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メディアアートとは?表現手法・有名な作品などを紹介!

近年耳にする機会が増えた「メディアアート」という言葉。ライブコンサートのようなエンターテイメント領域との相性が良く、美術館以外の場所でも体験できる機会が増えつつあるジャンルです。一方、耳にする機会が多い割にその定義などについては分かりづらいこともあるのではないでしょうか?

この記事では「メディアアート」とは何かという定義から、「メディアアート」の体験や学べる場所までをご紹介します。

<目次>

1. メディアアートとは?

「メディアアート」とは、コンピューターや電子機器といった新しいテクノロジーを利用するアートを総称する言葉として使われています。絵画や彫刻のような伝統的な媒体 (メディア) に対して、新しい媒体を用いた「ニューメディアアート」という位置づけです。ただし、現在進行形の芸術動向であり、厳密な定義が設定されているわけではありません。

1960年代末から70年代初頭に科学技術と芸術を融合する試みが行われ始め、この時期がメディアアートの歴史におけるひとつの原点です。「ニューメディアアート」という言葉は、1994年にアメリカの主要メディア関連会社がデジタル・テクノロジーを用いた作品を「ニューメディアアート」と呼んだ所から始まったと言われています。

2. メディアアートの表現手法は?

インタラクティブアート

「呼応するランプの森 – ワンストローク, Fire on Ice」 / チームラボ 観客が近づくことによって色が変化するインタラクティブアート

観客の動きによって作品に何らかの変化を生じさせる、観客参加型の作品です。「インタラクティブ」は「双方向」の意味を持ちます。例えば、センサーで観客の動きを読み取って映像が変化する作品などが挙げられます。

インターネットアート

インターネット上で閲覧するラファエル・ローゼンダールの作品群

インターネットを主要なメディアとして展開するアート作品です。例えば、ブラウザで閲覧・参加することのできるインタラクティブな作品や、電子メールを活用したアート、オンラインで鑑賞可能なビデオ・オーディオ作品などがあります。

インスタレーションアート

「物化する地平線」/ 落合陽一 透過ディスプレイを用い会場から見える風景も含め、空間をまるごと取り入れたインスタレーションアート

展示空間全体をひとつの作品とする作品です。メディアアートに限った手法ではありませんが、映像や音、光を扱うことの多いメディアアートは効果的な鑑賞体験を与えられるため、相性の良い表現手段と言えるでしょう。プロジェクションを使って会場全体を変容させる作品や、音を使った「サウンド・インスタレーション」作品などがあります。

VR(仮想現実)アート

「border」/ Rhizomatiks Research 現実のステージとAR/VRを組み合わせたダンスパフォーマンス作品

VRは仮想現実とも呼ばれ、仮想世界を現実世界のように体験できる技術です。鑑賞者は仮想空間に没入し、時に仮想空間とインタラクティブに作用して現実ではできない体験をしたり、感覚を感じたりすることが出来ます。AR(拡張現実)、MR(複合現実)、SR(代替現実)といった隣接する技術領域や、それらを組み合わせたXRによる表現も試みられ、新たな可能性を感じさせる分野です。

3. 世界を牽引!日本のメディアアーティスト

世界に衝撃を与えている日本のクリエイティブは様々ありますが、その中でも近年勢いがあり、特に注目を集めているのはメディアアートの領域です。
https://www.dhw.ac.jp/faculty/media/howtobe/
世界を牽引する日本の代表的なメディアアーティストたちを見てみましょう。

岩井俊雄

「マシュマロスコープ」/ 岩井俊雄 リアルタイムの映像を変化させて見せるインタラクティブな作品

「日本のメディアアートの第一人者」とも呼ばれる人物。1990年代〜2000年代にかけて、インタラクティブな作品やアナログとデジタルを組み合わせた作品を発表してきました。電子楽器の「テノリオン」やコンピューターゲームの「オトッキー」の発表など、企業とコラボレーションした製品も発表。テレビ番組「ウゴウゴルーガ」のコンピューター・グラフィックス・システム制作やキャラクターデザインを手がけたことでも有名です。

八谷和彦

「視聴覚交換マシン」 / 八谷和彦 相手の視覚と聴覚を自分のものと交換する装置

ヘッドマウントディスプレイを用いて相手の視覚と聴覚を自分のものと交換する「視聴覚交換マシン」(1993年)など、その後のコミュニケーションの在り方を予見するような作品を発表してきました。メールソフト「ポストペット」の開発者としても有名。現在は「風の谷のナウシカ」に登場する架空の小型飛行用装置「メーヴェ」をモチーフに、飛行可能な一人乗り飛行機をつくるプロジェクト「OpenSky」を展開しています。

ライゾマティクス

「discrete figures」/ ELEVENPLAY×Rhizomatiks Research×Kyle McDonald 身体表現とドローンやAI、機械学習といった技術を組み合わせたダンスパフォーマンス作品

2006年に真鍋大度、石橋素、齋藤精一、千葉秀憲らによって設立されたクリエイティブ集団。ビジュアルアーティスト、デザイナー、エンジニア、プログラマーと、様々なクリエイターから構成されています。Perfumeのライブステージや2016年のリオオリンピック閉会式でのフラッグハンドオーバーセレモニーなどのメディアアートとエンターテインメントを融合させた演出で、アートファンのみならず幅広くその名が知られました。

チームラボ

インタラクティブなインスタレーション作品が多数展開される「チームラボボーダレス」の会場風景

最新のテクノロジーを活用したシステムやデジタルコンテンツの開発を行うウルトラテクノロジスト集団。アーティスト、プログラマ、エンジニア、CGアニメーター、数学者など、様々な分野の専門家から構成されています。「チームラボボーダレス」のような専用の展示スペースや、日本各地のイベントで、没入感のあるインタラクティブなデジタルアートを発表しており、大人から子どもまで広く人気です。

エキソニモ

「The Kiss」 / エキソニモ 2つの巨大なディスプレイの映像を組み合わせてキスをしているように見せたモニュメンタルな作品

1996年に結成された、千房けん輔と赤岩やえによるアートユニット。インターネット黎明期よりインターネットアートを手がけてきました。現在は実空間も含め、様々なメディアを横断する作品を発表しています。

落合陽一

「Fairy Lights in Femtoseconds」 / 落合陽一 フェムト秒レーザーによる空気のプラズマ化で空中に触れる光の像を描き出す

筑波大学図書館情報メディア系准教授であり、メディアアーティスト、写真家と、幅広い領域で活躍。「デジタル・ネイチャー」(人・モノ・自然・計算機・データが接続され脱構築された新しい自然)をビジョンとして提示し、作品を発表。空中に触れる光のパターンを描き出す作品「Fairy Lights in Femtoseconds」などの作品を発表してきたほか、近年はデジタル映像作品をNFTとして製作しています。

4. 海外のメディアアーティスト

ナム・ジュン・パイク

「Electronic Superhighway: Continental U.S., Alaska, Hawaii」/ ナム・ジュン・パイク

1932年韓国生まれ(2006年没)のアーティスト。世界で初めてテレビモニターを用いたインスタレーション作品を発表し、「ヴィデオ・アートの父」とも呼ばれています。1960年代には、様々な分野のアーティストの国際的なネットワークである「フルクサス」の中心メンバーとして、国境と分野を越えた活動を展開していました。

ラファエル・ローゼンダール

タイムズ・スクエアで上映された「much better than this .com」/ ラファエル・ローゼンダール

1980年オランダ生まれ、米国在住。インターネット・アートの代表的存在として知られるアーティストです。2000年より、プログラム映像とインタラクションを自身のウェブサイトで発表。さらに、ドメイン名も含めた自身のウェブサイト全体を作品として制作しつづけています。2015年には、ニューヨークにあるタイムズ・スクエアの電光掲示板を使った「much better than this .com」というインスタレーションを展開し、話題となりました。

5. メディアアートはどこで体験できる?

近年は各地の展覧会でメディア・アートの作品を目にする機会も増えましたが、メディアアートに特化して展示を行っている施設もあります。東京の初台にある「NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]」は、「メディアアート」という言葉が現在ほど定着していなかった1997年から、継続してメディアアートを常設展示。また、山口県にある「山口情報芸術センター(YCAM)」も、2003年からメディア・テクノロジーを用いた新しい表現の探求を軸に活動を行い、展覧会や公演、映画上映など、多彩なイベントを開催してきました。

チームラボの作品は「チームラボボーダレス」や「チームラボプラネッツ」といった専用施設で常設体験することが可能です。

また、常設の展示ではありませんが都内で毎年開催される「Media Ambition Tokyo」では、最先端のメディアアート作品に触れることができます。

6. メディアアートを学びたいなら?

デジタルハリウッド大学でメディアアートを学ぼう

メディアアートを学ぶ場所としては大学や専門学校が挙げられます。中でも「デジタルハリウッド大学」は、「デザイン概論」や「デザイン史」のような表現方法を学ぶ科目から、「ゲーム開発演習」といった実技科目まで幅広く学べる大学です。こうした授業を通じ、いまだ世の中に登場していないメディア表現やコンテンツを研究し、創造、開発していきます。

特に「メディアアート」の科目では、メディアアーティストとして第一線で活躍する落合陽一氏を教授として迎え、アイデアの発想法からコンピュータプログラミングの基礎を学習。制作した作品を展示する展覧会も開催し、実践的にメディアアートを学ぶことが可能です。

最先端テクノロジーの知識とスキルを身につけるだけではなく、ビジネスやリベラルアーツも複合的に学べるのは、この大学ならではの魅力。世界を驚かせる表現を追求するための豊富な知識と高い視座を身につけられるでしょう。

学生のメディアアート作品

「メディアアート」の授業を通じて制作した作品は、成果発表展示会で一般に公開されます。デジタルハリウッド大学での学びを通じて制作された作品の一部を見てみましょう。

「無意識差別」 / 平松 玲奈
ネイル=「女性」、坊主頭=「男性」といった無意識な差別意識への自覚を促すコンセプチュアルアート作品。写真、映像、テキストと複数のメディアを組み合わせた表現を行っています。DIGITAL FRONTIER GRAND PRIX 2021 ベストアートディレクション賞受賞作品。

「Obsession」 / 川口 萌花
タイトルの「Obsession」は「強迫観念に取り憑かれる」という意味。「人が大勢いる環境から自分ひとりになった瞬間に感じる不安」といった個人的な感覚を、インタラクティブな空間演出によって鑑賞者に体験させる作品になっています。DIGITAL FRONTIER GRAND PRIX 2021 ベストアート賞受賞作品。

7. まとめ

常に新しいテクノロジーを取り入れつつ、アート作品として鑑賞者に新たなビジョンや感覚を提示する「メディアアート」。一般的にも幅広く認知され始め、作品を体験できる機会も増えてきました。世界を牽引するメディアアーティストたちも日本国内で登場しています。

エンターテインメントや広告領域との相性も良いメディアアートのアーティストたちは、これからますます活躍の場が広がっていくことでしょう。

デジタルハリウッド大学の学びの特色

VRやプロジェクションマッピングなど、新しいメディア表現やコンテンツを研究し、創造、開発する

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