VRとは?意味や仕組み、機器の選び方、活用事例などを徹底解説!

はじめに
VR(Virtual Reality)という言葉が世の中に広く扱われるようになって数十年が経ちました。いまこの記事を読んでいる高校生・受験生のみなさんも、映像、ゲーム、メディアアートなどを通じて、VRのコンテンツに触れているかと思います。
この記事では、VRの基本的な意味や仕組み、どのように楽しむことができるかを解説します。また、ARやMR、XRとの違いについて、具体的なVR機器の選び方のポイントに加えて、教育、医療、ゲームなど様々な分野でのVRの活用事例について見ていきます。
未来の技術革新の一環として、VR技術の重要性が増している理由を学ぶことで、今後の可能性を見出すことができるでしょう。デジタルハリウッド大学での学びを通じて、最先端のVR技術を習得する有用性についても紹介します。
<目次>
VRとは?どんな仕組み?

VR(バーチャルリアリティ)は、仮想環境に没入する体験を可能にする革新的なコンピュータ技術です。具体的には、専用の機器を使用して、視覚だけに留まらず聴覚や触覚をも刺激し、仮想空間にいるかのような体験をユーザーに提供します。この技術により、私たちは現実逃避できる夢の世界を手軽に楽しむことができます。
1.1 VRの技術的要素
VRの仕組みは、いくつかの重要な技術によって支えられています。以下、代表的な技術要素を示します。
技術 | 説明 |
---|---|
ヘッドマウントディスプレイ(HMD) | ユーザーの視界を完全に仮想映像で覆い、没入感を高めます。SonyやMetaのデバイスが一般的です。 |
モーショントラッキング | 手や体の動きを正確に捉え、仮想空間での動きを忠実に再現します。センサーやカメラを駆使してリアルタイムで追跡します。 |
インタラクティブ制御 | コントローラーやハンドトラッキングにより、VR空間内での操作や入力を可能にします。より直感的な操作感を提供します。 |
1.2 VRで可能な体験の種類
VRは多岐にわたる体験を提供しています。例えば、以下のような分野で活用されています。
- 教育:理科実験や歴史の授業を仮想空間で再現、体験することができます。
- 旅行:世界の名所を仮想的に訪れ、異文化を感じることができます。
- ゲーム:リアルタイムで没入するゲーム体験が可能です。感覚全体を利用した新たな遊び方が広がります。
VRを楽しむために必要な物とは?
VRを最大限に楽しむためには、専用の機器や環境が必要です。選択によってVR体験の質が大きく変わるため、慎重に選ぶことをお勧めします。
2.1 VRヘッドセット(HMD:ヘッドマウントディスプレイ)
VRヘッドセット(HMD)はVR体験の中心です。2024年現在、Meta Quest、Apple Vision Pro、VIVE XR Elite、PlayStation VRなどの製品が販売されています。使用できるプラットフォームだけでなく、価格帯、解像度や視野角、装着の快適さに注目し、自分の使用目的に合ったヘッドセットを選びましょう。
2.2 対応デバイス
VRヘッドセットを使用するためには対応するデバイスが必要です。PCでは高性能なグラフィックボードが重要です。例えば、NVIDIA RTX 3060以上のGPUが推奨されることが多いです。また、PlayStation VRにはPlayStation 5が必要です。スマートフォンを使用する場合は、機種の互換性を確認する必要があります。
2.3 コントローラー
多くのVRコンテンツではコントローラーが必要です。大手メーカーのコントローラーにはモーションセンサーが組み込まれており、直感的な操作が可能です。たとえば、Meta Quest 2のタッチコントローラーやPlayStation Moveは精度が高いとされています。これにより、VRの世界でのインタラクションがスムーズになります。
2.4 コミュニケーション環境
VRは一人での利用だけでなく、他のプレイヤーとのコミュニケーションも楽しむことができます。そのためには良好なインターネット環境やマイク付きのヘッドセットが必要です。オンラインプレイやVRチャットを楽しむには、最低でも20Mbpsのダウンロード速度を確保するのが理想です。また、遅延をなくすためにWi-Fi 6対応のルーターを使用することをお勧めします。
2.5 適切なスペース
VRデバイスを使用する際には安全性を確保するために適切なスペースが重要です。特に、動き回ることが多いVRゲームでは、狭い空間では思わぬケガをする可能性があります。使用前には周りに十分なスペースがあること、家具や障害物がないことを確認し、不意の事故を防ぎましょう。
必要なアイテム | ポイント |
---|---|
VRヘッドセット(HMD) | 解像度、視野角、快適さ |
対応デバイス | PCやゲーム機の性能要件 |
コントローラー | モーションセンサーの精度 |
コミュニケーション環境 | インターネット速度と周辺機器 |
適切なスペース | 安全に動ける範囲の確保 |
VR機器の選び方のポイント

VR(バーチャルリアリティ)を楽しむためには、適切なVR機器の選定が不可欠です。ユーザーのニーズに応じた最適なVR機器を選ぶための選び方のポイントを、具体例や技術面の解説を含めて紹介します。
3.1 用途に応じた選定
VR機器選びで最も重要なのは、どのような用途で使用するかを明確にすることです。それぞれの用途に最適な機器を選ぶためには、以下の要素がカギとなります。
3.2 予算に合った選定
限られた予算で最大限の体験をするためには、以下の観点が重要です。
- クオリティとコストパフォーマンス:
機能と価格のバランスを考慮し、長期的に見て価値ある選択が必要です。製品のレビューやユーザーの評価を参考にしましょう。 - 満足度に対する評価:
高性能な機種は必ずしも高価ではなく、用途に応じた最適な性能を求めることが大事です。
2024年現在、一般的なVRヘッドセットのひとつである「Meta Quest 3S」を例にとると、最も128GBモデルが定価48,400円(税込)です。一方、2024年6月に予約を開始したApple Vision Proは、256GBモデルで599,800円でした。この価格差を見れば、予算に合った選定を行う重要性が理解できるでしょう。
3.3 対応プラットフォームの確認
使用するプラットフォーム(PC、ゲームコンソール、スマートフォンなど)が、対象機器と互換性があるかを確認することも不可欠です。購入前に次のようなポイントを確認してください。
- 接続方法:
有線か無線か、また使用中のネットワーク環境に対応しているか。 - ソフトウェアのサポート:
使用するアプリケーションが該当デバイスで動作可能か。
3.4 フィット感と快適性
長時間の使用を考慮すると、着けた時のフィット感と快適性も見逃せません。チェックすべき点をまとめます。
- 重量:
軽量であるほうが、長時間でも疲労を感じにくくなります。 - 調整機能:
頭部にフィットしやすい調整可能なバンドの選択が重要です。 - パッドの素材:
耳や額など直接触れる部分の素材が心地よく、交換可能であればさらに良いでしょう。
3.5 センサーと追跡技術
センサーの精度と追跡技術は、VR体験のリアリティを左右します。注目すべき点は以下の通りです。
- 外部センサーの必要性:
「インサイドアウト」方式のトラッキングが採用されていると、ベースステーションなしでも高精度で安定したフルトラッキングが可能となります。 - 必要な設置スペース:
センサー設置に必要な空間を確認し、環境に適しているかを考慮しましょう。 - 動作範囲:
部屋の広さに応じたトラッキング能力があるかを確認しましょう。
これらのポイントを考慮することで、自らのニーズに最適なVR機器の選択が可能となり、あなたのバーチャル体験はより満足できるものになるでしょう。
VRの活用事例3選&将来性

VR(バーチャルリアリティ)の技術は、革新性と応用範囲の広がりから、エンターテインメント、教育、医療、産業といった多くの分野で注目され、採用が進んでいます。これにより、近い将来、その需要はさらに増加することが予想されています。
ここからは、デジタルハリウッドの事例を中心に、現在および将来の需要について踏まえながら、各分野や業界におけるVRの活用シーンについて概観します。
4.1 教育分野:バーチャルキャンパス構想
まずは教育分野です。デジタルハリウッド大学では、リアルな学習環境を仮想的に再現し、深い学びの体験を提供しようという「バーチャルキャンパス」構想が進行中です。VR空間を通じて「学生や教員が交流し、学び、出会う場所」を作る取り組みへの模索が現在も続いています。
関連記事:学びの場をゼロから考え直す。デジタルハリウッド大学が挑む「バーチャルキャンパス」を追え!【第4回: 学びとは何か編】
4.2 医療分野:遠隔医療
デジタルハリウッド大学大学院の加藤浩晃特任教授は、著書『医療4.0 (第4次産業革命時代の医療)』(日経BP、2018年)において、特に外科手術における医療教育やトレーニングにおけるVRの可能性について述べました。それから5年余りが経ち、技術の進歩に伴い、2024年現在では遠隔医療やAIなどのデジタルヘルス関連事業の第一人者として活躍しています。
加藤浩晃特任教授プロフィール
https://gs.dhw.ac.jp/faculty/hiroaki-kato/
4.3 エンタテインメント分野:
エンターテインメント業界においても、VRの活用は新たな体験を提供する手段として注目されています。コロナ禍を背景としたVRChatやClusterといったバーチャル空間の流行は記憶に新しいところです。
別の実践例もご紹介しましょう。デジタルハリウッド大学で行われた「VR音響制作演習」という授業では、ソニーミュージック「ソニックアカデミーサロン」の協力を受け、VR音響(立体音響)による音楽手法の研究を行いました。このように視覚だけでなく聴覚も含めた没入感を味わえる技術が、VRという分野をさらに魅力的なものに進化させていくでしょう。
4.4 将来予測
『AR/VR関連市場の将来展望2023』(富士キメラ総研)によると、2030年予測(2021年比)で、AR/VR表示機器の世界市場は7兆4,301億円(11.6倍)となり、BtoC向け商品の投入により2027年ごろから大幅に拡大すると予想されています。
こうした市場データからも明らかであるように、VR技術の市場規模は今後も拡大が見込まれ、特に日本国内の企業が積極的にVR技術を導入することで、さらなる成長が期待されています。
VR技術を学ぶなら”デジタルハリウッド大学”
デジタルハリウッド大学は、VR技術を学ぶために有益な学習環境と、VR分野での実績を持つ教員を持っており、実践的なスキルを習得することができます。
例えば、2023年当時最新のQuest2(VRヘッドセット)を300台購入し、授業での利用や学生への貸し出しを行っています。
教員には、スマートフォンを使用したダンボール製VRゴーグル「ハコスコ」の創業者で、「現実を科学する」をキーワードに社会的脳機能の研究を行っている藤井直敬卓越教授をはじめ、VR業界に精通した実務家教員が授業を担当しています。
デジタルハリウッド大学のカリキュラムは、Unityをはじめとしたソフトウェアはもちろん、プログラミング、デザイン、インタラクション設計など、VR開発に必要な各領域を網羅しています。基本の理論から実際に使えるスキルまで、段階的に学べるため、入学までこれらに触れてこなかった初心者の方でも、4年間でプロを目指すことができます。
卒業後のキャリアサポートも充実しています。企業との強力なネットワークにより、多数のインターンシップや就職支援が提供され、学生のキャリア開始を具体的にバックアップしています。これにより、卒業生の高い就職率を維持しており、多くの学生が夢を形にしています。
参考:デジタルハリウッド大学の就職実績
https://www.dhw.ac.jp/employment/list/
7.まとめ
VRは、現実の制約を超えた体験を提供する革新的な技術として、エンタテインメントや教育、医療など幅広い分野で活用されています。今後も技術の進化とともに需要は高まると予想されます。VRの魅力である没入感やインタラクティブ性は、多くの可能性を秘めています。
デジタルハリウッド大学は、VR技術を通じて新たなクリエイティブキャリアを追求するための理想的な場所となります。1学部1学科で学べる独自の教育プログラムと、小規模校ならではの手厚いサポート体制を活用し、あなたの未来を開花させましょう。