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【産学連携】御茶ノ水ソラシティ×DHU プロジェクトに参画した在学生の思いと制作裏話

【産学連携】御茶ノ水ソラシティ×DHU プロジェクトに参画した在学生の思いと制作裏話
東京都千代田区、JR御茶ノ水駅から徒歩3分のところにある「御茶ノ水ソラシティ」。デジタルハリウッド大学(DHU)の駿河台キャンパスは、
オフィスやカフェ、レストラン、コンビニエンスストアなど数々の施設が入るこのビルにあります。
【DHU】キャンパスツアー2022【デジタルハリウッド大学】
2023年、開業10周年を迎えた「御茶ノ水ソラシティ」とDHUが連携し、2つのプロジェクトを推進してきました。
今回は、コラボプロジェクトに参画している在学生3名と教員1名に、制作時の様子や、御茶ノ水という街が彼らにどう映っているのかを聞きました。
コラボ①:デジタルサイネージ映像の展示
「御茶ノ水ソラシティ」から、複合施設「ワテラス」へ。30メートル続く遊歩道に、DHUの在学生の作品が展示されています(上映期間:2024年2月末まで)。
本コラボプロジェクトは、「映像制作演習応用A」という授業の中で進行しました。
授業内容は毎期変わり、今回は御茶ノ水ソラシティというクライアントからの発注に対して、映像作品を完成させることが、学生たちに課せられたミッションです。
履修生はグループワークを通じて、企画〜撮影〜編集〜納品までのプロセスを学びました。
インタビューしたのは、本授業の履修生である寺林 昂一郎さん、伊庭 栞さん、そして担当教員である髙野 良和先生です。
ソラシティ関係者を巻き込んだ大規模なプロジェクト
——御茶ノ水ソラシティとのコラボ内容について教えてください。
寺林:ソラシティ近くに「KS46Wall」という、遊歩道に沿って27枚の縦型モニターが並んでいるエリアがあるんです。
KS46Wall
ソラシティプラザからワテラスへと続く、幽霊坂沿いの長く開放的な遊歩道。その壁一面は「モニターゾーン」と「ピクチャーレールゾーン」からなり、
参考:お茶ナビ
季節ごとの映像演出や、様々な個展作品の展示で、 訪れた人の感性を刺激します。
寺林:そこにDHU生の映像作品を展示できるということで、「映像制作演習応用A」の授業に参加している学生がグループに分かれて、
それぞれのコンセプトでサイネージ(電子看板)を作っていきました。
いつもはスマホやPC用の映像、大きくてもプロジェクターに投影する規模の映像を作っていたのに対し、
今回は60インチの大型モニター27枚、その1枚ごとに映像を出力させる。
大規模な映像の制作は初挑戦だったので、不安半分、楽しさ半分という気持ちでした。
——どのような作品を制作したのでしょう。
寺林:僕のグループのテーマは「水族館」です。御茶ノ水は川や緑が綺麗な街ですが、海の要素がないよねという話をグループでしました。
それで、働いている人が少しでも安らぐようにと願いを込め、海の生き物を泳がせることになったんです。
でも、ただの水族館じゃ面白くないと思って。悩んでいたら、髙野先生から「QRコードを泳がせたら面白くない?」とアドバイスをいただきました。
それを参考にして、QRコードを乗せた魚が泳いでいる水族館を作ろうと、方向性が決まりました。
魚の後ろに写っているのは御茶ノ水の風景
——QRコードを読み取るとどうなるんですか?
寺林:ソラシティに入居している会社の公式サイトやInstagramなどにアクセスできます。
今まで僕が作ってきた作品は、ある程度自分だけで完結していましたが、今回はソラシティの関係者の方々に許可をいただき、
皆さんの協力があってこその作品を作ることができました
サイネージを27枚。27という数字に注目してみる
——伊庭さんのグループはどんな作品を?
伊庭:寺林くんのチームが御茶ノ水という街の特色からコンセプトを考えていった一方で、
わたしのグループは、「サイネージ映像を27枚制作する」というお題そのものに注目しました。
27という数字について調べていたところ、アメリカの大学が、人間の感情を27個に分類して研究しているのを見つけたんです。
そこから発想して、喜怒哀楽だけでなく「驚き」や「安堵」など各感情をテーマにした、27種類の縦型ショート動画を制作しました。
——工夫したところはありますか。
伊庭:作品を見てくれる方にどんな気持ちになってもらいたいかは、グループで相談を重ねました。
感情をテーマにするとなると、ネガティブな感情も取り扱う必要があります。
ただ「悲しみ」を取り上げたショート動画では、見た人の気持ちをブルーにさせるだけなので、それは避けたい。
話し合いを進めていると、授業を見学に来ていたソラシティの担当者の方からアドバイスをいただいて。
それで、ちょっとした不幸と登場人物の感情を絡めた、くすっと笑えるストーリーを考えていきました。
授業の課題は、就活時にエピソードとして話せるものを
——髙野先生からは、授業中にどんな声かけをしましたか。
髙野先生:第一に、27枚のモニターがあるという前提を意識して、企画を組み立ててほしいということを皆さんに伝えました。
寺林さんのグループは、縦型のモニターを魚が越境して、横一杯に泳ぐダイナミック作品に仕上がりましたし、
伊庭さんたちは27という数字をうまく活用して企画していたと思います。両グループなりに、お題を咀嚼できていました。
2023年11月27日から、全チームの作品が展示される
——今回は御茶ノ水ソラシティとのコラボということでしたが、髙野先生は以前にも「映像制作演習応用A」の授業で、
アーティストとDHU生のコラボを実現していました。こうした産学連携についてはどうお考えですか。
髙野先生:学生たちには、作品が表に出る機会を経験してほしいと考えています。
もちろん、学生自身の実績として表に出せないプロジェクトもありますが、
せっかく作品を作ったなら就職活動のときに話せるプロジェクトを体感してほしいと思って、外部の方々に協力を仰いでいますね。
また今回は馴染み深いソラシティとのコラボだったので、制作を通じて、関係者の方々と仲良くなったり地域貢献ができたりすることを、実感してもらいたいと考えていました。
御茶ノ水に集まるいろんな人に、作品を見てもらえる良い機会
——御茶ノ水という街、ソラシティというシンボルについて、おふたりにはどんな思い入れがありますか。
寺林:とても面白い場所にソラシティがあると思っています。
近くには、秋葉原という電気街があって、神田神保町という古書店街もある。大学から徒歩10分くらいで、そういう場所に行けちゃうんです。
以前、杉山学長から「キャンパスを御茶ノ水にしたのは実はこだわりがあって——」というお話を聞いていたので、その気持ちが分かるような気がします。
伊庭:御茶ノ水って本当にいろんな人がいる街です。朝、登校したら通勤中の方と一緒になりますし、授業の合間に出歩くと小学生が遊んでいたりする。
人の流れを見ているのが面白い街で、そんな場所でサイネージ映像を展示できるのは、良い機会だと思っています。
コラボ②:10周年を記念したノベルティグッズの制作
デジタルサイネージ映像の展示のほかに、もうひとつ御茶ノ水ソラシティとのコラボプロジェクトが進んでいました。
それが、10周年を記念したノベルティグッズの制作です。
デザインを担当した在学生の髙山 友暉さんは、ソラシティで働く人のために切手を制作しました。
ソラシティらしさを切手に込める
——御茶ノ水ソラシティ10周年を記念したノベルティグッズは「切手」。髙山さんは大学からの指名を受けてデザインを担当されたとのことですが、どのような依頼がありましたか。
髙山:守ってほしい条件は、10周年にふさわしい、ソラシティのファンを増やす、ソラシティに愛着を持ってもらえること。
それ以外は自由でした。自由ゆえに何から始めるべきか悩みましたが、まずは自分が思うソラシティらしさについて整理してみました。
御茶ノ水と画像検索してみると、1ページ目にソラシティが出てきて、神田川や線路も表示される。これらはまさに御茶ノ水の代名詞的情景であり、
共通しているのは線です。特にソラシティのビル自体には、特徴的な白いラインがたくさんあります。
加えてソラシティというその名の通り、ビルを下から見上げた先に空が広がっていることから、空の色を用いて、白いラインが印象的なデザインにしました。
切手を使って、大切な人に想いを届けてほしい
——制作において、大変だったことは?
髙山:切手の制作に関しては、僕に一任されていたので、フレームや切手の枚数なども提案する必要がありました。
日本郵便のオリジナルフレーム切手を調べてみると、切手の形や大きさなどさまざまで、とても悩みましたね。
今回はソラシティで働く方々に切手が配られるということで、その方たちが大切にしている家族やパートナーに想いを届けてほしいという気持ちから、
結果的に2枚の切手を制作しました。
——最後に、御茶ノ水という街、ソラシティというシンボルについて、どんな思い入れがありますか。
髙山:僕はソラシティが大好きで、特にロゴがめちゃくちゃ好きです。墨だまりがあるような文字のフォント、そして空のような水彩画の模様が広がっている。
ビル内のトイレのマーク、エレベーターの数字の形とかも大好きで、そんな大好きなビルの記念グッズの制作に携われたことは本当に嬉しいです。
引用:御茶ノ水ソラシティ公式サイト
御茶ノ水ソラシティご担当者様より
伊藤様(左) サイネージの映像が流れるだけでKS46Wallの雰囲気が変わるんだなと思いました。 特に普段はまっすぐ見て歩くだけなんですけれど、ああいう映像が流れることで、 少しゆっくり歩くのでKS46Wallの道をさらに彩ってくれていると感じました。 ビル側がすごく期待できるような展示を皆さん考えてくださったなと思いました。 |
須内様(真ん中) もう素直にいろんな学生さんがいらして、とくに映像作品ではソラシティ10年の歴史を映像にするのかと思ったら 水族館で魚が泳いでいたり我々が本当に思いもつかない角度からの企画で驚きました。 髙野先生もすごく積極的に参加いただき非常にありがたかったです。素直に自分も刺激されました。 オフィスビルに大学があるというのはとても珍しくって新しいオフィスビルの形じゃないですけれども、 ただビルを運営していきたいっていうだけじゃなくて学生の皆さんが活躍できたり、 オフィスワーカーさんにとってもプラスになるようなイベントでありたいと思います。 |
小岩様(右) 学生さんとテナントさんとコラボし繋がることによってテナントリレーションになりますし、 学生さんたちもやりがいを持ってやっていただけるんじゃないかなと思いました。 10周年だけじゃなくて、今後も継続してこのような連携企画ができればと思います。 |
デジタルハリウッド大学は、在学生が持つ創造性を最大限活かし、かつ自立した人間として社会に貢献する人物になってもらうため、学生と企業との接点を頻繁に設けています。
詳しくは、大学公式サイトや過去のnoteなどをご覧ください。
https://www.dhw.ac.jp/
https://note.com/dhu/m/m0447ebbe94a6
▼OPEN CAMPUS GUIDE(イベント情報)
https://www.dhw.ac.jp/p/ocguide/
▼デジタルハリウッドダイガクNOW
https://www.dhw.ac.jp/p/now/
▼入試情報
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▼入学試験ガイド
https://www.dhw.ac.jp/p/admissionguide/
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