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【開催レポート】起業・副業を考えている人必見!特別講義「税理士が教えるインボイス制度について」を実施しました

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【開催レポート】起業・副業を考えている人必見!特別講義「税理士が教えるインボイス制度について」を実施しました

日時

2023年9月22日(金)12:40〜14:10

場所

デジタルハリウッド大学駿河台ホール

起業家、フリーランス、副業者、それらの働き手と取引をする人、さまざまな人に関係するインボイス制度。

2023年10月1日の本制度のスタートを見据え、デジタルハリウッド大学では、特別講義「税理士が教えるインボイス制度について」を開講しました。

講師としてお招きしたのは、税理士の吉村 知子氏です。近い将来確定申告をする立場になる在学生向けに、確定申告に関する基本的なことや、インボイス制度によって誰にどんな影響があるかを解説いただきました。

起業や副業をしないと厳しい時代に

1つの仕事だけではゆとりのある生活を送るのが難しい世の中になり、現在政府が起業や副業を後押しする流れになっています。

たとえば、政府はスタートアップへの投資額を現在の8,000億円から10兆円に増やすことを2027年までの目標としています。また、厚生労働省は「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を発表しており、企業と働き手が安心して副業できるような環境整備に取り組んでいます。

政府が起業や副業を推進し、企業も副業に対して寛容になる中で、税理士事務所の所長である吉村氏のもとには、起業や副業に関する相談が増えているそうです。「確定申告はどうすれば良いのか」「どんなことをビジネスにすれば良いのか」など、さまざまな悩みが寄せられると言います。

そう話す吉村氏も5年前までは会社員でしたが、税理士資格の取得を機に税理士事務所を設立しました。

「会社員として働いていた12年間は、残業ばかりの日々。子どもには“ママは家族と仕事どっちが大事?”と言われて切なかったのですが、税理士になるための勉強を続けたおかげで独立できました。自分のペースで仕事ができるため、家族との時間が増え、子どもに寂しい思いをさせずに済む。また、自分の働きがそのまま稼ぎにつながることの喜びも知りました」

政府が起業や副業を推奨するほど、経済的に厳しい世の中になっているという現実を伝える一方で、自分に合った稼ぎ方をするのも、やりがいがあって楽しいということを、吉村氏は伝えました。

確定申告をする2つのメリット

本題であるインボイス制度を解説する前に、吉村氏は、事業所得を得た個人や法人が行う「確定申告」について触れました。

フリーランスや副業をしている個人の場合、1月1日から12月31日の期間における収支を計算し、所得税や消費税額を確定させ、税務署へ自己申告する必要があります。1年間の請求書や領収書を整理し、複雑な申告書を完成させて、納税までしなければならない。確定申告に対してネガティブな印象を持つ方もいるかもしれませんが、確定申告をすることで得られるメリットもあると、吉村氏は話します。

「所得(=売上−経費)が一定額を下回った事業者の場合、所得税額は0になり確定申告をする必要はありません。しかし、それでも手間をかけて確定申告をした方が良い理由が2つあります。まずは、赤字が生じた年度から最長3年間繰越ができ、翌年度の納付額を減らせるため。もうひとつの理由は、確定申告によって還付金が戻る可能性があるためです」

青色申告という方式を選んだ事業者の場合、仮に事業を始めた初年度が赤字で、翌年以降に黒字になったとしても、翌年の納付額が減額されます。

また確定申告をする人によっては、所得税額がマイナスになることも。取引先から1ヵ月ごとに報酬を受け取る際、その報酬額から源泉徴収をされることがありますが、確定申告をしたおかげで、1年間源泉徴収された額の一部または全額が自分の手元に戻ってくるのです。

吉村氏は「起業や副業、フリーランスを始めた人であれは、基本的に確定申告をするのがおすすめ」であると学生に伝えました。

インボイス制度による影響:発注者側

続いて、本題である消費税やインボイス制度について話題が移ります。

そもそも消費税は誰が納めるのか。個人や法人の事業者は、課税事業者か免税事業者に分けることができ、課税事業者が消費税を納める義務を負います。

では、インボイス制度によって何が変わるのか。たとえば、動画編集者のAさん(免税事業者)、制作会社のBさん(課税事業者)、制作会社のお客さんであるCさんがいるとします。

CさんがBさんに動画制作を依頼し、BさんがAさんと協力して動画を制作する。動画をCさんに納品したBさんは、Aさんに報酬100万円+消費税10万円を渡し、Cさんからは動画の対価として300万円+消費税30万円を受け取ります。

2023年9月まではAさん(免税事業者)の消費税納付額は0円で、受け取った消費税10万円はAさんの利益になります。一方、Bさん(課税事業者)の納税額は20万円。これは、仕入税額控除という仕組みから、Cさんから受け取った30万円からAさんに渡した10万円が差し引かれたことで算出された額です。

しかし10月以降はインボイス制度によって、免税事業者に渡した消費税については仕入税額控除ができなくなってしまいます。このケースの場合、Aさん(免税事業者)の消費税納付額は0円のままですが、Bさん(課税事業者)の納税額は30万円に増えてしまうのです。

インボイスによる影響:受注者側

課税事業者と免税事業者が取引した場合、インボイス制度によって課税事業者の負担が増えます。では一方で、受注者であるクリエイターにとって、インボイス制度はどんな影響を及ぼすのでしょうか。

まず免税事業者として事業を続ける場合、課税事業者である取引先からの仕事が減る可能性があります。適格請求書(インボイス)発行事業者に仕事を頼んだ方が、消費税の納付額を抑えられるからです。

「下請法などで、インボイス制度を理由に取引の停止や価格交渉をしてはならないことになっていますが、実際のところはどうなるか分かりません」と、吉村氏は法律が形骸化している可能性に触れました。

また、免税事業者だったクリエイターが課税事業者となって仕事を受注したい場合、新たな負担が発生します。

まずは、課税事業者(適格請求書発行事業者)になるための登録申請を行なって、請求書に記載するためのTから始まる登録番号を手に入れなければなりません。さらに所得税とは別に消費税の確定申告をし納税をする必要があります。

質疑応答

特別講義終盤には、税理士の講師とお話できる貴重な機会ということで、学生から多くの質問が寄せられました。

Q. 国がインボイス制度を導入する意図は?

より多くの消費税を徴収したいからです。今までは免税事業者が消費税を受け取ると、それが益税となって免税事業者の懐に入っていましたが、その益税をなくすために導入されたのがインボイス制度です。

Q. インボイス制度が導入されることで、発注側、受注側ともに手間がかかると聞いたことがありますが本当ですか?

免税事業者が課税事業者になった場合、新たに消費税の計算や確定申告の作成などの作業が発生します。また、課税事業者が請求書を受け取る際には請求元が課税事業者か免税事業者か、さらに課税事業者であっても請求書に記載されている登録番号が正しいか確認する作業が増えるため、事務的な負担が大きいと言われています。

Q. 低所得者のフリーランスや副業者でも、税金に関して相談できる人はいますか?

わたしでも大丈夫ですが、近所の税務署にも相談員さんがいて無料でお話を聞いてくれるので、確定申告初心者の方は頼ってみると良いかもしれません。

吉村氏から学生へメッセージ

冒頭でもお話しした通り、多くの人が起業や副業を当たり前にする時代になると思います。そうなった際に、生きるためのリテラシーとして税金に関する知識は必要不可欠です。今日は税金に関してほんの一部しか話せなかったので、もっと知ってほしいことがたくさんあります。起業や副業などを考えている方は、ぜひ勉強していただいて、楽しみながら事業をなさってください。

   

平野紫耀さんが登場!デジタルハリウッド大学新CM『みんなを生きるな。自分を生きよう。2024』

本気で夢を追うって
簡単じゃないんだってマジで

これから先、諦めたくなる瞬間が
かならず来る
もちろんおれにもくる

でも、その夢を実現できたら、
きっと「最高だ!」って思えるんだよ

だから、とにかく一歩踏み出す
その選択が正しいかなんて、
今の時点じゃ誰にも分かんないし

最終的に、自分の道は、
自分で選ぶしかないでしょ!

みんなを生きるな。
自分を生きよう。

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