アントレプレナー(起業家)とは?定義やなるために必要なスキル

「こんなサービスがあったらいいのに」と思ったことはありませんか?
でも、そのアイデアを実際に形にする人は、ほんの一部です。「アントレプレナー(entrepreneur)」とは、そうした“思いつき”を「実際の価値」に変えていく人のことです。一般的には「起業家」と訳されますが、その本質は会社を立ち上げることだけではありません。
限られた時間やお金、環境の中でも、「どうすれば実現できるか」を考え、行動に移す。そして、新しい仕組みやサービスを生み出していく。この力は、ビジネスだけでなく、学校生活やチーム活動など、身近な場面でも発揮されます。
この記事では、現代におけるアントレプレナーを「自ら考え、動き、価値を生み出す人」そのものを指す広い概念として捉え、その役割や価値について考えます。特に進路選択の時期を控えた高校生・受験生のなかで、「起業家ってカッコいい感じがするけど、実際どんなことをすればなれるの?」「アントレプレナーシップ(起業家精神)という言葉は聞いたことがあるけど、大学選びと関係あるのかな?」といった疑問を持つ人に向けて、これらの言葉がより身近に感じられるようエピソードを交えて解説します。
多くの起業家を輩出してきたデジタルハリウッド大学(DHU)での学びについても紹介します。ぜひ最後までご覧ください!
<目次>
アントレプレナーシップとは何か
アントレプレナーシップ(起業家精神)とは、「自ら機会を見つけ、主体的に価値を創り出そうとする姿勢や能力」を指します。
ハーバード・ビジネススクールのハワード・スティーブンソン教授は、これを「コントロール可能な資源を超越して機会を追求すること」と定義しています。つまり、十分な資金や人手がなくても、「どうすれば実現できるか」を考え、工夫しながら挑戦し続ける力です。
たとえば高校生活でも、「文化祭で新しい企画を考える」「SNSで作品を発信する」といった行動は、アントレプレナーシップの一つと言えます。
アントレプレナーの語源と類語

アントレプレナーの語源
アントレプレナーの語源はフランス語の「entrepreneur」で、動詞「entreprendre(始める、企てる)」に由来します。 もともとは貿易商や仲介者を指す言葉でしたが、経済学の発展とともに「新しい価値を生み出す人」という意味に変化していきました。
アントレプレナーとイントレプレナーの違い
「アントレプレナー」とよく似た言葉に、「イントレプレナー(社内起業家)」があります。違いはシンプルです。
- アントレプレナー:自分で会社や事業を立ち上げる人
- イントレプレナー:会社の中で新しい事業をつくる人
たとえば、「自分でサービスを立ち上げる」のがアントレプレナーだとすれば、「会社の中で新規プロジェクトを立ち上げる」のがイントレプレナーです。最近では、大企業の中でも新しい事業を生み出す動きが活発になっており、イントレプレナー的な人材の重要性も高まっています。
インフォプレナーとは
もう一つ関連する言葉が「インフォプレナー(情報起業家)」です。これは、自分の知識や経験をもとにビジネスを行う人を指します。たとえば、
- 動画編集のスキルをオンライン講座として販売する
- SNS運用のノウハウを発信して収益化する
といった形です。いまは個人でも発信できる時代なので、「得意なことを仕事にする」という意味では、高校生にとっても身近な働き方のひとつと言えるでしょう。
シリアルアントレプレナーとは
「シリアルアントレプレナー(連続起業家)」とは、「何度も起業に挑戦する人」のことです。ひとつの事業を立ち上げて終わりではなく、成功や失敗の経験を活かして、次の事業へと挑戦していきます。重要なのは、「一度の結果で終わらないこと」です。うまくいかなかった経験も次に活かしながら、挑戦を続けていく姿勢が特徴です。
高校生にも馴染みのあるところでは、山田進太郎氏(写真共有SNS「フォト蔵」で知られるウノウ、フリマアプリのメルカリを創業)、家入一真氏(ロリポップ!、paperboy&co.(現GMOペパボ)を創業、CAMPFIRE、BASEなどを手掛ける)などが挙げられます。
アントレプレナーが求められる歴史的背景
日本的経営の変革
かつての日本では、「会社に長く勤めること」が一般的な働き方でした。しかし現在では、終身雇用が当たり前ではなくなり、「自分でキャリアを切り開く力」が求められるようになっています。つまり、「会社に任せる」から「自分で考えて動く」時代へと変化しているのです。
新たなビジネスの創出
AIやIoTなどの技術の進化により、新しいサービスや仕事が次々と生まれています。その中で重要なのは、「アイデアを考えること」だけではなく、「実際に試してみること」です。小さく始めて、改善しながら成長させていく。このような動き方が、今の時代のスタンダードになりつつあります。
グローバル化
インターネットの普及により、世界中の人と簡単につながることができるようになりました。たとえば、日本にいながら海外向けにサービスを展開することも可能です。その一方で、海外の企業や個人とも同じ市場で競争することになるため、「自分の強みをどう活かすか」がより重要になっています。
コロナウイルスによる社会変動
2020年のコロナ禍をきっかけに、オンライン授業やリモートワークが一気に広がりました。これまで当たり前だったやり方が大きく変わり、「新しい方法を自分で考える力」が求められるようになっています。こうした変化の中で、自ら考え、行動し、新しい価値を生み出すアントレプレナー的な力が、これまで以上に重要になっています。
アントレプレナーに求められるスキル

マネジメント力とリーダーシップ
チームで目標に向かうために、役割を分担し、全体をまとめる力です。
クリエイティビティ
「どうすればもっと良くなるか」を考え、新しいアイデアを生み出す力です。
コミュニケーション力とネットワーク構築力
人と関わりながら協力関係を築く力です。仲間や協力者が増えることで、できることも広がります。
ポジティブシンキング
失敗したときに「次はどうするか」と考えられる前向きな思考です。
責任能力
自分の行動の結果に向き合い、改善につなげる力です。
未来を描く力
将来どうなりたいかを考え、そこに向かって行動する力です。
志と課題解決力
「誰のために、何を解決したいのか」を考え、それを行動に移す力です。
アントレプレナー教育
アントレプレナー教育とは
アントレプレナーや起業という言葉を聞いて、「起特別な人がやるものじゃないの?」と思っている人も少なくないでしょう。しかし実際には、アントレプレナー教育で学ぶのは「会社の作り方」よりも、「どう考えて、どう動くか」です。たとえば、
- なぜこの問題は起きているのか?
- どうすればもっと良くできるのか?
- それを本当に形にできるのか?
こうした問いに向き合い、自分なりの答えを出していく力を育てていきます。アントレプレナー教育とは、「アイデアを思いつく人」ではなく、「アイデアを実際に動かせる人」になるための学びです。
海外のアントレプレナー教育
海外の大学では、「考えるだけ」で終わりません。むしろ、「やってみること」が前提です。授業の中で実際にサービスを立ち上げたり、チームでビジネスを作ったり、投資家にプレゼンしたりすることも珍しくありません。そして特徴的なのは、「失敗してもいい」という前提です。うまくいかなかった経験も含めて、「何を学んだか」が評価されるのです。
日本のアントレプレナー教育
日本でも、この流れは少しずつ変わり始めています。これまでのように知識を学ぶだけでなく、企業と連携した授業やプロジェクト型の学びを通じて、「実際に動く経験」を重視する教育が増えています。
とはいえ、海外と比べるとまだ発展途中の段階とも言えます。だからこそ今、この分野に触れること自体が大きな価値になります。「自分で何かを生み出したい」と思ったとき、その最初の一歩になるのがアントレプレナー教育です。
アントレプレナーを学ぶには?
まずは身近なところから始めることが大切です。たとえば、
- 学校生活で感じた不便を改善してみる
- SNSで自分の作品やアイデアを発信する
- イベントの企画を考えてみる
小さな経験の積み重ねが、アントレプレナーシップにつながります。
DHUでのアントレプレナーの学び
デジタルハリウッド大学(DHU)では、デジタルコミュニケーション分野を横断した学びを通じて、アントレプレナーシップを実践的に身につけることができます。 特徴は、知識を学ぶだけでなく、「アイデアを形にする」「社会に届ける」といったプロセスまで経験できる点にあります。
事例1:日本有数の実績を誇る「大学発ベンチャー」
経済産業省が調査・公表している「産業技術調査(大学発ベンチャー実施等調査)」において、デジタルハリウッド大学は「令和6年度大学発ベンチャー企業数」で前年度に続いて全国15位にランクインしました。
大学発ベンチャーとは、大学に潜在する研究成果やアイデアをもとに、新しい製品やサービスを生み出し、新たな市場を創出する取り組みのことです。いわば「イノベーションの担い手」として期待される存在です。
デジタルハリウッド大学は定員1000名規模の小規模大学でありながら、調査開始当初から継続して上位に位置しています。これは、複数の分野を組み合わせて新しいモノやサービスを生み出すカリキュラムや、実務家教員による指導体制など、学生の挑戦を後押しする教育環境が整っていることを示しています。
また、本学では新たな表現やサービス、プロダクトを生み出す独自のカリキュラムに加え、卒業生の起業支援を目的としたインキュベーション機関「D ROCKETS」を設置しています。出資による起業サポートや、企業との連携(アライアンス)を通じて、学生や卒業生の挑戦を継続的に支援しています。
デジタルハリウッド大学では今後も、起業を通じて社会に新たな価値を生み出す人材の育成に取り組んでいきます。
▼詳細はこちら:
https://www.dhw.ac.jp/news/20250610_academicstartups/
事例2:在学中に起業した学生「南羽えぬ」さん
デジタルハリウッド大学では、在学中から起業に挑戦する学生・卒業生が数多くいます。卒業生である南羽えぬさんもその一人です。南羽さんは在学中に会社を設立し、実際に事業を展開していました。
南羽さんは、ソニー社が主催する企業ゼミ(学内就業体験)に参加したことをきっかけに、新潟県の松之山温泉の方々とつながり、「AniGuide」という観光コンテンツの開発に取り組んでいました。これは、ヘッドマウントディスプレイを活用し、バーチャルキャラクターが温泉街を案内する体験型サービスです。
また、地元のNPO法人と連携し、子どもたち向けに3Dスキャン技術を活用したワークショップも実施していました。自分で作った人形をデジタル化し、動かす体験を提供するなど、地域とテクノロジーをつなぐ活動を行っていました。 このようにデジタルハリウッド大学では、「学び → 人とのつながり → 実社会での実践」という流れを、在学中から経験することができます。
▼インタビュー記事はこちら:
https://www.dhw.ac.jp/now/list/students/1215_nanba/

事例3:授業で学ぶ「起業のリアル」(起業入門)
DHUでは、起業に必要な考え方やスキルを、実践形式で学べる授業が用意されています。
「起業入門」では、単なる知識の理解にとどまらず、「自分のアイデアをどのように形にするか」というプロセスに重点が置かれています。授業では、実際のビジネスコンペを想定し、ビジネスモデルの設計、市場調査、企画書作成、プレゼンテーションまでを一連の流れとして体験します。
また、仮説を立てて検証するプロセスや、限られた条件の中で最適な提案を導き出す思考力など、実際のビジネスの現場で求められる力を養うことができます。こうした学びを通じて、「アイデアを考える」だけでなく、「人に伝え、納得してもらい、実行につなげる力」を実践的に身につけることができます。
担当教員の太場次一教授は、起業家であるとともに大手企業のWebインテグレーションなどを手掛けてきた経験をもとに、大学で起業家精神を学ぶ意味について学生に指導しています。授業の様子については参考記事(インタビュー)をご覧ください。
▼参考記事はこちら:
https://note.com/dhu/n/n87cfbad6ce20

事例4:クリエイターとして事業を展開する学生・卒業生(NOAH NAME)
DHUでは、個人のクリエイティブ活動をきっかけに、実際のビジネスへと発展させている学生・卒業生もいます。
たとえば、映像配信チーム「NOAH NAME」の代表である吉田隆史さんは、在学中にチームを立ち上げ、2022年には株式会社として法人化しました。現在では、DHUの在学生や卒業生も多数所属する映像制作チームとして活動を広げています。
オープンキャンパスでは、吉田さん自身が登壇し、生配信の現場について解説を行っています。配信では、複数のカメラ映像を切り替えるスイッチャーや、音声・映像を管理するマスターなど、実際の現場で必要となる役割について説明されました。さらに、実際に使用された機材に触れる体験の時間も設けられ、参加者が「映像配信の仕事」を具体的にイメージできる機会となっています。
このように、「好きなこと・得意なこと」を起点に活動を広げ、それをビジネスとして成立させていく流れも、アントレプレナーシップのひとつの形です。 高校生の段階でも、動画制作や配信、SNS発信などを通じて、自分の表現を社会に届けることは可能です。そうした経験の積み重ねが、将来の仕事や事業へとつながっていきます。

まとめ
デジタルハリウッド大学では、実際に「やってみる」経験を通じて、アントレプレナーシップを身につけていきます。授業で学び、仲間と出会い、社会とつながりながら、自分のアイデアを形にしていく。その一連の流れを、在学中から経験できる環境があります。
大切なのは、「起業するかどうか」ではありません。自分の考えを形にし、誰かに届ける力を持つこと。その力は、どんな進路を選んでも、これからの時代を生きていくうえで大きな武器になります。
アントレプレナーとは、「特別な人」ではなく、「行動できる人」のことです。完璧な準備ができてから始めるのではなく、小さくてもいいから動いてみる。その積み重ねが、新しい価値を生み出す力につながっていきます。
- ビジネスとクリエイティブを横断した教育
- 実践重視のカリキュラム
- 現役プロから学べる環境
という、デジタルハリウッド大学の学びの特色が、あなたの可能性を広げる第一歩になることを願っています。





