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開催終了

【開催レポート】ごっこ倶楽部・志村 優氏らが担当する新規科目「配信ビジネス」開講記念特別講義

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【開催レポート】ごっこ倶楽部・志村 優氏らが担当する新規科目「配信ビジネス」開講記念特別講義

日時

2023年7月27日(木)16:00〜17:30

場所

デジタルハリウッド大学 駿河台キャンパス 駿河台ホール

2023年度より、デジタルハリウッド大学では、新規科目「配信ビジネス」の授業を開講しています。開講を記念して、2023年7月26日に開催したのが、特別講義「スマホ映画館:SNSにおけるショートドラマの未来」です。

本特別講義では、「配信ビジネス」の授業を担当する志村 優氏に登壇いただき、志村氏のバズに対する考え方や、新規科目「配信ビジネス」でどんなことが学べるのかを紹介いただきました。

講師を務めるクリエイター集団「ごっこ倶楽部」の強みとは

ごっこ倶楽部は、「日常で忘れがちな小さな愛」をテーマに、縦型ショートドラマを作り続けているクリエイター集団です。

脚本、演技、撮影、編集、分析などすべてをこなし、2日に1本以上のペースで動画を投稿。TikTokを主戦場とし、大手企業のPRを支援、社内のクリエイターが作りたい作品の制作の2軸でショートドラマを制作しています。

ショート動画のプラットフォームであるTikTok、YouTube、Instagramのアルゴリズム(動画がユーザーに届けられる仕組み)を公開していません。

いいねやコメントの数、使用する音楽、フル視聴率、平均視聴時間、自分のアカウントの関連動画も見てくれているか(直帰率)など。プラットフォームがおすすめする動画に選ばれるための変数は無限にあります。

何が正解かわからない世界で、1投稿ずつ細かい改良を重ね、ごっこ倶楽部は100万回以上再生される動画を連発しました。

志村氏は「TikTokでは、動画の再生回数の単位がK(キロ)ではなくM(ミリオン)、つまり100万回再生を超えることで、さらに再生数が伸びると考えられています。ごっこ倶楽部では1M以上の再生数を狙うためのノウハウが蓄積されており、コメント数が増加する脚本の特徴、ユーザーがスワイプを止めて見入ってしまうような仕掛けなどが各チームに共有されています。DHUの皆さんには、ごっこ倶楽部がこれまで培ってきた再現性の高いノウハウを、すべて提供するつもりです」と話しました。

YOASOBI『アイドル』がヒットした最大の要因は、所属レーベルにあり?

「自分や会社が作品を作り続けるためには、採算を度外視して制作することはできません。そのため世の中のほぼすべてのクリエイターは、いかに多くの人に届けるかを狙って工夫し続けています」と話す志村氏。ここからは、クリエイティブとビジネスがどのようにかけ合わさって作品が生まれているのか、YOASOBIの楽曲『アイドル』を例に解説しました。

YOASOBIは、Billboard JAPANチャートにおける、ストリーミングの累計再生回数3億回を史上最速で突破。TikTok LIVEでの同時接続数は、日本人アーティストのライブパフォーマンス史上最高記録を達成しました。さらに「gacha pop」というJ-POPの新しいジャンルを開拓するなど数々の偉業を成し遂げたYOASOBIですが、『アイドル』のヒットは所属レーベルが持つ情報量の多さが起因したと志村氏は推測します。

YOASOBIが所属しているソニー・ミュージックエンタテインメントは、ソニーグループ

の傘下であり、アニメの制作・配給を行う「アニプレックス」、アメリカの音楽配信サービス「The Orchard」、アメリカの映像配信サービス「Crunchyroll」などがグループに属しています。

日本のアニメや音楽が世界中の人々にどう届き、評価されているのか。どのようにローカライズすれば、日本のコンテンツは受け入れられるのか。ソニーグループ内に蓄積されてきたノウハウをYOASOBIが活用できたことで、ビッグタイトルが生まれたのではないかと志村氏は考えています。

「作品がヒットしたのは、アーティストが天才だったから、運が良かったからだと考えることもできます。、しかしほとんどの作品は、“ひとりでも多くの人に届けたい”という製作陣の願いが込められており、丹念に作り込まれたうえで世に出てきます。どんな工夫が数字につながるかは分からないため、クリエイターであっても配信ビジネスについての理解を深める必要があるのです

志村氏は、配信ビジネスを学ぶ意義や、持っているノウハウをフル活用して次の作品につなげることの重要性を強調しました。

質疑応答

ここからは学生から届いた質問に答えていただきました。

Q. 縦型動画の視聴回数を増やすための、撮影のコツはありますか?

A. たくさんありますが、例を挙げるなら視聴者にとって動画の視聴にストレスがないよう、スムーズに視線を移動させるよう設計しています。たとえば、黒板の前に立つ演者を被写体にする場合、左から右に文字を書くとすぐに画角から外れてしまうため、カメラを移動し続けなければならない。これをわずらわしいと感じる視聴者もいます。

そのため縦型ショートドラマを撮るときは、カメラの横の動きを最小限に抑える必要があるんです。文字を上から下に書いたり上下の動きを入れたりなど、縦型の映像として成立するよう演者に工夫してもらっています。

Q. TikTokやYouTubeショート、Instagramリールなど、プラットフォームの選定が大切だとおっしゃっていましたが、それぞれに特性があると言えますか。

A. それぞれ特性はあります。TikTokとYouTubeを比較すると、たとえばTikTokの場合コンテンツのフレッシュさを重視するのか、動画をアップして数時間でバズるケースが多い一方、YouTubeは1週間経ってからいきなり100万回再生されることがあります。また、YouTubeの場合BGMと再生回数に相関はないと考えられていますが、TikTokは音楽で検索できるため、どの曲を動画のBGMに選ぶかは重要です。

Q. ビジネスを追求すると、自分が本当に作りたいものと乖離して、制作が退屈になることはありませんか?

A. 確かに、ビジネスを追求しすぎて自分がやりたくない仕事ばかりに時間を割くと、モチベーションは下がってしまうかもしれません。数分のショート動画であっても、脚本を書くのに最低8時間、撮影だけでも10時間以上費やしていますから、好きなことでなければ続かない仕事だと思います。

ごっこ倶楽部の場合は、クリエイターたちがなるべく好きなジャンルの作品を作れる環境であろうとしていて、ごっこ倶楽部専用のアカウントがあります。ビジネスとしてクライアントのアカウントでPR動画を投稿し、ごっこ倶楽部のアカウントで好きな作品を投稿する。ただし、双方のアカウントにとって良い影響があるよう、どんな作品であれバズる要素を入れるようにしています。

バズを連発してきた「ごっこ倶楽部」が、再現性の高いノウハウを伝授

最後に、志村氏は「配信ビジネス」の授業でどんなことを学べるかを紹介して、特別講義は終了しました。

「今日お話ししたことは、ごく一部の情報でしかなく、これから始まる新しい授業ではごっこ倶楽部が培ってきたノウハウを余すことなくお伝えします。たとえばごっこ倶楽部のクリエイターや役者をDHUに呼んで、脚本・撮影・編集・動画投稿・分析という一連の流れを体験しながら学びにつなげてもらいます。実際に自分でアカウントを作って動画を投稿してもらう予定なので、授業以外にも作業が発生したり、作品について考える時間が増えたりして忙しくなることが考えられるでしょう。しかし、インプットしたことをうまくアウトプットにつなげられたら、受講期間中にバズを経験できるかもしれません。世の中のバズコンテンツを分析できるようになりたい、コンテンツをバズらせるクリエイターになりたいという方にとって、有意義な時間になるはずです

   

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本気で夢を追うって
簡単じゃないんだってマジで

これから先、諦めたくなる瞬間が
かならず来る
もちろんおれにもくる

でも、その夢を実現できたら、
きっと「最高だ!」って思えるんだよ

だから、とにかく一歩踏み出す
その選択が正しいかなんて、
今の時点じゃ誰にも分かんないし

最終的に、自分の道は、
自分で選ぶしかないでしょ!

みんなを生きるな。
自分を生きよう。

本気で夢を追うって
簡単じゃないんだってマジで

これから先、諦めたくなる瞬間が
かならず来る
もちろんおれにもくる

でも、その夢を実現できたら、
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