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アントレプレナーとは?定義やなるために必要なスキル

起業に関心を持つ人であれば、一度は聞いたことがあるはずの「アントレプレナー」という言葉。一般的には「起業家」という意味で使われることが多いものの、実際にその言葉が意味するところはそれだけではありません。この記事では、今を生きる私たち一人ひとりが学ぶべき概念「アントレプレナー」について説明していきます。

<目次>

1. アントレプレナーとは?

アントレプレナーとは、一般的には「ゼロから会社や事業を創り出す人」(起業家)のこと。ここから派生した言葉である「アントレプレナーシップ」は「起業家精神」、つまり自分でゼロから事業を起こそうとする精神を意味します。

ただしこの言葉には幅広い解釈があります。ハーバード・ビジネススクールのハワード・スティーブンソン教授によると、アントレプレナーシップとは「コントロール可能な資源を超越して機会を追求すること」。何か新しいコトを立ち上げる際に、資源が足りているということは滅多にありません。だからこそ創造性を駆使して果敢にチャレンジしていくことが必要で、その姿勢や能力を持つのがアントレプレナーであると説明しています。

多くの学者により繰り返し定義されているアントレプレナーという言葉。それは単に起業家という一つの職業を表すのではなく、ビジネスの領域に限定されないあらゆる人間活動に適用される概念として、現代を生きる人々に学び続けられている重要なキーワードと言えます。

2. アントレプレナーの語源と類語

アントレプレナーの語源

アントレプレナーの語源はフランス語の「entrepreneur」です。東西貿易が盛んだった13世紀に動詞の「entreprendre」(始める、企てる)から派生した言葉で、当時は「仲買人」「貿易商」を意味する言葉でした。

その後フランスの経済学者リチャード・カンティヨンが、18世紀に出現した新しい産業の担い手をアントレプレナーと呼びました。そして有名な経済学者のヨーゼフ・シュンペーターやピーター・ドラッカーが著書の中で経済的用語として定義し、1980年代以降にその概念が一般に広がったと言われています。

アントレプレナーとイントレプレナーの違い

イントレプレナーとは「社内起業家」のこと。自分で会社や事業を起こす人をアントレプレナーという一方、会社員でありながらも起業家的に事業創造に挑戦する人のことをイントレプレナーと呼んでいます。

既存のビジネスを運用するだけでなく、新たなものを開拓して果敢に挑戦できる起業家精神を持ち合わせた人材は、会社にとっても重要な役割を担う極めて貴重な存在です。経営陣や他部署などの周囲の協力を得ることが不可欠のため、調整力が求められることがイントレプレナーの特徴です。

アントレプレナーとインフォプレナーの違い

インフォプレナーとは、インフォメーションとアントレプレナーをつないだ造語で「情報起業家」のことです。自分自身あるいは自社の成功ノウハウを、情報商材として販売する個人や企業経営者を指します。

アメリカ発祥のビジネススタイルで、2001年に大前研一氏が著書で紹介したことから日本でも広まりました。当初は電子書籍やCD、DVDを通じた販売が主流でしたが、近年ではオンラインサロンなどを介した教材販売を通じて事業を展開するインフォプレナーが多いです。

シリアルアントレプレナーとは

シリアルアントレプレナーとは「連続的な」という意味を持つシリアル(serial)をアントレプレナーにつなげた言葉で、日本では「連続起業家」と訳されます。

事業を軌道に乗せた後に売却して別の事業を立ち上げるなど、新しい事業を何度も立ち上げる起業家のことを指します。アメリカなどの起業先進国では事業が失敗した場合の金銭的リスクが小さいことなどから、日本と比較して多くのシリアルアントレプレナーが活躍していると言われています。

3. アントレプレナーが求められる歴史的背景

1990年代以降、日本においてもアントレプレナーの存在が注目され、人材育成の必要性が頻繁に言及されるようになりました。なぜアントレプレナーが求められるようになったのか、その歴史的背景について説明します。

日本的経営の変革

1970~80年代に飛躍的な経済成長を遂げた日本の大企業。その要因として指摘されるのが、終身雇用、企業別組合、年功制といった特徴を持つ「日本的経営」です。当時これは最も優れた方式として世界からも注目されていましたが、情報化社会の到来やバブル崩壊とともに限界を迎えました。

これまでのように企業がずっと従業員の面倒を見ていくことは難しくなり、むしろ主体的に自ら事業を生み出すアントレプレナーの存在を求めるようになりました。受け身で真面目に働く人材よりも、逆境の中で果敢にチャレンジする人材が評価される時代へと変化していったのです。

新たなビジネスの創出

90年代以降、長く続いている日本の経済停滞。この状況の中で、アントレプレナーによる新たなビジネス創出が強く期待されています。

AIやIoT、ブロックチェーンなどの新たなテクノロジーが続々と登場するなどビジネス環境が劇的に変化している今、既存のセオリーに沿うだけでは生き残ることができません。さらに消費者ニーズの多様化に伴い製品やサービスのライフサイクルが短くなっていることから、より速いスピードのビジネス創出が求められます。

変化の波を上手く乗りこなしてイノベーションを創出するアントレプレナーシップこそが、今求められているのです。

グローバル化

90年代以降、インターネットの発展とともに世界はグローバル時代へと突入しました。世界中どこにいても誰とでもつながることができるこの時代、ビジネスの競争相手は海外の企業です。

ところが日本は、諸外国と比較してイノベーションを起こす力が不足していると言われています。ボストン・コンサルティング・グループの2019年の調査では、最もイノベーションに優れるとされた50社の企業のうちランクインした日本企業はわずか2社。スイスのビジネススクールIMDによる「世界競争力ランキング」においても、1992年まで首位にいたにもかかわらず2020年度は過去最低の34位となってしまいました。

国際的な競争力を高めるためにも、日本におけるアントレプレナー型人材の育成は必須と言えます。

コロナウイルスによる社会変動

2020年の新型コロナウイルス感染拡大により、世界の状況は一変しました。新しい生活様式が生まれるとともに、ビジネスにおいてもデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進が進むなどの抜本的な変化が起こっています。

こうした逆境の中でも、チャンスを見出し果敢にチャレンジしていくのがアントレプレナーです。既存の常識や価値観を越えて、イノベーションを創出できる人材の価値がより高まっているのです。

4. アントレプレナーに求められるスキル

マネジメント力とリーダーシップ

ビジネスの創出は、当然ながら一人ではできません。チームの仲間やビジネスパートナーなど多様な価値観を持った多くの人々と関わり合いながら展開していくものです。

そのためアントレプレナーにとってはリーダーとしての資質を発揮し、人々をまとめて率いていく力が極めて重要です。ゴールに向けたビジョンを力強く示し、異なる意見や人間性を理解しながら合意形成を進めていく的確なマネジメント力が求められます。

クリエイティビティ

アントレプレナーに求められるクリエイティビティとしてイメージされるのは、独創的なビジネスアイディアを生み出す企画力ではないでしょうか。ただし重要なのはそれだけではなく、ビジネスチャンスの捉え方、経営資源の動かし方における創造性などもその中に含まれます。

変化の激しい時代において、いかに人々に求められているものを的確に察知するか。そして、どのように資源を有効に活用しながら行動を起こしていくのか。それらの問いを持ち、トライアンドエラーを繰り返し創造性を豊かにしていくことがていくことがアントレプレナーに求められます。

コミュニケーション力とネットワーク構築力

限られたリソースを最大限に活かしてビジネスを成功させるには、人脈・ネットワークを構築する力が大変重要です。優秀なパートナーとのつながりが新たな視点を生み、ビジネスを成功へと導きます。

その上では、誠実なコミュニケーションを積み重ねて信頼を構築することが何より重要です。さらに人を惹きつけるプレゼン力を身につけることで、共感の輪を広げてより多くのパートナーとつながることができるでしょう。

ポジティブシンキング

リスクに直面しても悲観的になるのではなく、常に前向きに解決策を考えられるスキルが求められます。事業を起こすことは未知への挑戦で、恐れや不安といったネガティブな感情に囚われすぎると先に進むことさえ困難になるからです。

とはいえ自分の力を過信するのではなく、現実をありのままに直視することが重要です。その上で、最適な解決策を検討して行動を起こしていくことがアントレプレナーとしての資質を高めます。

責任能力

責任能力とは一般的に、自ら行動について責任を負うことのできる能力のことです。アントレプレナーは新しい道を切り開いていく仕事ですから、予測できないさまざまな壁にぶつかることがあるでしょう。その時に誰かのせいにしていては次のステップに進むことができません。

うまくいかないと他人のせいにする依存型ではなく、自分の責任であると考える自立型の考え方を身につけることが、リーダーとしての信頼を集めビジョンの達成へとつながります。

未来を描く力

目先の利益だけを考えるのではなく、未来のビジョンを描く力はアントレプレナーにとって欠かせません。何を成し遂げたいのかという自分のゴールを具体的に描くことで、アクションプランが明確になり事業を進めることができるからです。

力強いビジョンは人々の共感を集めます。共通の目的意識に向かって行動する仲間を増やすことができると、より大きな力となって事業の発展へとつながるでしょう。

志と課題解決力

未来を描く力とも関連しますが、誰かの問題を解決したいという「志」がアントレプレナーにとって非常に重要です。貧困、教育、格差、環境など、世界は解決しなければならないさまざまな社会課題にあふれています。近年はSDGs(Sustainable Development Goals)という共通の開発目標が掲げられるほど、社会課題は深刻で待ったなしの状況です。

その視点を持たずに事業を発展させることは難しく、「誰の、どんな問題を解決したいのか」を自らの原体験をもとに考えることがアントレプレナーとしての出発点になるかもしれません。

5. アントレプレナーを学ぶには?

アントレプレナーを目指す方が学べる機会は多くあります。さまざまな起業に関連した書籍、セミナー、オンライン講座などがあり、どこから学ぶべきか迷ってしまうかもしれませんが、アントレプレナーを目指すのであれば、ビジネスの作り方を具体的に学ぶより先にまずはアントレプレナーシップの本質を学んでみてはいかがでしょうか。

書籍としては、前述のヨーゼフ・シュンペーターやピーター・ドラッカーなどの経済学者による書籍が代表的です。ただ初心者には難解に感じるかもしれませんので、本質をわかりやすく解説した書籍がおすすめです。起業家のバイブルとして愛読されている福島正伸氏の「アントレプレナーになろう!会社の元気はメンターがつくる」をはじめ、さまざまな書籍がありますのでぜひ参考にしてみてください。

高校生の方は、アントレプレナー育成を強化している大学への進学も良い選択肢です。アントレプレナーシップはもちろん、ビジネスやマーケティングの基礎知識、ゼミやインターンシップを通じた実践的な学びを総合的に得ることができます。そうしたカリキュラムを経て、在学中や卒業後にアントレプレナーになる方も少なくありません。

6. DHUでのアントレプレナーの学び

デジタルハリウッド大学デジタルコミュニケーション学部でも、アントレプレナーシップを総合的に学ぶことができます。デジタルを活用した新しいコンテンツビジネスの創出を目標に、アカウンティング・マーケティング・広告・広報・経営・PR・プランニングなど、アントレプレナーに必要なスキルと知識を実践的に学んでいくカリキュラムです。

特徴は、指導する教員が第一線で活躍中の経営者やプロデューサーが中心であること。ビジネスの今を知る教員が実体験をもとに直接指導するだけでなく、投資家へのプレゼンテーションを想定して行う授業や、模擬店の経営、イベントの企画・運営を行う機会があり、実践力を高められます。さらにWebなどのコンテンツ制作手法、インターネットマーケティングも習得でき、これからの時代を見据えたビジネス創出を学べます。

DHUカリキュラムの詳細はこちら:https://www.dhw.ac.jp/faculty/business/

その結果、経済産業省が毎年調査・公表している「産業技術調査(大学発ベンチャー実施等調査)」で、デジタルハリウッド大学が「2020年度大学発ベンチャー企業数」において全国12位となりました。大学発ベンチャーとは、大学に潜在する研究成果を掘り起こし、新規性の高い製品により、新市場の創出を目指す「イノベーションの担い手」として高く期待されるものです。本学は在籍者数1000余人の小規模大学ながら、全国12位(私立大学では3位)にランクインしています。

大学発ベンチャーの詳細はこちら:https://www.meti.go.jp/policy/innovation_corp/start-ups/start-ups.html

7. まとめ

テクノロジーの進化や、コロナウイルスの感染拡大によって劇的に変化している現代社会。変化のスピードは刻々と速まり、この状況に私たちは適応しながら生きていかねばなりません。その中で重要となるのが、アントレプレナーの概念です。起業するしないにかかわらず私たち一人ひとりがアントレプレナーシップを身につけることこそが、未来を生き抜く力につながるのではないでしょうか。

デジタルハリウッド大学の学びの特色

企画経営やマーケティング、広告、広報・PR等を学び新たなコンテンツビジネスを創出する

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