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【開催レポート】バラエティ番組制作から学ぶ画作り 〜〜フルサイズやスーパー35mmの映像の世界しか知らない君たちへ〜〜

【開催レポート】バラエティ番組制作から学ぶ画作り 〜〜フルサイズやスーパー35mmの映像の世界しか知らない君たちへ〜〜
開催日時
2022年5月31日(火)19:30~21:30
場所
デジタルハリウッド大学駿河台ホール
2022年5月31日、デジタルハリウッド大学では特別講座【バラエティ番組制作から学ぶ画作り 〜〜フルサイズやスーパー35mmの映像の世界しか知らない君たちへ〜〜】を開講しました。
今回は、『アメトーーク』、『ロンドンハーツ』などの大人気バラエティ番組のチーフカメラマンを務められている辻 稔さんをお招きし、昨年度までデジタルハリウッド大学で映像の授業を持たれていた池野 一成先生との対談形式で特別講義を行いました。
本レポートでは、講義の様子と、辻さんから受講者に向けられたメッセージをご紹介いたします。
【登壇者】
辻 稔
![]() | 1967年生まれ。静岡県出身。(株)ニユーテレス、(株)スウィッシュ・ジャパンなどのテレビ番組制作技術会社でテレビカメラマンとして活躍した後、2005年にフリーへ。チーフカメラマンとして、『アメトーーク』、『めちゃ2イケてるッ!』、『ロンドンハーツ』、『内村プロデュース』、『「ぷっ」すま』、『志村&鶴瓶あぶない交遊録』、撮影編集としてT-SQUAREのLIVE映像などを手がけている |
池野 一成
![]() | TV番組制作会社を経て現在、株式会社エース・ワンの代表。数多くのビデオ作品のプロデュースを手掛け近年、舞台プロデュースも手掛ける。あわせて、数々のビデオの講師・雑誌の記事執筆も行う。2004年から2021年までデジタルハリウッド大学・専門学校講師 |
【コーディネーター】
吉田 隆史
![]() | 映像配信チーム「NOAH NAME」代表 デジタルハリウッド大学卒業生 デジタルハリウッド大学大学院 在学中 |

写真左から吉田さん、辻さん、池野さん。
インパクトのあるコンテンツを生み出すには?
辻:演者さんが作った100パーセントの話を、カメラマンが映像でちょっと”何か”を貸してあげたことによって、120パーセントになればいいなっていうことは常日頃考えています。それがもしかしたらインパクトっていうことなのかもしれないな。

講義会場の風景。各グループにモニターが用意され、辻さんは自身が撮影した映像を見ながら解説されました。
番組内で演者から急な振りに対応するときは、どんな意識を持っているのか?
辻:コンビの芸人さんだったら、その3人目のメンバーのような気持ちでやってます。 この人たちの笑いとか、喋り方とかをしっかり伝えないと、盛り上げあげなきゃいけないと、と思っています。それが我々の使命かなって思っています。
この面白いコンビの面白いところをなんとか伝えなきゃっていう気持ちでやってるんで、 ちょっとかっこつけて言うと、その人たちを一生懸命理解して、愛してあげて、やらなきゃいけないなと思ってやっています。

カメラの技術について、身振りを交えながら説明する辻さん。

用意されたカメラを持って実演する場面も。
オリジナリティーとは?
辻:僕のオリジナリティーってそんなにないんですよ。だから、要は先輩の真似。誰かがやってる人の真似。それを真似て真似て真似て真似て真似て、自分のことのようにやって、それを自分の手柄にしちゃってるみたいな部分もすごくあるんです。
この人のいいところ、別の人のいいところ、また別の人のいいところと、全部情報をあつめて、最終的に自分が完全体になるような、そんなことを未だに思ってるんですよね。

これからカメラマンを目指す学生、番組作りをする学生に対してのメッセージ
辻:映像を作る、番組を作る、作品を作るということへの情熱は、手法と技術が変わってるだけであって、多分20年、30年、40年前の人たちと変わらないと思います。
発想力というか、作り手の想いは作品に反映されるので、今の年代の皆さんが見てきたものを踏まえて、これから皆さん自身が映像や番組をどうやって作っていくかっていうのが、これからの映像業界だと僕は思います。
個性っていうのは、もちろん磨くものもあるし、生まれ持ったものもあると思うんですけど、僕はどっちかっていうと、たくさんいろんな先輩や他の人のいいところの真似をして、「それはパクりだろう!」って言われることがあるかもしれないけど、それをオリジナルと見せるっていうのも技術の1つだと思います。例えば、昔のカメラワークとか昔のいいものを自分の個性として、現代風にアレンジしてやるっていうのも1つの技術だと思います。
皆さんがこれからどんな番組を作るかわかりませんが「真似するオリジナリティー」と「それを実現する技術」が必要だという一例を今日はご紹介しました。
あとは、演者さんとコミュニケーションをとったりとか、番組の制作陣と、喧嘩することもあるんですけども、仲良くやっていって、みんなで色んな意見を出し合って、 信頼をし合って、番組作っていけばいいんじゃないかなと思っています。