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【開催レポート】起爆展プログラム説明会+特別講義開催「なんちゃってクリエイターからの卒業」

【開催レポート】起爆展プログラム説明会+特別講義開催「なんちゃってクリエイターからの卒業」

開催日時

2019年7月2日(火)19:20~21:00

場所

デジタルハリウッド大学 駿河台キャンパス
東京都千代田区神田駿河台4-6
御茶ノ水ソラシティ アカデミア 3階 駿河台ホール

レポート

デジタルハリウッド大学 2年  土屋 康祐

デジタルハリウッド大学では、7月2日に起爆展プログラム説明会+特別講座「なんちゃってクリエイターからの卒業」を開催しました。

講師を務めて下さったのは、前年に引き続き、今年も起爆展の講師を担当していただく博報堂プロダクツの熊谷周太氏です。本講座では、まず大学事務局の深澤より起爆展というプロジェクトの概要や理念について解説をした後、熊谷氏にこれからのクリエイターに求められるものづくりに対する考え方について、また昨年の起爆展ではどのようなことが行われていたかについて、昨年の起爆展に参加した先輩を交えて紹介していただきました。

起爆展プログラムについて

 そもそも今までのデジタルハリウッド大学には、学生が共通して参加するカリキュラムにおいて全身全霊でアウトプットを行う場所が、卒業制作しかありませんでした。起爆展とは、その現状を変え、大学の学びにおける折り返しである2年生に、自分の可能性を文字通り「起爆」してもらうためのプロジェクトです。参加者は、指定なし、あらゆるジャンルの企画を考え、講師の方から自分が提案した企画について徹底的に指導を受けた上で現時点でのアウトプットの限界を発揮します。

 本プロジェクトは、参加する人の熱意と、博報堂プロダクツのご協力で成り立っています。

「なんちゃってクリエイター」からの卒業

「ただものを作れるだけ」では、これから先では「なんちゃってクリエイター」止まりになってしまいます。以前の世の中では、「ものをつくること」自体が希少価値であったが、今はそうではありません。例を挙げるならスマートフォンでも動画を撮影、編集することができ、ツールを入手し利用することがだれでも手軽にできるようになってしまっています。つまり、「ただものをつくれるだけ」ではダメなのだと熊谷氏はおっしゃっていました。

 そうなった際、今の大学生は「どうやってつくるか」についての理解は深いものの、「なぜ」「なにを」つくるのかについて考える能力が弱い。製作スキルを持つということ以外に何をどうして作るのかということを自分自身の中で考えておくことが大切なのだそうです。

「クリエイターとして生きる」ということ

 大前提としてクリエイティブを仕事とする以上、その収入で食べていく必要があると熊谷氏はおっしゃっていました。自分が作るものが社会に価値を提供する、その代わりに報酬を得る。「ただものをつくれるだけ」の人が多いということは、それだけ「ただつくっただけのもの」の価値は下がっていきます。

クリエイターの中には、大まかに二つのバリエーションが存在します。人や社会のニーズに応える、課題解決力を持ったデザイナー型と、自らの作品が人や社会のニーズを生む、独自性を持ったアーティスト型。この二つは、それら両極端のみが存在するというわけではなく、その間に無数のグラデーションが存在しています。自分がどこを目指すのかということを考えて、必要なスキルや考え方を磨いていくことが大切であり、仕事をしていく中で、どちらのやり方で進んでいくか、どのようなスタンスで社会と関わって報酬を得ていきたいかを念頭に置いておくべきだそうです。

今業界内で起きている変化

 現在の広告、バナーなどは、グラフィック、写真、コピー、商品名などの以前のスタンダードには留まりません。例えば、冬場の六本木ヒルズにこたつを置き、そこで温かいお茶を飲んでもらうという体験をさせたり、inゼリーでは、「母校にinゼリー」と銘打って、運動部のOBをターゲットにした広告を行い、実際に母校にinゼリーを差し入れできる体験を行ったり、今までの形に拘らないプロモーションの形が出来上がっています。

 クリエイティブディレクター、アートディレクターは、コピーライターやグラフィックデザイナーをしていた人が歴任する場合が多いが、テクノロジーの爆発的な進化によって、プロモーションの方向性が多様化し、クリエイターに求められることが一気に拡大しているそうです。

 言葉や、平面のデザインに限らない、本質的な体験価値を定義して伝えるというプロモーションが必要だと熊谷氏はおっしゃっていました。

先人を超えたものづくりのやり方

 今まであったそれぞれのカテゴリが崩れて一つのプロモーションとして重なろうとしている中で、クリエイターに必要なのは能力を「深め」て「広げ」ること。

 「ウェブデザインができる」これを深めるとUX設計やアートディレクションに至る。さらにそこから能力を広げる。例えば、決まっているキービジュアルをどのように活かしてウェブを作るか、どのような素材が必要か、じゃあ写真を使おう、写真が欲しいとなったら写真を撮らなければならない、そうなったらカメラの勉強をしよう…というように。

UX設計はサービス企画に活きてきます。ここに来た人はどのように動いてくれるのかということを考えられるように。アートディレクションは空間演出に活きてきます。モニターの中の平面に限らず、その外側の空間を掛け合わせて生かすことができるように。

自分が作ったものをかけ合わせられるコンテンツをどんどん広げていく。つくるものを一つに絞るのではなく、ジャンルの領域を超えて考えていく力、考えたものを出力できるようになる力を磨くことが大切なのだそうです。

起爆展で得られる体験

 デジタルハリウッド大学で行われる起爆展というプロジェクトは、参加する学生が効果的に能力を「深め」、「広げ」ることができる場だと熊谷さんはおっしゃっていました。得意なことは活かすが、得意分野のみで作品を作らせない。「やりたいこと」を無理に得意分野に落とし込むのではなく、「やりたいこと」に最も適した手段は何なのかということを考えるそうです。画面やフレームの中だけの出来栄えを考えるのではなく、来場した人がどのような空間の中でどのように体験するのかを想像する。これらの考えを強化することで、自分の軸足を強化したうえで、できることをどんどん増やしていく。

 起爆展において、参加する学生はどこかで限界を超え、自分が今やっていることの一歩先を率先して行い、ルーティン化している作品作りに新陳代謝を起こすことが目的だそうです。

起爆展2018参加学生とのトークセッション

 前述の話を補足する形で、前年度の起爆展に参加した5人の先輩とのトークセッションが行われました。参加して下さった先輩は、阿部未季さん、川口萌花さん、片山俊汰さん、橘敏輝さん、平松レイナさんの5名でした。皆さんも、それまで主に学んでいた領域とは異なる領域から、それぞれの「やりたいこと」を突き詰めて作品制作をしていったそうです。

 先輩方は、「今までやっていなかった新たな領域でものをつくる素晴らしい機会になった」、「長い期間一つの企画を突き詰めて考えることで自分の強みと弱みを知ることができた。自分のクリエイターとしての性分を知ることができたのは大切なこと」「自分がつくったものが世の中の人々から見てイケてるのかどうかを考えることが大切、自分の見え方がすべてではない」など、自分たち制作を学ぶ学生にとって大切なことを起爆展から学んだとおっしゃっていました。

さいごに

 これからクリエイターとしての学びを深めるにあたって「なんちゃってクリエイター」止まりにならないということはとても大切だと感じました。大学でものをつくる方法を学び、その上で「なぜ」「なにを」という考え方を念頭に置いて、様々な領域でものをつくることができるようになっていきたいと思います。

   

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本気で夢を追うって
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これから先、諦めたくなる瞬間が
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もちろんおれにもくる

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だから、とにかく一歩踏み出す
その選択が正しいかなんて、
今の時点じゃ誰にも分かんないし

最終的に、自分の道は、
自分で選ぶしかないでしょ!

みんなを生きるな。
自分を生きよう。

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