ニュース&イベント

開催終了

【開催レポート】特別講義「デジタルブランディング会社アートディレクターが伝える、制作現場におけるBlenderの『可能性』」

開催終了

【開催レポート】特別講義「デジタルブランディング会社アートディレクターが伝える、制作現場におけるBlenderの『可能性』」

2023年12月21日、デジタルハリウッド大学はSHIFTBRAIN Inc.の鎌田 亮平氏をお招きし、特別講義「デジタルブランディング会社アートディレクターが伝える、制作現場におけるBlenderの『可能性』」を開講しました。

Blenderは、高性能ながら無料で扱える3DCGソフトウェアで、VFX、アニメーション、CGシミュレーションの制作など、さまざまな用途があります。

鎌田氏はデザイナーやアートディレクター・デザイナーが本職ですが、既存の知識とCG技術を組み合わせることで、表現の幅が格段に広がったと言います。Blenderを活用しCG作品を作れるクリエイターになった場合、これからどんな未来が待っているのか、特別講義でお話しいただきました。

今は、Apple Vision Pro普及前の猶予期間

なぜ、今CGの勉強をすべきなのでしょうか。デザイナーである鎌田氏が、数年前からCG技術の研鑽を始めた背景には、Apple Vision Proの存在があったと言います。

2024年2月2日にアメリカで発売されたゴーグル型端末「Apple Vision Pro」(日本での発売は未定)。約50万円〜と強気の価格設定ですが、鎌田氏は「iPhoneやApple Watchが時間をかけて世の中に普及していったように、Vision Proも数年後には身近なものになる」と予想しています。

「3次元のデジタル世界が広がろうとしている中で、デザイナーが身につけるべきスキルセットは、グラフィックデザイン・Webデザイン・UI/UXデザインではなく、CGデザインなんじゃないかと。僕はここから1〜2年は、CGを勉強できる猶予期間だと思っています」

そんな重要な局面であると話す鎌田氏が「CGを勉強するならこれ」と紹介したツールがBlenderです。

鎌田氏はBlenderについて、「学生の皆さんなら、今からでもBlenderを学習すると就職活動が有利になると思います。よく知られているCGソフトウェアは、プロフェッショナル向けに開発されたものばかりで、ライセンス料金は数万円〜数十万円とかなり高価です。この状況ではCGデザイナーが増えない、という考えから作られたのが、無料で利用できるBlenderでした。著名なCGソフトを開発してきたクリエイターが作ったものであるため多機能で、アップデートの頻度が高い。試しにCGを勉強したいという人であれば、Blenderを触っておけば間違いない」と紹介しました。

3D技術を習得したら、メリットしか待っていない

CG技術を身につけると、どんなメリットがあるのか。まず、ひとつのアウトプットに対して試行錯誤の回数を増やせると、鎌田氏は話します。

「たとえば、Webサイトに使用する画像を1枚用意するとします。市販されていない実物を被写体として掲載するとしたら、最初にアーティストの方に依頼し実物を制作してもらい、完成後に撮影場所をセッティング、プロのカメラマンに撮影してもらいます。一方、CG技術があればPC上ですべての作業が完結します。CGで作成する場合、被写体自体のブラッシュアップや、カメラアングル、光量の調整などの試行錯誤を短時間で行える上に、材料費や撮影費などのコストも抑えられる。CG技術を身につけるのはメリットしかないと思っています」

さらに、CGを扱えるとプレゼンの際に説得力が増す、と鎌田氏。

「御社のコーポレートサイトはPCやスマホではこのように表示されます」「もしこの空間にポスターを貼ると、こんなイメージになります」

PCやスマートフォンなどの3Dモデルを用意して、その端末の画面にデザイン案を入れ込んだり、既存の部屋をイメージした3Dモデルを用意して、擬似的にポスターを張ってみたり。デザイン案をクライアントへ共有する際、単純にイメージ画像で共有するのではなく、CG技術を活用することで、より使用イメージを想起させられると鎌田氏は強調します。

クライアントに提案する資料の例や、鎌田氏が所属するSHIFTBRAINのオフィスの3Dモデルなど、実例を紹介しながら3D技術の魅力を解説しました。

独学で3Dモデルを作れるようになる、鎌田式学習方法

ここまでBlenderや3DCGの可能性に触れてきましたが、ここから鎌田氏は、今日からできるBlenderの学習方法を学生へ伝授しました。

たとえば、YouTubeでよく見かける、Blenderのチュートリアル動画で勉強する場合。多くの人が動画を見ながら手を動かして勉強しようとするかもしれませんが、これは非効率であると鎌田氏は話します。

「チュートリアル動画やTips動画で勉強する際、まずはその動画を最後まで見る。Blenderで試したくてうずうずするかもしれませんが、我慢して動画を見終えてください。そして2回目以降に動画を真似してみる。すると、今自分が作業していることが後々どんな意味を持つのか、今の作業が何分で完了するのか、これらを把握した上で作業できるので、理解度が高くなるんです」

あくまで鎌田氏の意見ですが、全体の工程や尺感を把握しながら作業すると、効率や習熟度が増すと言います。Blenderの勉強の仕方が分からない、という学生は一度試してみるのも良いかもしれません。

好きだと思うことを信じてやってみる

最後に、鎌田氏からデジタルハリウッドの学生へメッセージが送られました。

「僕は学生時代に3DCGソフトのMayaを勉強していましたが、挫折してグラフィックデザイン・アートディレクターの勉強をするようになりました。ですが、最近CGの必要性を感じるようになってBlenderを触るようになり、CGもできるデザイナーとして仕事ができています。今回の90分の講義で僕が伝えたかったのは、今の自分が信じる道を進んでほしい、ということです。僕はApple Vision Proが普及する未来を信じているので、その道を選んでいるだけです。もしかしたら過去に挫折したことがあっても、数年後に意欲が湧いてくることもあるので、好きなことを信じて頑張ってください。」

   

平野紫耀さんが登場!デジタルハリウッド大学新CM『みんなを生きるな。自分を生きよう。2024』

本気で夢を追うって
簡単じゃないんだってマジで

これから先、諦めたくなる瞬間が
かならず来る
もちろんおれにもくる

でも、その夢を実現できたら、
きっと「最高だ!」って思えるんだよ

だから、とにかく一歩踏み出す
その選択が正しいかなんて、
今の時点じゃ誰にも分かんないし

最終的に、自分の道は、
自分で選ぶしかないでしょ!

みんなを生きるな。
自分を生きよう。

本気で夢を追うって
簡単じゃないんだってマジで

これから先、諦めたくなる瞬間が
かならず来る
もちろんおれにもくる

でも、その夢を実現できたら、
きっと「最高だ!」って思えるんだよ

だから、とにかく一歩踏み出す
その選択が正しいかなんて、
今の時点じゃ誰にも分かんないし

最終的に、自分の道は、
自分で選ぶしかないでしょ!

みんなを生きるな。
自分を生きよう。