プロンプトとは?意味や種類、使い方などを分かりやすく解説!

はじめに
人工知能や機械学習の進歩によって、さまざまなサービスやツールが日常に溶け込みつつあります。とりわけ、ChatGPTをはじめとする文章生成AIや、Stable Diffusionなどに代表される画像生成AIが、ビジネスや教育の場面でも活用されはじめています。
それらのAIを上手に活用するために大切な要素が「プロンプト」です。AIに適切な指示を与えることができれば、私たちの求める情報やアイデア、クリエイティブを得られる一方で、適切な指示を与えることができなければ、期待した成果や効果は得られません。
本記事ではプロンプトの基本的な意味や種類、効果的な作り方、さらにプロンプトエンジニアリング(Prompt Engineering)という学問分野や、学びの場としてのデジタルハリウッド大学の情報をまとめてご紹介します。高校生やその保護者の方にも理解しやすい内容を心がけていますので、ぜひ進路選びや学習の参考にしてみてください。
<目次>
プロンプトとは?

プロンプトとは、AIやコンピュータに与える「指示文」「入力文」「質問文」などの総称です。最近では、文章生成AIや画像生成AIにどのようなアウトプットをしてほしいかを伝えるためのキーワードや文章を指して「プロンプト」と呼ぶケースが増えています。
たとえばChatGPTに「理想的な学習スケジュールを考えて」と入力すれば、AIがそれに応じた提案を返してくれます。このときの「理想的な学習スケジュールを考えて」という文がプロンプトにあたります。 プロンプトはAIにとっての道しるべであり、曖昧な指示よりも具体的で正確な指示の方が、より適切な結果や答えを得られる傾向があります。これは、人間でも曖昧な依頼よりも明確に「いつまでに」「どんな形式で」「何のために」といった要件が提示される方が仕事を進めやすいのと似ています。
画像生成AIの例を挙げると、MidjourneyやStable Diffusion、DALL·Eなどが有名です。「夜空に浮かぶ幻想的な街」「未来的なロボットのイラスト」など、どんな絵を生成してほしいか明確に伝えることで、AIがそのイメージに近い出力を返してくれます。こうしたプロンプトの設定は、AIを使う上で非常に重要なステップになっており、初心者からプロまで共通の関心事と言えるでしょう。
近年では自然言語処理分野の進歩により、文章形式のプロンプトでもかなり高精度な応答が得られるようになりました。これによって専門知識のない人でも簡単に高度なAI技術を活用できるようになり、教育、ビジネス、クリエイティブなど幅広い領域で利用が広がっています。
プロンプトの作成に必要な要素
プロンプトを作成する際、目的を明確にし、必要な情報を過不足なく伝えることが大切です。
たとえば文章生成AIに対しては「何について知りたいのか」「どんな形式が望ましいのか」を具体的に示すことで、適切な回答を得やすくなります。あいまいな指示では、AIもどこに焦点を当てればよいのかわからず、不十分な結果になることが多いでしょう。
加えて、どのようなトーンや文体が望ましいかを明示することも有効です。たとえばビジネス向けの文章では「丁寧でフォーマルな文体で書いてほしい」、小説的な文章なら「感情描写を豊かにしてほしい」といった具合に、具体的な要望を伝えます。これは画像生成でも同様で、「手描き風」「ファンタジー調」「写真のようにリアル」などのスタイルを指定すれば、AIがよりイメージに近い作品を返すことが期待できます。
さらに、必要に応じて条件を追加するのも大切です。文章や画像の長さ、使ってほしいキーワードの指定、除外してほしい要素などを伝えることで、AIが返すアウトプットを狙い通りに絞りこむことができます。
たとえば「300字程度の短い要約を作って」「文献名を引用形式で含めて」と指示すれば、長大な文章よりも要点をまとめた簡潔な結果になり、具体的な文献情報も含まれるでしょう。
こうした要素を踏まえると、プロンプト作成のコツは「文章の目的」「対象読者」「文体やスタイル」「具体的な条件」の四つをしっかり整理することにあります。あらかじめ何を目指すのか明確にしておけば、AIが提示する回答の有用性が格段に向上します。
引用元としては、AI専門の学習サイトでもプロンプトのつくり方に関するガイドが数多く紹介されていますので、より詳しく学びたい方はぜひ調べてみてください。
(参考: https://www.skillupai.com/blog/ai-knowledge/about-prompt-engineer/)
プロンプトの種類について
プロンプトは用途や目的によって、さまざまな形式や種類に分類できます。大まかに例を挙げると、質問型と命令型、条件設定型などが代表的です。
質問型のプロンプトは「どうしたら効率的に勉強できますか」「この問題の解法をステップごとに教えてください」といった形で、情報を得ることを主目的とします。
命令型では「与えられた文章を要約してください」「ビジネスメールの文章例を書いてください」といった指示が中心で、具体的なアウトプットを依頼します。
条件設定型のプロンプトは、いくつかの制約や条件を付けた上で回答を得たいときに役立ちます。たとえば「500字以内で」「高校生にわかりやすい表現で」「最新の研究動向を踏まえて」など、複数の要望を含めることで、回答を絞りこむわけです。これにより、一般的な情報とは異なる、より目的に沿った内容を得られます。
画像生成AIにおけるプロンプトでは、指示内容がビジュアル面に特化します。「手描き風イラストで、幻想的なドラゴンを描いて」「カメラで撮影したようなリアルな風景を、夕暮れ時の色調で」など、どういうテイストや構図を狙うのかを細かく指定するのが特徴です。キーワードを増やしたり、不要な要素を除外する指定を入れたりと、さまざまな工夫が求められます。(参考: https://type.jp/et/feature/23357/)
これらの種類を把握することで、AIの得意とする領域や特徴を引き出しやすくなります。文章生成でも画像生成でも、プロンプトの書き方ひとつで結果が大きく変わるため、使い分けを身につけることが大切です。自分が欲しい出力のイメージを具体的に思い描き、それを言語化する力が問われるため、普段からさまざまなプロンプトを試しながら工夫を重ねることが上達の近道になります。
プロンプトを使用する仕事”プロンプトエンジニアリング”

近年、AIの普及とともに「プロンプトエンジニアリング」という職業が注目を集めています。これは、AIに与える指示を洗練させ、最適なアウトプットを導くための技術やノウハウを持った専門家を指します。AIのモデルによって最適なプロンプトの作り方が異なるため、単にAIの動作を知っているだけでなく、各サービスや用途に合わせて適切な指示を設計する能力が求められます。
プロンプトエンジニアは、企業のシステム開発やコンテンツ制作、研究開発など多岐にわたる場面で活躍しています。たとえばチャットボットの精度を高めるために、ユーザーが入力しそうな質問に対してどのようなプロンプトを使ってAIに回答させるかを考えたり、新製品のアイデア出しで画像生成AIを駆使するときに、より魅力的な画像を生成するための指示文を構築したりします。
また、プロンプトエンジニアはディレクション力やコミュニケーション能力も重要です。クライアントの要望やプロジェクトの目的をヒアリングし、それをAIが理解できる形に翻訳する作業が欠かせません。
技術的には高度な自然言語処理の知識が関わりますが、ゴールとしては「より質の高い成果物を引き出す」ことになります。今後AIの活用がさらに進むにつれ、プロンプトエンジニアリングの需要はますます高まると予想されます。
実際に海外のテック企業などでは、AIに対してどうプロンプトを与えれば開発効率を上げられるかを専門的に研究している部署も存在します。日本国内でも企業や研究機関がプロンプトの開発に注目しはじめており、ビジネスや学術の場で欠かせない知識になりつつあります。AIを効果的に操る「要」として、プロンプトエンジニアリングのスキルを身につけることは将来のキャリア形成において大きなプラスになるでしょう。
プロンプトを学ぶなら”デジタルハリウッド大学”
AIやプロンプトの知識を本格的に学びたい、あるいは将来プロンプトエンジニアとして活躍したいと考えている方にとって、デジタルハリウッド大学は注目すべき選択肢です。デジタルハリウッド大学はデジタルコンテンツと企画コミュニケーションを横断的に学べる学校ですが、AIやプログラミング、データサイエンス領域における教育研究活動に長年注力してきました。
例えば、データサイエンス人材育成の第一人者である橋本大也教授は、ビッグデータと人工知能の技術ベンチャー企業「データセクション株式会社」の創業者であり、2000年代からデジタルハリウッド大学をはじめとする教育とITの領域でイノベーションを追求しています。2022年11月のChatGPTの一般公開を受けて、生成AIに関する執筆・講演活動が殺到し、2024年1月からは生成AIの活用法を教える「プロンプトエンジニアリングマスターコース」を創設しました。

続いて、白井暁彦教授についてご紹介します。白井教授は画像生成AIの分野を中心に、AI技術を活用したクリエイティブな作品の生成に関する研究と教育に注力しています。
白井教授が立ち上げたAICU Inc.では、クリエイティブAI分野におけるリーディングメディアとして、AI技術に関する最新情報や解説記事を提供したり、生成AIに関する勉強会やワークショップを開催しています。
2024年3月には『画像生成AI Stable Diffusion スタートガイド』を出版。画像生成AIの一つであるStable Diffusionを導入・体験するための入門書で、プログラミングの知識がなくても、AIを使った画像生成を体験できるようにサポートしています。

このように、デジタルハリウッド大学では、新しいテクノロジーの可能性を理解し、実務で使えるレベルまで引き上げる実務家教員たちがカリキュラムを支えています。産学連携や海外企業との交流を通じて、最先端のトレンドを学ぶ機会にも恵まれているため、卒業後にデジタル産業界の第一線で活躍する道も広く開かれています。
AIについての理解を深めたい方、データ解析を実務レベルで身につけたい方、クリエイティブとテクノロジーを掛け合わせる新しい職種に興味のある方には魅力的な環境と言えるでしょう。デジタルハリウッド大学では定期的にオープンキャンパスや大学説明会を開催しているので、興味がある方はぜひ一度参加してみてください。
まとめ
ここまで、プロンプトの基礎知識や活用方法、そして仕事としてのプロンプトエンジニアリングについて解説してきました。
AIやデジタル技術の発展が進む中、プロンプトというキーワードは今後さらに注目を集めるでしょう。適切なプロンプトを設計し、AIを上手に活用できる人材は、多様な産業分野で求められる存在となりつつあります。 高校生や保護者の方々にとっては、こうした新しい分野の学びがどのように将来につながるのかが気になるところではないでしょうか。
デジタルハリウッド大学のように、幅広い視点と実践的なスキルを同時に身につけられる環境を選ぶことで、プロンプトエンジニアや関連するデジタル産業の専門家としての第一歩を踏み出すことができます。
進学やキャリアを考える上で、今後AIの進化は避けて通れない大きな流れです。より良い未来を作るために、ぜひプロンプトとAIを活用するスキルを身につけてみてください。