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【開催レポート】特別講義「2020年度卒 DHU卒業生 伊藤 聖也監督作品『Jacob Collier – Little Blue(feat. Brandi Carlile)』MVメイキング秘話」

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【開催レポート】特別講義「2020年度卒 DHU卒業生 伊藤 聖也監督作品『Jacob Collier – Little Blue(feat. Brandi Carlile)』MVメイキング秘話」

2023年12月20日、デジタルハリウッド大学(DHU)は特別講義「2020年度卒 DHU卒業生 伊藤 聖也監督作品『Jacob Collier – Little Blue(feat. Brandi Carlile)』MVメイキング秘話」を開催しました。

講師である伊藤さんは、DHU卒業後、映画・CM・MVなどの制作を行うアーティスト集団・株式会社WACHAJACKで活躍しています。社会人4年目ながら、これまでに映像監督としてAwesome City Club、Mrs. GREEN APPLE、湘南乃風、Snow Man、V6など、名だたるアーティストの映像作品を手掛けてきました。

さらに2023年、伊藤さんの作品は海を越えます。その作品は、グラミー賞の常連であるイギリスのアーティストであるJacob CollierのMVです。

今回の特別講義では、伊藤さんによるMVの制作秘話や、仕事術などをお話ししてもらいました。

CGもできる映像監督として声がかかる

まず伊藤さんは、DHUに在籍していたときのお話や、社会人になってからどのようにJacob Collierと接点を持つことができたのかを紹介しました。

DHUでは、3DCGサークル「Mont Blanc Entertainment」に所属し、CGの勉強をしながらフリーランスとしてCG制作の仕事を受注していた伊藤さん。もともとはピクサーやディズニーのようなCGアニメーション作品に携わりたかったため、大学内外でCG作品の制作を続けていたそうです。

ただ伊藤さんは、「CGは分業の世界。ある部分だけ自分が担当したとして、それは自分で作った作品だと言えるのか」と考えるようになり、映像監督の道を選んだと言います。そして、さまざまなクリエイターが集まる株式会社WACHAJACKに所属。社内の仲間や、仕事上で得たつながりを通じて、現在は映像監督としての実績を着実に作っています。

そして2023年、CGも実写の知識もある伊藤さんは、Jacob Collierの関係者からMVの制作を依頼されます。

「8月7日にプロデューサーからLINEで連絡が来て、名刺代わりのデモリールがほしいと言われました。この時点でどんな仕事かは分かっていませんでしたが、デモリールを見てもらった結果、“ぜひお願いします”と言われ、Jacob Collierが日本でMVを制作したいという依頼だったと明かされます。そして撮影は1週間後。来日公演の前日しかアーティストのスケジュールを押さえられなかったようで、ドタバタしていました」

万全に準備をしても、現場では予期せぬトラブルが

依頼を受けてから伊藤さんは、企画書やムードボードと呼ばれるMVのラフ画を急ピッチで制作。

「MV制作の場合、ゼロから自分でコンセプトを考えるケースもあれば、アーティストからやりたいことをイメージを共有されて、それを元に制作サイドが形にしていくケースなどさまざま。今回は後者で、彼はペーパークラフト調のMVにしたいということで、『Little Blue』の歌詞をもとにMVの構成を考えました。チーム内には、ロシア人のカメラマンがいたり、もちろんジェイコブにも協力してもらったりするので、どのような画にするのかは、事前に詳細な資料を作り、チームのメンバーに翻訳してもらいました」

 

資料で9割方決まる?——伊藤監督の仕事術

ここからは、伊藤さんから学生時代にしておいた方が良いことを紹介してもらいました。たとえば、今のうちから上質な資料を作れるようになっておくことが重要だと話します。

「撮影前に渡す資料の出来で仕事が成功するかどうかは、9割方決まります。演出プランや、監督自身が何を考えているのかなど、発注主を納得させるという意味で資料の見栄えは大事です。何よりその資料は、プロデューサー、演者、カメラマン、照明、編集スタッフなどチーム全員が目にします。すごい作品になりそう、良い作品にしようという気持ちになってもらえるように、テンションが上がる資料の制作が、僕の仕事の中でもっとも重要なんです」

先輩や先生が作った資料や、画像共有サービス「Pinterest」、映像カットをカテゴリー別に検索できる「ShotDeck」などからインプットをし、まずは真似して作ってみる。かっこいい資料こそ、自分の可能性を広げてくれると伊藤さんは強調します。

ほかにも、稼いだお金は次の作品づくりに投資すること。自己完結しない案件に参加すること。良いと思った作品を共有し合える仲間を持つことなど、さまざまな教訓を話してくれました。

質問&雑談コーナーで、在学生と交流

今回の特別講義は講師と学生の距離が近く、後輩である受講生との交流も楽しんでいた伊藤さん。ここからは、伊藤さんに寄せられた質問を一部紹介します。

Q. 誰かと共同で制作していて、提出されたものが自分のイメージと違った場合、それを伝えるのに苦戦します。こういった場合、メンバーにどんな伝え方をすれば良いでしょうか。

A. 僕の場合「なんか違う」って理不尽に突っぱねないようにはしていますね。具体的に何が違うのか指摘できないということは、自分が完成形をイメージできていないってことだから、なるべく言語化してから伝えるようにしています。もし伝えるのが難しければ、こんな感じにしたいと参考資料を出すと良いかも。

Q. 1年生で、履修したかった授業が人気で抽選に落ちてしまいました。授業で制作したものをポートフォリオに掲載したかったのですが、それができそうにありません。サークルにも所属していなくて、ピンチです。どうしたら良いと思いますか。

A. あんまり良くないかもしれないけど、席が空いているなら潜り込んじゃうとか?僕も単位が取れるかどうか気にせず、受けたい授業があったら履修登録していない授業でもたまに潜り込んでいたので、ピンチなら受けたかった授業に潜入すると良いかも。

Q. 作品に対して、クライアントに対して、社会に対して、どんなスタンスで制作活動をしていますか。

A. 親が厳しかったので、自分の一番の原動力は「褒められたい」かな。社会に対しては、イラっとすることがあるけど、その気持ちを原動力にして作品づくりに生かしています。

Q. 1年生なのですが、動画を自分で作るならカメラを買ったほうが良いでしょうか。

A. 安価なもので大丈夫なので、買った方が良いと思います。調べて勉強するより、自分で使った方がカメラの機能を一通り覚えられるので。ちなみに、プロの現場だと、カメラやレンズは借りることが多いです。

受講生のリアルな悩みや、伊藤さんのぶっちゃけ話などが飛び出し、終始アットホームな雰囲気で特別講義は終了しました。

   

平野紫耀さんが登場!デジタルハリウッド大学新CM『みんなを生きるな。自分を生きよう。2024』

本気で夢を追うって
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これから先、諦めたくなる瞬間が
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もちろんおれにもくる

でも、その夢を実現できたら、
きっと「最高だ!」って思えるんだよ

だから、とにかく一歩踏み出す
その選択が正しいかなんて、
今の時点じゃ誰にも分かんないし

最終的に、自分の道は、
自分で選ぶしかないでしょ!

みんなを生きるな。
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