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【開催レポート】卒業生が「スターウォーズ」制作の裏側を語る! 秋のオープンキャンパス2018② ~ハリウッドクリエイター編~

【開催レポート】卒業生が「スターウォーズ」制作の裏側を語る! 秋のオープンキャンパス2018② ~ハリウッドクリエイター編~
デジタルハリウッド大学
秋のオープンキャンパス2018
開催レポート② ハリウッドクリエイター編
デジタルハリウッド大学では10/14、10/28の2日程にて「秋のオープンキャンパス2018」を開催しました。秋OCでは毎年、話題のクリエイターやクリエイティブ業界で活躍する方をゲストにお招きし、講演・対談メインでお届けしています。
今年はIT企業のアプリ企画を担当するかたわら、伝説の「自撮ラー」、さらにはコラムニストとしても知られるりょかち氏と、デジタルハリウッド卒業生で『スターウォーズ』シリーズをはじめとするハリウッド映画を数多く手がけるCGアーティストの山田義也氏にご登壇いただきました。
今回は10/28「ハリウッドクリエイター編」の様子をお伝えします。
※10/14「クリエイティブ女子編」の開催レポートはこちら
■10/28 ハリウッドクリエイター編
第1部では現役で活躍する映像アーティストである山田義也さんをゲストにお迎えし、「スターウォーズ」をはじめとする山田さんの仕事について、制作工程のレクチャーを中心にお話しいただきました。

山田義也 氏(Industrial Light & Magic / Senior General Artist)
広島県出身。大学卒業後一般企業に就職したが、デジタルハリウッドアメリカ校を雑誌で知り1998年に渡米。 卒業後就職したミュージックビデオメインのブティックプロダクションの社長がHydraulx社を起業するのに伴い立ち上げメンバーとして参加。約12年モデリングスーパーバイザーとして同社でアセットデベロップとショットワークを経験した後に2012年から現在のIndustrial Light & Magic社でシニアジェネラリストとして活動中。これまで『スターウォーズ:フォースの覚醒』『ローグワン』『スターウォーズ:ラストジェダイ』や『トランスフォーマー』『アベンジャーズ』など60本近くのハリウッド映画に参加。またリンキンパークやレッドホットチリペッパーズ等のミュージックビデオのVFXも担当しており、コマーシャルなどを含めると作品数は100本近くになる。最新作はドウェイン ジョンソン主演の『スカイスクレーパー』9/21より日本公開。
<手掛けられた作品のデモリール>
イベント冒頭、ILM社が手掛けた作品の紹介映像が上映されると、その圧倒的な迫力の前に満席の会場は静まり返ってしまいました。こうした映像作品、特にCGを駆使した背景や物体の動きがどのように作られているのか、そして山田さんがハリウッドの世界に飛び込むきっかけは何だったのか、本学准教授でナビゲーターの小倉以索先生とともに迫っていきました。

山田さんが務める「ジェネラリスト」とは、一言でいえば映画の背景を作るアーティストのこと。細かく複雑な作業が必要な部分は「スペシャリスト」が担当するのに対して、ジェネラリストは絵作りの大部分を担当することになるため、より高度な技術と広い見識が求められます。講演ではモデリング(形をつくる)、アニメーション(動きづけ)、ルックデブ(質感設定)といったCG制作の工程を、実際のハリウッド映画で使われた画像を用いて解説いただきました。
木や建物などのアセットと呼ばれる背景をつくる際には、参考資料として3000~4000枚もの写真を用意し、あらゆる角度から見え方や光の当たり具合をチェックしたうえで、CGでもまったく同じに見えるようになるまで調整を続けます。「人間の目は非常にシビアなので、ちょっとした違いも気になってしまう。ショットワーク(絵作り)では『ここまでが実写、ここからフルCG』といった形になるため、砂地ひとつとっても前後のショットにディテールを合わせる必要がある。見た目が命だからこそ楽しい作業です」(山田さん)。
山田さんが現在のキャリアに進んだきっかけは、小学5年の時に観た『スターウォーズ・エピソード4/新たなる希望』。その世界観に衝撃を受け、将来は映画制作に携わりたいと感じたそうです。しかしその後、大学では機械工学を専攻し、卒業後はサラリーマン生活を送っていました。
30歳の時、たまたま読んだCG関連本の中にあったデジタルハリウッド(現:社会人スクール)の広告が目に留まります。3Dソフトは未経験、TOEICは500点に満たないレベルでしたが、「やるなら最後」と会社を退職。アメリカ校(当時)の入学試験を受験し、補欠合格の末に入学しました。在学中の1年間は午前は英語、午後はCGの勉強に明け暮れたといいます。卒業後、Red Hot Chili PeppersのPV制作のインターンシップをきっかけに、CG/VFXアーティストとしてアメリカでのキャリアをスタートさせました。
2012年、ウォルト・ディズニー・スタジオによるルーカス・フィルムの買収が明らかとなり、スターウォーズの新作が出ることがわかると、「いてもたってもいられず」ILMへの移籍を決意。『スターウォーズ・フォースの覚醒』『スターウォーズ・ラストジェダイ』を手掛けるなど、幼少期からの夢を果たしました。

最後に、お二人から高校生に向けてメッセージをいただきました。
小倉先生「これだけの映画を作ってきているので、山田さんのことをスーパースターのように思う方もいるでしょう。でも最初は誰でも普通の人。英語なんか話せない、CGソフトなんか触ったことない!という高校生でも、頑張れば夢は叶うことを知ってほしいですね」
山田さん「今日来られている中には、すでに映像アーティストを目指してCGやVFXの勉強をしている人がいるかもしれません。CGを勉強するだけなら今は専門学校でもオンラインでも独学でもできますが、大学に行くことのメリットもあります。映像制作にしてもアカデミックな勉強をしてきている人の方がクリエイターとしての引き出しが多い。DHUには教養系の授業もありますから、学生のうちに知見を広げるにはこうした選択肢があったほうがいい。
また、外国語を学ぶことはとても重要です。特にエンタメ業界では世界中の人と付き合うことになりますし、最新のCGに関する文献も英語で書かれていることが多い。海外の知り合いや友達も増える。外国語ができるだけで仕事になります。
みなさんはまだまだ若いので、いろんなものを見て、吸収して、興味のあるものにはどんどんトライして、その中でやっていて面白いものを見つけてほしい。それこそがみなさんの才能だと思います」

山田さん、貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました!
第2部では日本の高校生/留学生に分かれて、大学説明会を実施しました。いずれのイベントにも在学生が登壇し、DHU入学のきっかけ、受験時の裏話、いま取り組んでいること、将来の夢などについて語りました。


以上、「秋のオープンキャンパス2018」開催レポートでした。
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