んでいます。

1988年設立のデジペン工科大学は、もともとは民間企業でしたが、優秀な人材確保が困難になったため、クリエイター育成コースを開設。プロを目指す学生が多く集まり、いまでは世界屈指のゲームデザインの教育機関となっています。

その後、2004年に南カリフォルニア大学(USC)がゲームコースを開設。USCは、ゲームを「遊び心のあるインタラクティブな体験」「エンターテインメント業界で最も急成長している分野」と位置づけ、そのパイオニアを育成・輩出し続けています。

この他にもアメリカでは、数々の大学がゲーム制作を学べるコースを用意しており、ビジネスとしてもアートとしても、ゲームの価値が社会的に認知されていることが伺えます。

4. ゲームクリエイターを育成する大学が増えている理由

時代はマスメディアからインタラクティブメディアへ

単なる娯楽と思われがちであったゲームが、学問としての存在感を高めつつあることには、インタラクティブメディアとしての役割が十分に認識されたことが挙げられます。

インタラクティブメディアとは、情報の受け手が参加してコミュニケーションを成立させる、双方向のメディアのことです。情報過多の現代社会では、どれほど優れたコンテンツを提供しようとも、一方的なマスメディアからの発信では、価値が埋もれて伝わりづらい現状があります。その中で、インタラクティブなゲームという媒体は、アイディアやストーリーを伝えようとする時に、大きな力を発揮します。

ユーザーを主体的に参加させるゲームは、あらゆるビジネスのプロモーションにおいても効果的であり、社会的な影響力も絶大です。テクノロジーの発展に伴い、AR/VRなどの技術を活用したビジネスの需要が拡大していることも、ゲームクリエイターの重要性があらためて認識される要因です。

ゲームとは、現代の総合芸術作品である

ゲームは、「企画」「プログラミング」「3DCG」「シナリオ」「音楽」「デザイン」など、あらゆる分野の技術が要求される、言わば総合芸術です。

かつてオペラは、「音楽」「絵画」「文学」「建築」「舞踊」などの複数分野の芸術の混交によって創造される、総合芸術と言われ親しまれました。時代は移り、デジタルテクノロジーが進化した現代では、まさにゲームがその立ち位置に相当します。

芸術としても、産業としても、大きな存在感と影響力を持つゲーム。その創出を研究する教育機関が増えることは当然のことであり、むしろこれまでのスピードが遅すぎたと言えるかもしれません。

5. ゲームクリエイターの将来性

ゲームクリエイターの学習環境が整い始めている今、その将来性がますます期待されています。

既にゲームは娯楽として生活の中に浸透しており、ニーズは安定的です。さらに近年ではスマートフォンの普及によりゲームアプリの産業が大きく成長しており、VRなどのインタラクティブ性の高い新しいゲームが続々と開発されています。その中でゲームクリエイターの需要が減少するとは考えづらく、新たなフィールドで活躍する人材が引き続き求められていくでしょう。

そして、これからの時代のゲームは単なる娯楽ではありません。大きな影響力を持つインタラクティブメディアであり、同時に総合芸術作品でもあります。ゲームクリエイターという職業が、より社会的な存在感と影響力を高めていくことが予想されます。

ゲームクリエイターに興味がある方は、日本でも増え始めている大学の場を活用し、自らの技術力と表現力を多角的に学んでみてはいかがでしょうか。

6. ゲームクリエイターになるために必要なスキルとは?

プログラミングスキル

ゲームクリエイターになるためにまず身につけるべきことは、システム構築に必要なプログラミングのスキルです。

C言語、Java、Python、PHPなど、制作するゲームや担当するシステムによって異なるプログラミング言語が存在します。ゲームプログラマーを目指す方であれば、これらの言語を網羅的に習得する必要があります。

プログラマー以外の職業、たとえばゲームデザイナーやゲームプランナーを目指すという方であれば、必ずしもすべてを完全に習得する必要はありません。けれども何の言語がどのような仕組みで機能しているのかを理解することでよりよいチームワークを築けるため、ある程度は学んでおくとよいでしょう。

ちなみに近年の制作現場では「Unity」がよく使われています。これはプログラミング言語への完全な理解がなくてもゲーム制作が可能な、とても便利な統合開発環境です。初心者の方はまずUnityを活用して、ゲームの枠組みを大まかに作成するところから始めてみることをおすすめします。

デザインソフトを使いこなせる技術

ゲーム制作においては、優れたグラフィックを実現するデザインスキルも重要な要素です。魅力的なキャラクターや、世界観を演出する背景をデザインすることで、ゲームのクオリティを圧倒的に高めることができるからです。

そのためには、2Dグラフィックの制作ソフトであるAdobe PhotoshopとIllustrator、そして3DCG制作ソフトのMayaなどの使い方をマスターすることがまず必要です。ソフトを使いこなして制作を繰り返しながらデザインの知識やセンスを養っていくことが、よりよいアウトプットにつながります。

制作ソフトの習得に加えて、立体のデッサン力なども身につけることによって、さらに魅力的なデザインへと進化させることができます。ゲームクリエイターを目指す方は、制作ソフトを使いこなすことに加えて、表現力を磨き上げていくことに注力しましょう。

分析力・企画力

ゲームをプロデュースする立場に行きたいと考えている人であれば、特に重要なのが分析力です。ユーザーや市場のニーズ、時代の流れを敏感に察知し、どんな作品がヒットするのか予測する力が問われます。

その上で、人々の心をとらえるアイディアを生み出す企画力が必要です。どれほど制作スキルに長けていても、その企画自体が凡庸であれば、数多あるゲーム作品の中で埋もれてしまいかねません。ターゲットの関心をとらえる魅力的な発想力を鍛えることが、ゲームクリエイターを目指す上で重要なポイントです。

コミュニケーション力

ゲーム制作という仕事は、プログラマー、デザイナー、プランナーなど、それぞれの役割を担う人々が密接に連携を取りながら進めていくものです。そのため異なる役割を持つ人とも相互理解や意思疎通が必要となり、コミュニケーション力が問われます。

コミュニケーション力が優れていると、相手が求めていることを正しく汲み取ることができたり、自分の意志を明確に伝えることで人々を動かしたりすることができます。そうすると情報の行き違いや、作業の遅延などのトラブルが発生しづらく、作品制作を円滑に進めることができるでしょう。

自分自身のスキルアップだけに注力するのではなく、さまざまなタイプの人々とのやりとりを重ねながらコミュニケーション力を地道に養っていくことが、ゲームクリエイターとしての糧となるはずです。

7. ゲームクリエイターの年収や給与はどれくらい?

会社員の平均的な年収

会社員として働くゲームクリエイターの平均年収は、300~600万円程度と言われています。

ゲーム開発会社、スマホゲームメーカーなど業種によっても異なりますし、勤務年数や役割によっても変動するため一概には言えませんが、450万円前後が平均的な数字となります。2019年度に出た日本の平均年収が432万円であるため、全体から見ても平均的、あるいはやや高めの水準と言えるでしょう。

プログラマーなど高度な専門技術が問われる職種であれば、個人のスキルに応じて給料が上がっていくケースが多いです。またプロデューサーやディレクターの立場であればゲームの売上が評価につながる傾向があり、成果に応じた給与体系が期待できます。

トッププレイヤーの想定年収

トップクリエイターとなれば、年収1000万円以上の給与が想定されます。

ゲーム業界には知名度のある大企業が比較的多く、事業規模が大きくなるほど給与も高くなる傾向があります。そのためトップクリエイターを目指す人は、自社内で経験を積んでステップアップする道の他にも、スキルを身につけた後に大企業に転職してキャリアアップする道を視野に入れている人が多いです。

その他、フリーランスとして独立し、自分が期待するだけの収入を得ることも可能です。ゲームクリエイターは専門技術が必要なため、需要の大きい職業と言えます。ただ仕事の幅が極めて広く、一人ですべてを対応することは難しいため、自分の得意分野のスキルを磨き上げながら、多くの人と連携しながら仕事を進めていくとよいでしょう。

デジタルハリウッド大学の学びの特色

プログラミングの基礎から最先端のICTやゲーム開発までトータルに学ぶ

関連する記事はこちら

More